OKETA COLLECTION:A NEW DECADE | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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ファッションビジネスに長年携わってきた桶田俊二・聖子夫妻によって収集されたアートコレクション。
それが、桶田コレクション (OKETA COLLECTION)。
これまで一般公開されたことがなかったという桶田コレクションですが、

昨年4月、表参道のスパイラルにて無料で一般公開され、大きな話題となりました。

 

 

あれから1年。

再び、表参道のスパイラルにて、

桶田コレクションが公開されることとなりました!

しかも、今回も無料です。

 

 

 

第2回となる今回のタイトルは、“OKETA COLLECTION:A NEW DECADE”

『A NEW DECADE (=新たな10年)』 をテーマに、

時代の本質を捉えた国内外の作品約20点が紹介されています。

ニューノーマルの今だからこそ観ておきたい展覧会といえましょう。

星
 

 

まず冒頭で展示されていたのは、

ゲルハルト・リヒターの 《Abstract Painting (940-3)》 です。

 

 

 

現存する作家として、世界レコードの落札額を記録した過去を持ち、

この秋には、半生をモデルにした映画の公開も控えているゲルハルト・リヒター。

今もっとも世界で注目されている芸術家の一人です。

一見すると、何が描かれているかよくわからない抽象画ですが。

じーっと眺めていると・・・・・・・・・・・・・・やっぱり何が描かれているかよくわかりません (笑)

ただ、よくわからないのですが、不思議と引き付けられてしまいます。

それが、リヒターの魅力。

この1点を観るためだけに、展覧会を訪れる価値は大いにあります。

 

なお、リヒターの作品の隣に並べられていたのは・・・・・・・・

 

 

 

右から草間彌生さん、村上隆さん、奈良美智さん。

日本現代美術界のSTARSがそろい踏み。

改めて、これらが個人コレクションだなんて。

しかも、普段は公開されていないだなんて。

 

 

さてさて。スパイラルのメインとなる吹き抜けスペースには、

名和晃平さんの作品を囲むように、今勢いのある海外の若手作家の作品が展示されていました。

 

 

 

こちらの作品を描いたオスカー・ムリーリョは、

「21世紀のバスキア」 の異名を持つコロンビア出身のアーティスト。

 

 

 

昨年、ターナー賞を受賞したことでも話題となった人物です。

世界的にもっとも注目を集める現代美術賞であるターナー賞。

毎年4人のアーティストがノミネートされ、

秋から冬にかけて、ノミネート作家の合同展が開催されます。

そして、その中から、一人だけターナー賞の受賞者が一人選ばれるのですが。

昨年はなんとオスカー・ムリーリョを含む4人が連帯し、

誰か一人を選ばないようにと、審査側に申し入れて、その案が採用されました。

そう、ターナー賞史上初の4人全員受賞となったのです。

M-1で例えるならば (?)、ミルクボーイやかまいたち、ぺこぱら、

ファイナリスト全員が連携し、松本さんや上沼さんに 「全員優勝で!」 とお願いしたようなもの。

なんとも斬新な審査結果ですが、そのせいで、今年度以降のノミネート作家が、

もし仮に思っていても、「俺だけ選んでくれよ」 と言い出しづらくなったのは確かです。

 

 

他にも世界的に人気の高い五木田智央さんの巨大なキャンバス作品や、

 

 

 

筆は使わず手で直接描くロッカクアヤコさんの作品など、

 

 

 

パワーに満ちた作品が多数紹介されていました。

これらの作品のパワーが合わされば、

コロナウィルスなんてどこかに吹き飛んで行ってしまいそうな印象すらあります。

観ているだけで元気になる展覧会です。

 

 

ちなみに。

個人的に特に印象に残っているのは、

松山智一さんの 《Sing It Again Sweet Sunshine》 という作品。

 

 

 

松山智一さんは、現在ニューヨークで活躍している気鋭のアーティスト。

昨年には 『情熱大陸』 に取りあげられ、話題になりました。

一枚の絵の中に、やまと絵や浮世絵といった和の要素もありつつ、

ポップアートや抽象表現主義といった西洋美術の要素も取り入れつつ。

古典的でもあり、現代的でもあり。

いろんな要素がごちゃ混ぜになった、いい意味で捉えどころのない絵画作品です。

キャンバスの形も真四角でないため、

常に形を変化させているかのような印象を受けました。

 

 

そうそう、ニューヨークといえば。

伝説のグラフィティアーティスト、フューチュラによる珍しい立体作品も展示されていました。

 

 

 

鳥山明の漫画に出てきそうなキャラクターです。

いや、もしかしたら、すでに出てたかもしれません (←?)。





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