12 Rooms 12 Artists | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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東京ステーションギャラリーで開催中の・・・

12 Rooms


“12 Rooms 12 Artists UBSアート・コレクションより” に行ってきました。

こちらは、民間企業の現代美術コレクションとして世界で最大規模 (約3万点!) を誇る、
グローバル金融グループUBSのアートコレクションの中から、選りすぐりの約80点を紹介する展覧会です。

《ベジタブル・ウェポン》 シリーズで知られる “SEKAI NO OZAWA” こと (?) 小沢剛さんをはじめ、

小沢
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


20世紀を代表するイギリスの美術家デイヴィッド・ホックニーや、
ブラジルの新星リヴァーニ・ノイエンシュヴァンダーといった12名のアーティストの作品を、
東京ステーションギャラリー内を12の部屋に区切り、各部屋ごとに紹介しています。


その中で特に見逃せないの部屋が3つあります。
まずは、コンセプチュアル・アートのパイオニア、エド・ルーシェイの部屋。

江戸


実は、日本にも隠れファンが多いそうで。
長らく展覧会の開催が待ち望まれていたアーティストの一人なのだとか。
今回の展覧会には、そんなルーシェイの初期作品から代表作が約30点ほど出展されています。

スタンド  エド・ルーシェイ 《スタンダードのスタンド》 1966年
リトグラフ、紙 ©Ed Ruscha. Courtesy Gagosian Gallery UBS Art Collection



確かに、ファンが多いのは納得。
どの作品も、クールでカッコよかったです。
出展作品すべてTシャツにして欲しいくらいでした。
UTになったら、全種類買います。


続いては、荒木経惟さんの部屋。

アラーキー  荒木経惟 《切実》 1972年 ©Nobuyoshi Araki UBS Art Collection


これまで日本でほとんど発表される機会がなかった貴重な作品群が紹介されています。
スタイルは、ちょっとピカソを彷彿とさせますし、
モデルの顔は、ちょっと前田敦子を彷彿とさせるものがありました。


そして、何といっても今回のハイライトは、こちらの部屋。

ルシアン・フロイド


あのフロイト (←精神分析学者の) の孫としても知られるルシアン・フロイドの部屋です。
彼の描いた裸婦像が、2008年にクリスティーズのオークションで、
存命中の画家の作品としては、史上最高価格となる3400万ドル以上、
日本円にして約36億円で落札され、大きな話題となりました。
油彩作品こそ 《裸の少女の頭部》 1点しかありませんでしたが、

フロイド  ルシアン・フロイド 《裸の少女の頭部》 1999年
油彩、カンヴァス ©Lucian Freud Archive/Bridgeman Images UBS Art Collection



それでも、そんな世界的に最も注目を集めるアーティストの作品が、
全部で28点も展示されているというのは、実は驚くほどに貴重な機会なのです。
ありがたや。

個人的には、フロイドの代名詞ともいうべき人物画よりも風景画のほうに惹かれました。

冬の庭 (←《冬の庭》 を熱く語る担当学芸員・成相氏)


12作家に絞っていたので、現代のアートシーンを俯瞰するタイプの現代アート展ではなかったですが。
少しクセのある (際立った個性が味わえる) 現代アート展でした。
星星


基本的には何の不満もないですが、強いて一つ挙げるならば。
部屋から部屋へ移動するたびに・・・・・

紐


紐のれんが体に巻き付いて困りました (笑)


┃会期:2016年7月2日(土)~9月4日(日)
 ┃会場:東京ステーションギャラリー JR東京駅 丸の内北口 改札前(東京駅丸の内駅舎内)
 ┃http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201607_12rooms.html
 ┃休館日:月曜日(7/18は開館)、7/19(火)
 ┃開館時間:10時~18時  ※金曜日は20時まで ※入館は閉館の30分前まで




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