奇才 ダリの版画展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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博多駅から九州新幹線で3駅。
筑後船小屋駅の目と鼻の先に、
シルバーに光り輝く、メカニカルで巨大な建物があります。




その名も、九州芸文館。




九州 “文芸” 館ではなく、九州 “芸文” 館。
2013年にオープンしたばかりの福岡県が運営する化複合施設です。

ちなみに、建物の設計に協力したのは、今を時めく建築家、隈研吾さん。




根津美術館やサントリー美術館、富山市ガラス美術館をはじめ、
隈さんが設計したミュージアムは、これまで数多く訪れていますが。
どのミュージアムも、良くも悪くも、ワンアイディア勝負な印象があります。
しかし、打って変わって九州芸文館は・・・





これでもかというくらいに、さまざまな要素が盛り込まれていました。
なるほど、芸術文化 “複合施設” といった印象です。

ちなみに。
九州芸文館の建物のすぐ目の前に、謎の何やら石製の馬が埋まっていました。




こちらは、博多人形づくりの名工・中村信喬さんが、
八女の岩戸山古墳から出土した石馬からインスピレーションを得て制作した作品とのこと。
なかなかシュールな作品です。


さて、シュールと言えば、現在、九州芸文館では、
“奇才 ダリの版画展” という展覧会が開催されています。




出展作品は一切掲載されておらず、
ダリの顔写真だけが、ドーンと掲載されている。
超、不可思議な展覧会ポスターです (笑)
と、それはさておき、絵画や彫刻、オブジェなどのイメージが強いダリですが、
意外にも、後半生では版画も多く手掛けており、生涯で約1600点もの版画作品を残しています。
そんなダリの版画をフィーチャーしたのが、こちらの展覧会。
約200点のダリの版画作品が、展示室の壁一面に飾られています。


(注:会場は撮影禁止です。記事に使用している画像は、九州芸文館より特別に提供して頂いたものです)


見どころは何と言っても、展覧会の冒頭を飾る 《ダンテ『神曲』》
全100点からなる超大作です。




1950年、イタリア政府からダリのもとに、
ダンテの生誕700年を記念して発行する出版物の挿絵のオファーが舞い込みます。
あまりの大仕事に気合いを入れて水彩画を制作するも、
なんやかんやあって、発行計画は中断してしまいました。
そんな一旦ボツになりかけた水彩原画をもとに、
パリのとある出版社が出版したのが、版画作品集 《ダンテ『神曲』》 なのです。
キャプションがあるおかげで、『神曲』 の一場面であろうことは、うっすら理解できましたが。
キャプションがなかったら、ただのダリ作品 (←?)。
溶ける時計や蟻、卵、引き出しといった、
ダリの世界でおなじみのモチーフがガンガン登場します。
さすがは、ダリ。
ダンテの文学世界に寄せる気は、ほぼほぼ感じられませんでした (笑)

さてさて、そんな謎多きダリの版画の世界。
じーっと観ていると、頭の中がこんがらがってしまいそうになりますが、
それを絶妙にほぐしてくれるのが、会場内のあちこちに貼ってあるパネルです。




完成度の高さにはムラがありましたが、
ほぼすべてのパネルの中に、ダジャレが織り込まれていました (笑)
こちらのパネルを制作した人もまた奇才です。
星


ちなみに。
この展覧会の関連トークイベントとして、




つい先日、『ダリトーーク』 を行ってきました。




本人的に一番頑張ったのは、パロディのロゴの作成。
あの騒動のせいで、本家が終了してなくて本当に良かったです (笑)




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