六本木の美容皮膚科Art Lounge Clinic (アートラウンジクリニック)です。ヒアルロン酸・ボトックス・ジャルプロ・ジュベルック・ポテンツァ・HIFUなど、肌を育てる治療をメインでおこなっています。丁寧なカウンセリングで、大切な人に紹介したいクリニック。
顔が老ける原因は「ボリュームロス」だけではありません 【レイヤー同士のコミュニケーションという視点から】 診察室で 「最近たるみが気になる、引き締め治療をやりたい」 というご相談をいただくことがあります。 診察させていただくと 全体的に弛んでいる状態もあれば 皮膚表面が余っている状態も。 それを全て「たるみ」と表現している場面に遭遇することがあります。 年齢を重ねることによって脂肪は減少します。 しかし 顔の加齢変化は 単なるボリュームロスだけでは説明できません。 大事なこと。 顔はひとつの塊ではありません 顔は 皮膚 脂肪 靭帯 筋肉 骨 が何層にも重なり合って構成されています。 それぞれが独立して存在しているわけではなく、 相互に影響しながら ひとつの顔を作っています。 脂肪は均一ではありません Wanらは、 顔の脂肪が複数の 脂肪コンパートメント から構成されていることを示しました。 加齢によって これらの脂肪コンパートメントは それぞれ異なる速度で萎縮します。 その結果、 中顔面の支持性が低下し 顔貌変化が生じます。 骨格も変化します Mendelsonらは 加齢に伴い 眼窩 上顎骨 下顎骨 などの骨格にも変化が起こることを報告しています。 つまり、 顔の土台そのものも変化していくのです。 変化するのは「量」だけではない 顔の老化は 単に脂肪が減るだけではありません。 脂肪コンパートメントの萎縮 支持構造の変化 骨格変化 が重なることで、 顔面軟部組織全体の 力学的バランスが変化していきます。 私が考える「レイヤー同士のコミュニケーション」 私は診療の中で 「レイヤー同士のコミュニケーション」 という表現を使っています。 これは医学用語ではありません。 私なりの臨床的な表現です。 皮膚 脂肪 靭帯 筋肉 骨 それぞれが適切に力を伝え合い、 協調して機能している状態。 それを私は コミュニケーションが取れている状態 と考えています。 だから治療は一つではない ヒアルロン酸を選ぶ日もあります。 高周波を選ぶ日もあります。 ボトックスを選ぶ日もあります。 肌育治療を組み合わせることもあります。 大切なのは 治療名ではありません。 どこが減ったのか。 ではなく、 どこでバランスが崩れているのか。 どこのコミュニケーションを回復させれば その方らしい状態に戻れるのか。 そこを考えることです。 私が目指していること 私が目指しているのは 輪郭を変えることではありません。 本来その方が持っていた バランスへ戻すこと。 年齢を巻き戻したいのは お顔だけ。 人生の歴史まで消す必要はないと思っています。 歳を重ねる自分と並走するような エイジングケアを提供したいと考えています。 参考文献 Mendelson B, Wong CH. Changes in the Facial Skeleton With Aging: Implications and Clinical Applications in Facial Rejuvenation. Aesthetic Plast Surg. 2012 Aug;36(4):753–760. Wan D, Amirlak B, Rohrich R, Davis K. The Clinical Importance of the Fat Compartments in Midfacial Aging. Plast Reconstr Surg Glob Open. 2014 Jan 6;1(9):e92.
学年末である。学校で写真をたくさん撮った。学年末だし、あまり学校に足を運べない母だし、子どもたちの様子も残しておきたい。帰り道、満足しながら写真を確認した。教室のカーペットが1枚。教室のカーペットがもう1枚。角度を変えた教室のカーペットがさらに1枚(ご丁寧に動画だった)子どもは1人も写っていなかった。相変わらずである。4月から走り続けて(体感)、もう息切れ状態。朝起きたら、夜に2回目を回した洗濯機。干そうと思っていた洗濯物を見つけた時の絶望感。もう一度回して、干して、お弁当を作る。牛乳をたっぷり入れたシリアルを食べながら、さらにコップで牛乳を飲む長男。理解できない。だが、もはや何かを言う気力もない。この時期の多忙さ。毎年分かっているのに。必須のものしか参加していないのに。(何なら必須イベントの半分以上は夫が参加している)それでも、なぜか疲れる。気持ちだけは確実に疲労が蓄積していく。今日はスポーツデーのようなイベントがある。学習発表会的なものからクラスパーティーまで1日盛りだくさんだ。朝、バス発車前。心の友という言葉では足りない、戦友ママ友からメッセージが届く。「今日ずぶ濡れになるかもしれないから、Aの替えのおパンツも持たせてね!」優しい。本当に優しい。ちなみに、もはや「今日来る?」という確認すらされない。来ない前提で話が進む。妥当である。去年は娘の着替えを入れ忘れた。結果、このママ友に替えの洋服一式を買いに走ってもらった。学ばない母。今年は着替えを入れていた。だが下着までは入れていなかった。振り返ると、すでに夫が靴下まで含めて一式をカバンに仕込んでいる。さすがです、としか言いようがない。そして末っ子。明日は卒園式。今日は最後のリハーサルの日だ。悠々と起きてきて第一声。「今日は休むわ」理解できない。何なの?重役なの?すでに小学校へ向かった夫にメッセージを送る。「末っ子は行かないと言っておられます」返事。「男には意地を張りたい日もある。ということで気にせず」???もはや理解を超えた小説のような返信である。とりあえず幼稚園には、「行きたくないと言っているので休ませます」と正直に連絡した。すると担任の先生から怒涛の連絡。「今日はバナナケーキも焼くよ」「最後のリハーサルもやるよ」「楽しいイベントたくさんあるから来ない?」優しい。本当に優しい。その頃、末っ子は昼のお弁当を食べていた。(注:まだ朝である)一応声をかける。「先生こう言ってくれてるけど、どうする?」末っ子。お弁当を8割食べ終え、口の横に海苔をつけたまま、水筒をぐびっと飲んで一言。「じゃあ行こうかなぁ」君は今、昼ごはんを食べたんだよね!!!!お弁当を3つ作った後だから、もう入れられるものがない。昼ごはんが持たせられないではないか。仕方なくコンビニへ駆け込み、おにぎりとチーズと牛乳を購入。ここら辺ですでに白目になりながらなんとか登園というエベレスト級ミッションを完遂。我々、頑張っていると思う。勤務医フルタイムワーママ。世の中にたくさんいる。みんな普通の顔をしているけれど、たぶん裏では似たようなことが起きている。(と信じている)もう少し丁寧な子育てもしたい。断捨離もしたい。家の掃除もしたい。やりたいことは山ほどある。全部中途半端な気もする。でも、とりあえず今日は何も考えずに新しいスクラブをおろす。
アートメイク、と聞くとどんな印象を持たれますか?眉を整える施術?リップの形や色を美しく見せる施術?もちろん、それらは大切な要素です。しかし、印象を左右しているのはデザインそのものだけではないですよね。顔の表情や印象は、私たちが意識するよりもはるかに素早く、かつ多層的に形成されています。神経美学の研究によれば、ヒトの脳は相手の顔から100ミリ秒以内に第一印象を形成しそこには単なる「見た目のよさ」を超えた情報(健康度、親しみやすさ、信頼感)が瞬時に読み取られているとされます(Dayan & Fabi, 2025; PMID: 42108601)。つまり顔の印象とは、特定のパーツの形だけで決まるものではなく、全体として脳が受け取るシグナルの大きなまとまりです。当院ではアートメイクを単独の施術としてではなく、「お顔全体の印象設計」の一部として捉えています。当院のアートメイク診察の特徴他のクリニックでも医師の診察は行われていると思いますが、当院では施術前に必ず医師が診察を行っています。ただ、一般的な肌状態の確認や施術適応の判断だけではありません。当院では以下の点まで含めて評価しています。 左右の筋肉バランス 表情の癖 骨格の特徴 眉の高さや位置の差 お顔全体のプロポーション顔面の非対称性は骨格的な要因だけでなく、筋肉の代償的な使い方や習慣的な表情の癖によっても生じることが知られています。顔面非対称性の系統的解析に関する研究では、骨格・軟部組織・機能的因子(咬合干渉や筋肉の習慣的使用パターン)が複合的に非対称性に寄与し、その評価は自然頭位・安静位での観察が本質的に重要であると指摘されています(Roh & Lee, 2017; PMID: 28913211)。そのため「眉尻まで輪郭が追いにくい」「左右差が気になる」というお悩みも単純に描き方の問題ではなく、筋肉の動きや骨格的背景が関係していることがあります。私たちが大切にしているのは「どのように整えるか」だけでなく「なぜそう見えているのか」 という背景まで含めてご説明することです。また、完全な左右対称を目指すことが必ずしも自然な印象につながるわけではありません。同研究では、鏡像写真よりもわずかな非対称性を持つ元の顔のほうが自然で魅力的と評価される傾向にあることも示されています。その方のお顔立ちや表情に調和するバランスを考えながら診察を行っています。診察ができるメリット診察ではアートメイクだけに限定せず、お顔全体のお悩みについてもお伺いしています。「眉が描きにくいと思っていたけれど、表情筋バランスが原因だった」「左右差が気になっていたけれど、筋肉の使い方の癖が影響していた」ということも少なくありません。必要に応じて、表情筋のバランス調整を目的としたボツリヌストキシン注射や、お顔全体の印象調整をご提案することもあります。近年、美容医療における統合的な顔面評価の重要性を説いたフレームワーク研究では、部位別の介入のみでは顔面全体のバランスや動的な表情との調和が損なわれることが指摘されており顔面の比率・骨格的構造・軟部組織のたるみ・立体感を総合的に評価した上で治療を計画することの意義が示されています(Siramangkhalanon, 2025; PMID: 41395849)。もちろん、何かを追加することが前提ではありません。現在感じているお悩みがどこから来ているのかを一緒に整理していくことを大切にしています。肌状態まで評価できるという強み眉やリップの印象は、肌の状態にも大きく左右されます。乾燥、赤み、毛穴、ハリ感、肌質の変化。同じデザインでも、肌状態によって見え方は変わります。これは印象論ではなく、神経科学的な裏付けがあります。皮膚のキメ・光反射・肌質が顔の魅力度評価に大きな影響を与えることは神経美学の観点から論じられており、わずかな肌質の改善が観察者の印象を大きく変える一方で、その変化の原因を観察者が明確に言語化できないケースも多いとされています(Dayan & Fabi, 2025; PMID: 42108601)。眉だけ、リップだけを整えるのではなく肌も含めて診ることで、より自然で調和のある印象につながることがあります。美容皮膚科併設だからこそ、アートメイクと肌のお悩みを同時にご相談いただけます。医師とアートメイクアーティストが密に連携しています当院のもう一つの特徴は、医師とアートメイクアーティストのコミュニケーションが非常に密であることです。左右差についてどこまで調整できるか、表情による変化はあるか、肌状態として注意したい点はあるか施術前の情報を細かく共有しています。患者様から見えない部分かもしれませんが、こうした連携は安心して施術を受けていただくためにとても大切だと考えています。医師とアーティストがそれぞれ独立して関わるのではなく、同じ方向を向いて診療を行うことで一人ひとりに合わせたご提案につながると考えています。美しさは、一部分では完成しないアートメイクは、単に眉やリップを整える施術ではなく、お顔全体の印象を整える医療の一つだと私たちは考えています。形だけを見るのではなく、筋肉の動き、骨格、肌状態まで含めて診る。そして、一人ひとりのお顔に合わせて最適な方法を考える。美容皮膚科併設だからこそできる、総合的な視点でのご提案を大切にしています。ご自身では気付いていなかった原因や、新しい選択肢が見つかることもあるかもしれません。ぜひお気軽にご相談ください。参考文献 Roh TS, Lee WJ. Analysis of Facial Asymmetry. Arch Craniofac Surg. 2017;18(1):1-10. PMID: 28913211 Siramangkhalanon V. Visual Aesthetics (VA) Methodology: A Strategic Approach to Facial Rejuvenation. J Cosmet Dermatol. 2025. PMID: 41395849 Dayan S, Fabi SG. Neuroaesthetics: Evolutionary Thinking in Facial Aesthetic Medicine. Aesthetic Med. 2025. PMID: 42108601
最初に。 私は必要に応じて、注入前にエコーを使用します。 その理由は今から述べます。 ただ、エコーを使用するからいい、とか安全だ、とか エコーを使用しないから安全ではない、という話ではありません。 純粋に、私が診療にエコーを使用する理由。 これを文献も交えて書きました。 美容医療を感覚だけではなく、実際に確認しながら行いたい ヒアルロン酸や各種注入治療。 今や異常な特別感のある治療ではなく、少し身近な美容医療になりました。 一方で、顔面には非常に複雑な血管や神経が存在し、注入には常に解剖学的リスクが伴うことをご存知でしょうか? 私は、必要に応じて注入前にエコー(超音波)を使用しています。 それは、「特別なこと」というより、自分にとってルーティンの一部とも言えるくらい 自然な診療スタイルだからです。 麻酔科医として、エコーは日常における診療に常にあります 私は麻酔科医として、長年エコーを使っています。 神経ブロック 血管確保 穿刺 リアルタイム評価 「見ながら行う」ことが、自分の中では当たり前でした。 (以前にも書きましたが、ブラインド(盲目下)で血管穿刺を行ってきた時代、エコーガイド下の時代、両方経験しています) だから美容医療でも 「見えるなら、見てから行いたい」という感覚があります。 これは、採血は素手で行う時代のドクター(私の指導医は、そんな時代の先生達です笑) から、グローブをはめないと採血はできない時代の過渡期、と似ているかもしれません。 もちろん、解剖学的知識や経験は非常に重要です。 ただ、経験値だけに頼るべきでしょうか。 論文でも、超音波による vascular mapping(血管マッピング)は、血管位置や血流評価に有用であると報告されています。 特に、 鼻 額 眉間 目周囲 などは血管解剖が複雑で、注意が必要な部位とされています。 美容医療は、数ミリ単位で結果や安全性が変わる繊細な医療です。 だからこそ、 血管の位置 深さ 既存フィラー 注入層 を事前に確認できることは、自分にとって大きな安心材料になります。 以前入れたものを評価できることもある 美容医療では 「何年前に入れたか分からない」 「どこのクリニックで何を入れたか不明」 という患者さまも少なくありません。 超音波では、フィラーの種類や位置をある程度推測できる、とも述べられています。 論文では ヒアルロン酸 CaHA PLLA PMMA シリコン など、それぞれ異なる超音波像を示すことが記載されています。 つまり、「今そこに何があるのか」を確認したうえで、次の治療を考えることができます。 でも臨床では正直、分からないことも多いです。 これは患者さんに正直に伝えています。 合併症対応にも役立つ 超音波は、注入前だけではありません。 論文では、 血管塞栓 filler migration(フィラー移動) 結節 肉芽腫 感染 などの診断や管理にも有用とされています。 また、ヒアルロニダーゼによる溶解もエコーガイド下で行うことで より正確にアプローチできると報告されています。 エコーは「派手な機械」ではありません エコーは、最新機器、というわけでも トレンド、というわけでもありません。 私にとっては、「アセスメントを助けてくれる、1つの道具」です。 確認できることで、余計な緊張を減らせる。 そして、その安心感は結果的に患者さまにも伝わると思っています。 注入医療は、ただ「入れる医療」ではありません。 どこへ どの深さに どの製剤を どれくらい入れるのか。 その精度が、自然さと安全性を左右します。 だから私は 感覚だけではなく 見える情報も大切にしたいと思っています。 参考文献 Beiu C, et al. Personalization of Minimally-Invasive Aesthetic Procedures with the Use of Ultrasound Compared to Alternative Imaging Modalities. Diagnostics. 2023;13(23):3512.
ECM改善を目的とした代表的な肌育治療現在はさまざまな製剤があります。代表的なものとしてジャルプロジャルプロスーパーハイドロスネコスプロファイロPN/PDRN製剤PDLLA製剤など。それぞれ作用機序は異なりますが、ざっくり共通しているのは、ECM環境を整え、組織修復を促すという点です。美容医療は「regenerative」の時代へ美容医療は今引き上げる埋める(足す)削るだけではなく「組織をどう若い方向へ導くか」という、regenerative(再生医療的)な視点へ進化してきています。たるみ治療で本当に重要なのは強い刺激を入れることではなく、「肌が回復できる環境」を整えることなのかもしれません。そして、その中心にあるのがECM環境です。患者様お一人おひとりの皮膚状態を見極めながら、必要なタイミングで適切な治療を組み合わせていく。それが、これからのたるみ治療においてますます重要になっていくと考えています。お一人おひとりに合わせた治療をカスタマイズする。この治療こそがアートラウンジクリニックが得意としている治療です😊【まとめ】高周波(RF)治療はたるみ改善に非常に有効な治療です。しかしECM劣化コラーゲン減少慢性炎症修復能力低下が進行している場合熱刺激単独では限界があることもあります。だからこそ「引き締め」+「肌育」「熱刺激」+「ECM再構築」という視点が重要になります。たるみ治療は、単なる「引き上げ」ではなく、「肌そのものの再生力をどう高めるか」という時代へ進化しているのと感じます。参考文献(PubMed実在文献)Elsaie ML.Cutaneous remodeling and photorejuvenation using radiofrequency devices.Indian J Dermatol.2009;54(3):201-205.PMID: 19882009Abraham MT, Mashkevich G.Monopolar radiofrequency skin tightening.Facial Plast Surg Clin North Am.2007;15(2):169-177.PMID: 17544960Zelickson BD, et al.Histological and ultrastructural evaluation of the effects of a radiofrequency-based nonablative dermal remodeling device.Arch Dermatol.2004;140(2):204-209.PMID: 14967792Kaplan H, Gat A.Clinical and histopathological results following TriPollar radiofrequency skin treatments.J Cosmet Laser Ther.2009;11(2):78-84.PMID: 19440924Quan T, Fisher GJ.Role of age-associated alterations of the dermal extracellular matrix microenvironment in human skin aging: A mini-review.Gerontology.2015;61(5):427-434.PMID: 25757690Varani J, et al.Decreased collagen production in chronologically aged skin.Am J Pathol.2006;168(6):1861-1868.PMID: 16723701Fisher GJ, et al.Mechanisms of photoaging and chronological skin aging.Arch Dermatol.2002;138(11):1462-1470.PMID: 12437452※本記事は、PubMed掲載論文および美容皮膚科学領域の医学文献をもとに、美容皮膚科医の臨床的視点を加えて作成しています。
【ECM(細胞外マトリックス)とは?】ECMとはExtracellular Matrix(細胞外マトリックス)の略です。簡単にいうと、細胞を取り囲む「足場」や「組織環境」のことです。ECMは単なる構造物ではなく、皮膚の力学的強度や修復能力を支える極めて重要な存在です。構成要素としてはコラーゲン(コラーゲンの型も複数存在する))エラスチンヒアルロン酸プロテオグリカンフィブロネクチンなどがあります。これらが複雑なネットワークを形成することで、ハリ弾力水分保持修復能力が維持されています。ECMが劣化すると起こること加齢や紫外線ダメージによってECMが崩壊すると①肌を支える力が低下する皮膚支持構造が弱くなり、たるみが進行します。②線維芽細胞機能が低下するコラーゲン産生能力そのものが低下します。③熱刺激への反応性が落ちる高周波で刺激しても、十分なリモデリングが起きにくくなります。④慢性炎症が続く炎症性サイトカイン優位となり、老化が加速します。つまり、ECM環境が悪い状態では「熱を加えるだけ」では理想的な若返りに届きにくいということです。これからのたるみ治療は「引き締め+肌育」近年、美容医療では「ただ引き締める」だけではなく「肌そのものを再構築する」という考え方が重要になっています。これが、「肌育治療」という概念です。肌育治療の目的とは?肌育治療ではECM再構築線維芽細胞活性化水分保持環境改善慢性炎症コントロール組織修復促進を目的として「肌の土台」へアプローチしていきます。つまり「刺激を与える治療」ではなく「回復できる肌環境を整える治療」という視点です。高周波×肌育治療が重要な理由高周波治療による熱刺激とECM再構築修復環境改善組織再生サポートを組み合わせることでより自然で持続的なたるみ改善につながるケースが増えています。特に、高周波への反応が弱くなってきた方痩せ型で皮膚支持力が低下している方ハリ感低下が強い方加齢変化が進行している方では、「土台改善」が非常に重要になります。(続く)
「ハイフや高周波を受けているのに、思ったほどたるみ改善を感じない」そんなご相談を受けることがあります。近年、高周波(RF)治療は、たるみ治療における中心的存在となっています。熱エネルギーによる引き締め効果は非常に有効であり、多くの患者様に変化を実感していただける治療です。しかし実際の診療では、一時的には引き締まるけれど持続しない回数を重ねても反応が弱くなるフェイスラインは改善しても“ハリ感”が戻らないというケースも少なくありません。その背景として、近年美容皮膚科学で重要視されているのが、「ECM(細胞外マトリックス)環境」という考え方です。今回は、高周波治療の本来の役割たるみの本質的原因ECMとは何かなぜ“肌育”が重要なのかについて、美容皮膚科医の視点から解説します。高周波(RF)治療とは?高周波治療とは、RF(Radio Frequency)という電磁波エネルギーを用いて、皮膚深部に熱刺激を加える治療です。主な目的は、コラーゲン収縮真皮リモデリング線維芽細胞活性化コラーゲン新生促進皮膚タイトニングです。RFによる熱刺激は真皮〜皮下組織に微細な損傷と修復反応を起こし、結果として皮膚の引き締めやハリ改善につながります。近年はデバイスの進化により、モノポーラRFバイポーラRFマイクロニードルRFなどさまざまな治療が登場し、真皮・脂肪層・SMAS近傍まで、層別にアプローチできるようになっています。【それでも「高周波だけでは限界」がある理由】たるみの本質は「肌の土台の劣化」たるみというと、単純に「皮膚が伸びる現象」と思われがちです。しかし実際には、加齢や光老化によって肌内部ではコラーゲン線維の断裂エラスチン変性ヒアルロン酸減少慢性炎症線維芽細胞機能低下が進行しています。つまり、「皮膚を支える構造そのもの」が弱くなっている状態です。ここで重要になるのがECM(細胞外マトリックス)という概念です。次に続く
伝記のような本が好きです。 どのように生きてきて、この言葉が生まれたのか。 どのような経験を経て、この考え方に至ったのか。 その背景を知ることが好きです😊 洋服や食器を選ぶときも、どこか似ています。 どんなお人柄の方が、どんな想いを込めて作っているのか。 そんな背景を知っているものほど、手に取りたくなることはありませんか😊 今回ご縁をいただき、台湾にて 世界で唯一の架橋コラーゲン製剤「デューサダーム」のTrain the Trainers を受講させていただきました。 コラーゲン製剤の魅力は、何よりも「表情を邪魔しない自然さ」にあります。 その中でもデューサダームはコラーゲンを架橋していることで、構造的サポート効果が持続しやすいことが特徴です。 「長く続く」というのは単に見た目の変化が持続する、という意味だけではありません。 ECM機能回復、ということが可能になります。 研究では、ECM環境を整えることで細胞機能が改善することが示されています。 コラーゲン製剤は、そのECM環境を改善する選択肢の一つ。 もしそのコラーゲンが、より長く組織内に留まることができたら、、、? 細胞機能が改善すればコラーゲン産生能力が高まるだけでなく、 加水分解されたコラーゲン(ペプチドやアミノ酸)が線維芽細胞を刺激することでさらにコラーゲン産生を高めます。 さらに、これらのペプチドやアミノ酸にはチロシナーゼ活性を抑制し メラニン産生を抑えることで色素沈着改善につながる可能性も期待されています。 Not only replacement, but improve skin quality 今回は、企業の歴史や製剤開発の背景についても学ばせていただき、 実際の注入手技をご指導いただきました。 カニューレの動かし方、アセスメントなど コラーゲン注入に限らず、日々の注入治療にすぐ活かせる多くのTipsも共有していただきました。 そして、冒頭の「伝記」の話に戻ります。 私は企業背景や、どのような過程で製剤が作られているのかを知ることはとても大切だと思っています。 今回、その背景も学ばせていただけたことは非常に貴重な経験でした。 ご一緒させていただいた先生方との意見交換は大変有意義で、どの瞬間も学びの多い時間となりました。 このたびは貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。 架橋コラーゲン製剤「デューサダーム」。 当院でも導入に向けて準備を進めております。 SUNMAX社の皆さま ご一緒させていただいた先生方 このたびは誠にありがとうございました。
Not all complications need treatment — but every case demands precise and timely clinical judgment.AMWC Asia 2026 において、E-Posterを提出しました。Designing Reassurance in Medical Safety for Aesthetic ClinicsA Decision-Making Framework Supported by Ultrasoundという切り口から、ケースを交えながら医療安全の判断としてのフレームワークを提案しました。「医療安全」と一言で言っても、その切り口や考え方はさまざまです。ただ一つ共通して言えるのは、どの場面においても clinical judgment が求められるということです。適切なフレームワークがあれば、過度に慌てることなく、その流れに沿って判断することができます。一方で、その「判断」自体は、やはり経験に支えられる部分が大きいのも事実です。もっとも、できることなら経験せずに済むに越したことはない事象もあります。だからこそ、院内で行っている医療安全の勉強会を外部にも開いていくことにした、という経緯があります。自分自身が経験していなくても、経験を共有し、備えることはできる。その積み重ねが、判断材料となります。私もその前日のエコーハンズオンセッションでも、ある先生がおっしゃっていた言葉は非常に本質的なメッセージでした。「超音波は安全性を高める有用なツールである。しかし、それに時間を取られてエコーという行為自体が目的になってはならない」ということです。この言葉を聞いたとき、私の頭の中にあった想いが言語化されたように感じました。重要なのは目の前の事象が生命を脅かすものなのか(life-threatening)緊急対応を要するものなのか緊急対応ではなくても治療介入すべきなのかを、臨床的に見極めること。その判断こそが、すべての起点になります。また、美容医療の現場において日々感じているのは「合併症をゼロにすること」だけが安全ではない、ということです。むしろ重要なのは、何かが起きた際に適切に評価し、正しく判断し過不足のない対応を選択できること。すべての合併症に治療が必要なわけではありません。しかし、すべての症例において「判断」は求められます。今回の発表では、この判断を属人的な経験に委ねるのではなく、再現性を持って実践できるよう、意思決定の流れとして整理しました。大学病院、外科領域、そしてクリニック。それぞれに求められる医療安全のかたちは異なります。限られた人員と設備の中で診療を行うクリニックだからこそ、シンプルで迷わない判断の道筋が重要であると考えています。医療安全とは、単なるリスク回避ではなく医療従事者と患者の双方にとっての「安心」を設計するプロセスそのものです。今回の発表は、あくまでスタート地点です。これを小さな一歩として、クリニックレベルにおける医療安全の深化に繋げていきたいと思います。
今回、AMWC Taipeiにてposterを提出いたしました。 日々の診療の中で考えてきたことを 一つの形としてまとめる良い機会となりました。 テーマは 「美容医療における医療安全と安心の設計」について。 日々の診療の中で強く感じているのは 「合併症をゼロにすること」だけが安全ではない(ゴールではない) ということです。 むしろ重要なのは 万が一何かが起きた際に 適切に評価し、正しく判断し 過不足のない対応を行えること。 今回の内容は、 その判断を属人的な経験に委ねるのではなく 再現性を持って実践できるよう 標準化された意思決定アルゴリズムとして整理したものです。 大学病院での医療安全 外科領域における医療安全 そしてクリニック(美容皮膚科)における医療安全 それぞれ求められるものが異なります。 限られた人員や設備の中で診療を行う、クリニックだからこそ シンプルで迷わない判断の道筋が重要だと考えました。 すべての合併症に治療が必要なわけではありません。 しかし、すべての症例において「正しい判断」は必要です。 医療安全とは、単なるリスク回避ではなく 医療従事者と患者にとっての「安心」を設計するプロセスそのものだと考えています。 これを小さなステップとして、 クリニックレベルの医療安全を深めていけたらいいなと思っています。 I submitted an e-poster at AMWC in Taipei. This work presents a clinical framework for medical safety in aesthetic practice. Rather than relying solely on individual experience, I propose a reproducible and standardized decision-making algorithm. Medical safety differs across settings- from university hospitals to surgical fields and private clinics. In resource-limited clinic settings, simple and clear decision pathways are essential. Medical safety is not only about risk avoidance, but about designing reassurance for patients. Not all complications require intervention, but all cases require correct decision-making. I hope this will serve as a small step toward further deepening medical safety in clinic-based practice.
人生が紆余曲折あるように医師としてのキャリアも必ずしも一直線に設計できるものではない。最近、あらためてそう感じています。先日、カスタマイズ研究会で坪内先生より、先生が歩んでこられたキャリアのお話を伺いました。女性医師としてのあゆみ、海外留学、開業「その時々の選択を積み重ねてきた」「その選択ができるように準備を重ねた」そのメッセージが強く印象に残りました。その後、キャリアや人生について取り留めもなく夫に話していると夫が黙ってこの写真の本を手渡してきました。時代的制約の中で、整えられたキャリアではなくその都度の選択と信念によって道を切り拓いていった人です。「専門性」ではなく「使命」でキャリアが形成されるていったその姿は「キャリアは設計するものではなく、選び続けた結果として形になるものだ」ということを示しているように感じました。正直に言えば、今の私の医師人生は決して整理されたものではありません。むしろ、ごちゃごちゃしています。美容医療と急性期医療保険診療と自費診療地域医療への想いと専門性の追求いくつもの軸が同時に存在しています。ただ、その中で一つだけ私にも大切にしていることがあります。それは、「自分の軸をぶらさず、目の前のことに一生懸命取り組む」ということです。それが将来どこかに繋がるのかは分かりません。もしかすると繋がらないかもしれない。それでも、その時その場で、自分が意味があると感じたことに向き合って積み重ねていく。そして時には、勇気を持って一歩踏み出すこと。やらぬ後悔よりやる後悔これは時々自分が怯んでしまうことですが、実は今年はこれを思い切って踏み出してみています。キャリアの選択は、常に合理的に説明できるものばかりではありません。けれども、振り返ったときにそれぞれの選択が確かに自分を作っている。だからこそ、今はまだ整理されていないこの状態も無理に一本の線にしようとするのではなく積み重ねていきたいと思っています😊そして今後強く意識していこうと思ったこと。それは、その時自分が選択したいと思える道に進むために日頃から備えるいうことです。機会は、いつ訪れるか分かりません。けれど、その時に「選べる状態」にいるかどうかは、日々の積み重ねにかかっています。すぐには意味を持たないように思える経験や学びも後から振り返ると、確かに自分を支えていたと気づくことがあります。『服部ケサ』の歩みもまた、その連続。特別な計画があったわけではなくその時々の状況の中で自分の信じるものを選び続けた結果として一つの道が形になっていった。自分のキャリアもまた、同じように形作られていくのだと思います。繋がるかどうかは、その時には分からない。それでも、目の前のことに誠実に向き合う。そして、いざという時に自分の意思で選び取れるよう、準備を重ねる。その積み重ねが、結果として「自分の医師としての生き方」になっていくのだと感じた、1週間でした。
今週も、よく走りました。入学式は、泣く暇もなく瞬きをしているうちに終わり(体感)気心の知れたマムズにお誘いいただきランチへ。気づけば、このメンバーで集まるのは(私にとっては)1年ぶり。話題は子どものこと、、、よりも健康ネタで盛り上がる。そのうち補聴器の話でもしているのではなんてジョークも飛び交いおしゃれな空間だがひたすら笑って免疫力を上げる。みんなそれぞれに私が心から尊敬しているマムズ。中でも、話すたびに背筋が伸びるママがいる。そのママに「家事って大変じゃないの?」と聞いたら、予想の上を行く答えが返ってきた。「息を吐くように家事をしているから何も苦痛じゃない」・・・!!そうか。息を吐くように家事をし、息を吐くように仕事をする。目の前のことに集中し余計なことは考えすぎない。とんでもない格言と、パワーをもらう。今週は、娘の学習発表会に参加できなかった「今から頑張るね」と夫に電話していたと聞き、それだけでも胸が詰まるのにその様子を動画で送ってくれた、人格者のママ友。その心遣いにまた胸が熱くなり、涙し娘の動画を見ては、涙、涙そんなタイミング、弱っていた心に届いた“mamazon”。津田先生が、参鶏湯キット(なんと鶏肉まで一緒に!)を抱えて登場。身体だけでなく、心までじんわり温まる一杯でした🥺そうこうしているうちに、ようやく週末。「映画に行きたい」と娘にせがまれ、今週はよく頑張ったからね、と当日の朝にチケットを取る。すると、夫から映画1時間前にメール。「チケット、確認しておいてね」QRコードを出すだけなのに、と思いつつ素直に確認。ちゃんと取っていますよね。・・・2日後のチケットを😂どうしよう。なんでこうなった。いや、これが私か。あと1時間で上映開始。娘はこの時間を心待ちにして、ポップコーンにホットドッグ・・・とリストまで作って玄関でスタンバイしている。これは、号泣では済まない。夫が冷静に一言。「とにかく、今日の分を取り直して」時間を少し遅らせ、なんとか確保。ここから先は、ほとんど記憶なし。雨の中、汗だくで映画館へ。・・・が、そこには見たこともないほどのポップコーンの長蛇の列。階段の上までびっしり。1時間は並ぶだろう、という状況。疲労で思考力の落ちた母は、苦肉の策に出る。上映が始まってから買いに行こう。本編が始まる前にいったん席を立ち、無事にポップコーン、ドリンク、ホットドッグを購入。震える腕で2セット(ちゃっかり付いてきた末っ子の分も)抱え、なんとかミッション完了。こうして、母は本日も要望を叶えたのでした。(写真これだけ😂なんで撮ったのかも覚えていない)人生は、ずっと学び。目の前のことに感謝して息を吸って、吐くように目の前にあることに取り組む。困っている人がいたら、今度は私が手を差し伸べる番。今週も、爆走お疲れ様でした♡
【リドカインで出血は増えるのか?+次世代止血戦略】「リドカインって実は血管を拡張するんですよね?出血量が増えると聞いたことがあるんだけど実際はどうなんでしょう?」こちら、時々聞かれる質問の1つなんです。個別にお答えしていたのですが、自分のためにもなるのでまとめてみました。結論からいうと、リドカイン単独が明確に出血を増加させるという強いエビデンスはかなり条件が限られています。ただし、生理学的に重要なポイントがあります。リドカインは軽度の血管拡張作用を持つ (が、臨床で問題になるレベルではない)そして、止血目的で使用する薬剤ではないので血管収縮薬を含まない「plain lidocaine」では相対的に止血効果が弱いと考えられます。実際、RCTにおいてplain lidocaineはエピネフリン添加製剤と比較して術中出血量が多いと報告されています。その結果は当たり前だと思います。「なぜ止血にエピネフリンを使うのか?」エピネフリンによるα刺激による血管収縮で止血効果を狙いたいからです。しかし同時にβ作用による・動悸・不安感・振戦などの体感副作用が問題になります。ここで注目されているのが「midodrine」最新の研究ではエピネフリンに依存しない止血戦略が提案されています。以下、簡単にまとめます。【midodrine】の特徴・純粋なα1刺激(β作用なし)・心拍数増加なし・BBBを通過しない・副作用は比較的軽微体感副作用が少ない止血設計が可能(かもしれない)■ 止血効果(動物実験によるデータ)・midodrine単独でも有効(用量依存) 50 mM:出血 43%減少 100 mM:出血 65%減少→標準エピネフリン(1:100,000)に近い効果■ 少し興味深い、重要なポイント・超低濃度エピネフリン単独(1:2,000,000)は無効しかし・midodrine+低濃度エピネフリン → 出血 69%減少 → 標準(1:100,000)と非劣性→単独では効かない濃度同士で相乗効果があります■ なぜ相乗効果が起きるのか?・midodrine:純粋α1刺激・epinephrine:α+β(低濃度でもα活性あり)非競合的な相乗作用さらにエピネフリン濃度を約1/20に低減可能■ 美容皮膚科への可能性・エピネフリン不耐(動悸・不安)患者への代替・広範囲施術での総投与量低減・供給不足問題への対応■ 注意点・ヒトデータはまだ存在しない・全身血圧への影響は未確立・皮膚内でのプロドラッグ変換機構も未解明まとめ・リドカイン単独:血管拡張 → 止血は弱い・エピネフリン併用:止血は強いがβ作用あり・midodrine:β作用を排除した新しい止血戦略今後の鍵は「ヒトへの応用の可能性と副作用を抑えつつ、どう止血するか」というところになると思います。参考文献 Brkovic BMB, et al. Comparison of clonidine and epinephrine in lidocaine for infiltration anesthesia in maxillary posterior teeth extraction. J Clin Diagn Res. 2015;9(5):ZC95–ZC98. (抜歯RCT:plain lidocaineはエピネフリン添加より出血量が多い) Ford TRP, et al. The effect of local anesthesia with adrenaline on pulpal blood flow. Int Endod J. 1993;26(5):277–282. (リドカイン+アドレナリンで局所血流低下) Gacto-Sánchez P, et al. Subcutaneous infiltration of lidocaine with epinephrine reduces bleeding during cutaneous surgery. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2009;62(6):e181–e182. Sraj SA, et al. Wide-awake hand surgery (WALANT): outcomes and benefits. J Hand Surg Am. 2021;46(2):141–148. Prabhakar H, et al. Adrenaline with lidocaine for digital nerve blocks: revisited. J Anaesthesiol Clin Pharmacol. 2015;31(2):164–168. Kim DH, et al. Lidocaine with epinephrine in plastic surgery: safety and efficacy. Arch Plast Surg. 2020;47(1):3–10. Dong J, et al. Use of Midodrine for Intraoperative Hemostasis in Cutaneous and Percutaneous Surgery. JID Innovations. 2025;5:100335.
【医療安全の本質と、草の根で広げていくという思い】医療安全とは、何でしょうか。「ミスを防ぐこと」でしょうか。「ミスを起こさない仕組み」でしょうか。もちろんそれも一側面です。けれど私は、「万が一が起きたその瞬間に、チームとして患者様を守れる準備ができていること」それこそが医療安全の本質だと考えています。美容医療は、健康な方に対して医療介入を行う領域です。だからこそ、その一つひとつに伴うリスクに対してより高い倫理観と慎重さが求められます。ミニレクチャーでは、美容皮膚科領域で考えられうる医療安全を考えていきたいと思っています。外科領域とはまた違う、クリニックレベルの医療安全です。1回目は医療安全の中でも極めて重要なテーマである「アナフィラキシーショック」を取り上げてみました。・どんなことで起こるのか・どう見抜くのか・その瞬間に、それぞれの職種が何をすべきかこれらはドクターだけの知識ではなく、ナース、受付、すべてのスタッフで共有されるべきものです。なぜなら、異変に気づくのは必ずしも医師とは限らないからです。「誰が気づいても、同じゴールに向かって動けること」それが、患者様の安心を支える医療安全の本質です。もともとは、スタッフ向けのクローズドな会として開催する予定でした。今回オープンにしたのには、いくつか理由があります。これまで美容医療を学ぶ中でたくさんの先生方にご指導いただき、支えていただきました。今もなお、その学びの中にあります。その中で、自分にも何かお返しできることはないか。そんな想いが一つあります。そしてもう一つは、医療安全のマインドが草の根のように広がっていくことが、美容医療全体の底上げにつながるのではないかと考えていることです。正直に言えば、私一人が何かをしたところで何かが変わるわけではないかもしれません。それは、麻酔科医として1日働いたところで医療過疎が解決できるわけでもない疲弊したドクターの労働環境を改善できるわけでもない自分一人で大きな課題を解決できるわけではない、という今の自分の状況にも似ています。けれど、だからといって何もしなければ何も変わらない。物事には、上から大きく変えていく方法と、一つひとつ積み重ねていく方法があります。私は、その一つひとつを下から積み重ねていくアプローチを大切にしたいと思っています😊という想いはありますが!今回の勉強会は、堅苦しいものではなく「こんなとき、どうしてる?」を気軽にシェアできる場にしたいと考えています😊どうぞ気負わず、お茶っこ飲みに来るような気持ちでお越しください。一人ひとりの意識が、患者様の安心につながる。その第一歩として、皆さまとご一緒できれば幸いです。フィードの表紙はシゴデキスタッフが作成してくれました。お茶っこ飲みに行くイメージで1枚作ってくれない?🥺とお願いしたら予想以上に気合の入った作品が出来上がってきてこの表紙のイメージに合わせて内容を作り直さないといけないんじゃないか、、、とドキドキしています。😂笑
aged skin(しわ、たるみ、くすみ、しわ)この現象を引き起こしているものは、原因を辿ると線維芽細胞の老化にあります。でも、さらにもっと辿るとaged ECM(構造、力学、免疫学的な変化)が諸悪の?根源でaging careとは、ECM環境をいかに整えられるか、というところになると思います。ECM環境をリセットできるRFECMの質と力学を改善するECM製剤ECM環境をリセット再構築細胞機能を最適化できるようにECM環境を整える具体的にはRF,microneedling RF, ECM製剤を組み合わせていく目の前の患者さんの状態を見ながら(←これが一番重要!)組み合わせることが大事になってきます。その、ECM環境を整える新たな一手となるコラーゲン製剤、Deusadermのセミナーに昨日は参加させていただき世界的にご高名なTingsong Lim先生から直接レクチャーしていただくという貴重な機会をいただきました。細胞環境について日頃考えていたことを直接お聞きすることもでき、またさらにaging skinに関しての知識が深まったように思います。Lim先生、ご一緒させていただいた先生方貴重な機会をありがとうございました。昨日は原かや先生の素敵なクリニック、八重洲形成外科美容皮膚科でセミナーを受けさせていただきました。東京駅の近くでとても素敵なクリニックスタッフの皆さまもとても優しくかや先生のお人柄あふれる優しいクリニックでした。かや先生、スタッフの皆さま大変お世話になりました。ありがとうございました。勉強会に参加して良いことはたくさんあります😊そのうちの一つは勉強へのモチベーションが上がること。まだまだ道半ばですが、やっとagingとは、という学びを深めるには何を学ぶべきか。がわかってきたような気がします。(スタート地点!😂)これからも学び続けます😊
【爆走家族日記】人生で初めて、自分の誕生日を忘れた3月。3月は忙しかった。(まだ終わっていないけれど、もう総括したい気分)ひょんなことから今月に入って娘のピアノ教室が変わり、急にスイッチが入る。「1ヶ月後のコンクールに出る」そう言い出し、先生と母は慌てて課題曲チェック。これまでの目標は「ピアノを嫌いにならないこと」だったのに気づけばコンクール仕様へ。仕事終わりにレッスンへ付き添い、帰宅は21時。(シンジラレナイ……)散々止めたのに(母に負担がくるから!笑)娘は俄然やる気。そこへ母ヨシコから一言。「盛岡に来たら教えられるんやけどなぁ」娘、目の色が変わる。「よしこぉ、行ってもいい?😍あとさぁ、フィギュアスケートも習いたいから先生探しといて!」いやいや、どこから突っ込もうか。ピアノにスケートに、合宿?ヨシコの家で?そして「よしこぉ」と呼ぶこの自由さ。そのたびに「おばあちゃまやで」と訂正させる、あのヨシコの家に?行かせるなら、まず行儀から叩き込まねば。(怒られるのは私だから😂!!)そんな試験前の付け焼き刃のように言葉遣いを仕込んでいる横で、長男が宿題をしながら吐き捨てる。「この問題はクソだわ!」母、怒りを抑えて静かに言う。(声低め)「綺麗な言葉に言い換えてください」長男「この問題は特定外来生物だわ!」母「バリエーションください」長男「産業廃棄物とでも申しましょうか」我が子ながら本当に腹立たしい。(が、笑ってしまう😂)そこへ今度は父・ケンイチから電話。「〇〇(娘)迎えに行くけど、クリニックの皆さんにお土産、何を用意すればいい?」……お土産?私はすでに実家へお土産を送っている。ケンイチは手渡しにこだわっている、、、ということは、私もケンイチに渡す?エンドレスお土産ループ🤣「クリニックにはいらないよ、ありがとう」「親が行くのに手ぶらでは迎えに行けない!」・・・終わらない。娘の合宿の話は、また次回に。3月が近づくとやはりどこか心がざわつく。けれど今年は、この忙しさに救われた部分も大きい。あの日から15年。麻酔科医として岩手で勤務を再開して、1年。人生の中で、大切にしているものは何ですか?私はやはり困っている人に手を差し伸べられる人間でありたいなと思っています。病気があっても、なくてもその人自身と、その人の人生がイキイキとした状態であるように。医療を通じて、それを支えること。それが麻酔科医として美容皮膚科医として働く私の人生を賭けたミッションです。(絶対に失敗しない!とは私は言っていない😂)
たるみの原因それは、皮膚ではなく「肌の奥の細胞」が原因です。次世代RFHydro Phase痛くないのに深く効く引き締め&リフト治療がアートラウンジで始まります。年齢とともに起こる・フェイスラインのもたつき・ほうれい線・ハリ低下・くすみその原因は真皮の線維芽細胞の老化にあります。細胞レベルの老化線維芽細胞が老化すると・コラーゲン産生低下・エラスチン低下・コラーゲン分解酵素(MMP)増加が起こり皮膚の弾力構造が崩れます。研究でも老化線維芽細胞は周囲の細胞にも影響を与え皮膚の弾力低下を引き起こすことが確認されています。高周波が効く理由皮膚の深部を温めると線維芽細胞が活性化し・コラーゲン生成・組織修復・弾力改善が促進されます。さらに55〜60℃の熱刺激によりコラーゲンが収縮し即時的なリフト効果が生まれます。従来RFの課題高周波治療は進化し深部にアプローチできる機器も増えています。しかし多くの高周波では・熱が局所的に集中する・深く加熱すると痛みが出やすい・表皮の熱ダメージを防ぐ必要があるという課題があります。つまり深く効かせるほど痛みや熱リスクが上がるという問題とも常に闘っています。Hydro-Phaseそこで登場したのがHydro-Phase深く・均一に・痛みを抑えて加熱できる次世代RFです。深く均一に加熱通常届きにくい真皮〜SMAS近くまで最大10mm均一に加熱するバルクヒーティング表皮を守りながら加熱表皮→ 37℃以下深部→ 55〜60℃理想的な温度差で安全に加熱します。痛みが少ないエネルギーが一点ではなく面で広がるため✔ 痛みが少ない✔ 熱ムラが少ない✔ 深部まで届く快適なのに深く効くリフト治療治療後の変化施術直後→ コラーゲン収縮によるリフトアップ数日〜1週間→ 線維芽細胞活性化1〜3ヶ月→ 新しいコラーゲン生成ハリと弾力が回復します。アートラウンジクリニックではHydro Phaseで✔ 深部リフト✔ 肌再生✔ ナチュラルな若返りを目指します。こんな方におすすめ・HIFUが痛くて続けられなかった・フェイスラインのたるみが気になる・ほうれい線を改善したい・ハリ低下を感じる・自然なリフトアップが欲しいカウンセリングでご相談ください😊現在当院での治療プロトコル作成中です。経過も載せていきますので楽しみにお待ちくださいませ😊
本日は大学勤務日。出会いと別れの、年度末。循環器センター勤務時代、泣きまくっていた私を一緒に励ましてくれた「戦友」と呼ぶ仲間が今も大学に残っています。そのうちの一人が旅立つことになり、今回は新幹線を降りて「短時間だけ送別会をしよう」と約束していました。(どこで一杯飲もうかと考えて、ストーリーで「駅近で飲める場所、おすすめありますか?!」と聞いたのは、このためです。)ところが、返ってくる答えは大喜利レベル。「福田ぱん」「網張温泉」「道の駅」・・・違うの。私は「駅近で一杯飲める場所」を聞いたの。どれも魅力的だけど、今はパンでも温泉でも道の駅でもない!笑私のフォロワーさんも爆走しているのか?!話を戻して。いつもは実家に泊まるのだけれど「今日は遅くなるからホテルに泊まるね」と伝えると父からすぐに「遅くなってもいいから家に泊まりなさい」とメッセージ。ありがたくその言葉に甘えることとし、仕事を終えて新幹線に乗り、盛岡へ。盛岡駅に着くと、父が車で待機している。「荷物を先に預かる。送別会の会場まで送る」と、すでにカーナビをセットしようとしている。娘(わたし)「お店、駅から徒歩3分なんだけれども・・・」と言い出せず、とりあえず車に乗る。「今日は何人の集まりだ?何屋で何を食べるんだ?明日も仕事だから、そんなに遅くなるはずはない。終わるまで近くで待機している」・・・待機?私の親は本気ですか?いや、確かに「一杯だけ」と言ったけれど積もる話があって、本当に一杯で終わるわけがない。どうやって親の包囲網をかわすか。とりあえず店に逃げ込もう!結果、なんだかんだで二杯で今日は切り上げ、家に帰宅。翌朝、支度をしていると、今度は母・良子が登場。「昨日はお早いお帰りやったんやねぇ😊」はい、不良娘です。すみません。美味しそうな朝ごはんが並ぶも私のお茶の量が、明らかに少ない。「ねぇ、お茶の量、少なくない?」「いや、これ煎茶やで。煎茶なみなみ注いだら、【客はよ帰れ】(やで」そう言いながら母のお盆には、なみなみと注がれたコーヒー。「え。コーヒーはたっぷり?……はよ出てけってことか!」と思わず突っ込むと、母・良子は涼しい顔で一言。「コーヒーにはそんな意味あらへん。はよ飲んだらよろし。」うちの両親は、それぞれ違う方向に爆走。私も爆走。子どもも爆走。もしかすると「爆走」はすでに親の世代から始まっていたのかもしれません😂気持ちを仕事モードへ切り替えて大学へ。今日は手術室で麻酔科業務。麻酔から覚ますとき、無意識に患者さんにかけていた言葉。「ねでだった?」それに対する患者さんの返答。「ねでだった〜」(訳:寝てました? → 寝てました〜)盛岡に降りると盛岡弁になる、この現象。そろそろ名前をつけたいものです笑私は間違いなく盛岡人です。盛岡が好き。麻酔科医の仕事が好き。濃いキャラの両親も、やっぱり好き。各方面からまたエネルギーをもらって爆走娘は東京へ戻り、爆走母に戻ります。明日からも、また頑張ろう😊
SKIN VIVE × EBD(エネルギーデバイス) の統合理論「同じデバイスを当てても効果に差が出る」臨床ではよく経験します。その差を左右する要因の一つが、真皮環境の安定性です。皮膚は「刺激を入れれば必ず若返る」ほど単純ではなく刺激を受け取れる真皮の土台が整っているかどうかで、反応性が変わります。架橋ヒアルロン酸でありながら、Skin qualityを改善するSkin Boosterという立ち位置のVolite。この度リブランドして【SKINVIVE】と名称が変わりました。ローンチイベントで学ばせていただいた内容と自分の頭の整理をしながら、まとめてみたいと思います。自分の中では昨日のセミナーを理解するのには「張力」がキーワードでした😊真皮老化の本質は「環境の不安定化」紫外線(特にUVA)によりヒト皮膚では酸化ストレスが増えAP-1などの転写因子が関与しながらMMP(コラーゲン分解酵素)が誘導コラーゲン分解が進行することは今までも示されています。さらに、加齢皮膚ではコラーゲン線維の断片化が進み真皮の張力が失われていきます。この「断片化したコラーゲン環境(張力の低下)」自体が線維芽細胞の機能低下に関与しうることが報告されています。存在しているだけでは働けない、線維芽細胞線維芽細胞はただ存在しているだけでは働けません。真皮のコラーゲンなどECM(足場)から伝わる「張力」をインテグリンを介して受け取り、その情報に基づいてコラーゲン産生を調節します。ところが加齢でECMが断片化すると機械刺激(張力)が細胞へ伝わりにくくなり結果としてコラーゲン産生が落ちやすいという悪循環が形成され得ます。線維芽細胞は「状態」で語られることが多い線維芽細胞は機能状態によりproliferativequiescentsenescent と記載されることが多いとされます。とくに senescent(老化)状態ではSASPなどを介して組織環境へ影響しうる、というのはよく知られているところです。2025年の Journal of Cosmetic Dermatologyに発表された【The Efficacy and Safety of Combining Cross-Linked Hyaluronic Acid Filler VYC-12L and Energy-Based Devices for Facial Skin Quality Improvement in Asians】架橋ヒアルロン酸 VYC-12L を真皮内投与し、1か月後に患者の主訴に応じてEBDを施行した前向き評価者盲検試験が報告されました。FACE-Qの段階的改善やGAISの改善が示され、重篤な有害事象は認められなかったとされています。この報告で大事なことは①順序立てて真皮環境を整える②EBDの前に真皮環境を「受け取れる状態」へ整える意義です。EBDは何をしているか:修復スイッチ(MAPK/ERKなど)を入れる高周波、超音波、レーザーなどのEBDは熱や軽度損傷を介して創傷治癒反応を誘導し複数のシグナル(MAPK/ERKなどを含む)を介してリモデリングへ向かわせます。EBDが十分に力を発揮するためには刺激が「良い修復」として処理される真皮環境を整えておく、という考え方でしょうか。線維芽細胞が適切な司令塔として働けるためにまずSKIN VIVEで働きやすい環境づくりをする(scafold を作る)✔︎1度の治療で✔︎24時間持続できて✔︎それが9ヶ月続くそんな治療はSKINVIVEだけです。加えて、タイミングを見極めてアミノ酸など司令塔(線維芽細胞)に栄養を与えていく(ここタイミングを測るのは医療者の腕の見せ所だと思います)講演してくださった先生方この度は貴重な機会をありがとうございました。エネルギーデバイスの前に真皮環境を整えて効果を最大限に。ご相談お待ちしております。しおり先生と、今回スキンバイブの分かりやすいイラストをお描きになられた藤井かおり先生と質問する時、自分の意見を言う時は人を介さずにできるだけ伝えたいというポリシーがあります。御登壇いただいたKim先生に直接質問をお伺いできて疑問が解決できてよかったです😊キム先生と、先生方と😊
局所麻酔薬は、日々の診療で当たり前のように使われています。 美容医療においても、外用麻酔は欠かせない存在です。 安全な薬剤。 使い慣れた薬剤。 「慣れ」を意識しなくなった時に 「何か」は起きると思っています。 局所麻酔薬の極量、意識していますか? 外用はどれだけ使っても安心ですか? 静脈投与には明確な極量があります 、 リドカインの場合 5 mg/kg(最大350 mg) エピネフリン併用で 7 mg/kg(最大500 mg) という明確な上限が定められています。 血中濃度が急速に上昇する静脈投与では 体重換算の明確な極量が必要だからです。 では、外用はどうでしょうか EMLAには 10 cm²あたり1 g 通常総量10 gまで 湿疹や皮膚炎では使用を避ける。 といった使用指示はあります。 しかし、静脈投与のような 体重換算の明確な mg/kg 上限は定義されていません。 それは「安全だから」ではありません。 外用は、 皮膚の状態 塗布面積 密封の有無 塗布時間 年齢 によって吸収率が大きく変わるため、 一律の数値を定めることが難しいのです。 実際に起きた重篤例 71歳男性。 下腿潰瘍に対しEMLAを広範囲に密封塗布。 45分後、傾眠とチアノーゼ。 メトヘモグロビン血症(MetHb 15.1%)を呈しました。 「外用だから大丈夫」という漫然とした意識が 全身中毒を招き得ることを示す症例です。 慣れを疑うということ 医療事故は、危険な薬で起こるのではなく 慣れた薬で起こることが少なくありません。 そしてもう一つ。 疾患を知らなければ、疑うことはできません。 メトヘモグロビン血症を知らなければ 酸素投与に反応しないチアノーゼ、「循環不全」と誤認されるかもしれません。 LAST(局所麻酔中毒)を知らなければ 痙攣は「偶発的」と処理されるかもしれません。 知識は、恐れるためのものではなく 自分自身や患者さんを守るためのものです。 私が大切にしていること 外用麻酔であっても、 ✔ 必ず総量を ざっくりとでもmg換算する ✔ 体格を考慮する ✔ バリア破綻皮膚では減量が必要か頭の中で考える ✔ 密封時間を必要最小限にする ✔ 異変があればまず中毒を疑う(幸いまだ経験はありません) 「外用だから安全」ではありません。 外用であっても 吸収されれば反応は全身麻酔薬と同じです。 最後に 安全とは 「何も起きないこと」ではありません。 起こり得ることを知り その可能性を忘れないこと。 慣れを疑う。 疾患を知る。 総量を意識する。 それが、患者さまを守るために 私が日々心がけている姿勢です。