NEW ACCIDENT LY「スカートの男」
NEW ACCIDENTで行われている
LY「スカートの男」That boy was wearing fuckin' skirt に行ってきました。
NEW ACCIDENTは今年2月に香林坊にオープンしたショップ/ギャラリーで、
4、5年前から小松で営業していたお店が金沢に移転してきたものです。
日本でここ以外取り扱っていないZINEやインディペンデントマガジン、
ストリートカルチャーの作家の作品販売や展覧会が行われる等
金沢では他にないユニークなスペースです。
(3階がNEW ACCIDENT、1階は服屋で2階はヘアサロン)
今回はモノクローム・アーティスト、LY(リイ)の個展。
Ly 自身が書いている小説の主人公「スカートの男」の物語を中心に展開され、
壁と床一面にペインティングした空間の公開の他、新作ペインティング等が展示されています。
(小説は全てこちらから読むことができます→http://bit.ly/kRkOR2)
NEW ACCIDENTの壁面と床面4面のペインティングは
オープニング前日から2日間かけて描き上げたもので、
小説に出てくる“スカートを履いた男”の家が断片的に視覚化されています。
「ある人が勝手に描いていったんだ、それから僕はここがとても気に入ってね、パーティする場所にしているよ..」
という2階の部屋。
「庭には古く汚いロッキングチェアが置かれていて、椅子の下にはコーラの瓶が何本か転がっていた」
という、男が死んだ庭の椅子。
来場者は彼を想像します。
子どものような、妖精のようなイノセントな男。孤独で完結した男。
社会や大人からは空気のように扱われる男の、綺麗でゆるやかな、ひとりの世界。
この世界では「子ども」が非常に重要です。
小説において彼を発見し、彼と関わり、彼の死を発見するのは子供ですし、
スカートの男もまた、「男」と表現されてはいるけれど、言動・行動はとても子供っぽい。
「子ども」はまだ性もはっきりしていないし、大人が乗り越えられないタブーや
見識を好奇心のまま軽く飛び越え、認知することができます。
LYさんの描く絵には"DIK(男性器)"が「タブー、不快、嫌悪、差別、憎しみ、
見てはいけないこと、言ってはいけないこと」の象徴としてよく現れるように、
「スカートの男」は彼自身が異質でタブーなDIKであり、ずっと子どものまま
子どもだけに認知され、大人との対話はありません。
LYさん自身、大人が差別し、排除しようとするが世界に確実に存在するもの達から
目を逸らさず、イノセントに「子ども」でありつづけたいのではないでしょうか。
スカートの男のZINEやドローイング、限定のシルクスクリーンプリントなど
作品・グッズも販売しています。会期も10日までに縮まったということなので、
皆さま、お見逃しのなきよう。
LY"スカートの男 That boy was wearing fuckin' skirt"
2011.06.18 Saturday - 07.10 Sunday
NEW ACCIDENT
Wednesday - Sunday / 12:00pm - 08:00pm
Monday & Tuesday / Close
3F 2-10-1 Korinbo Kanazawa Ishikawa 920-0961
076-255-2473 / info(at)newaccident.com
LY http://www.ly-m.net/
Ly の描く "DIK" は「タブー、不快、嫌悪、差別、憎しみ、見てはいけないこと、言ってはいけないこと」の象徴であり、Ly はそれを "HATE" をする。そして、描く世界の中へそのこと "I HATE DIK" を放り込み、その中に少しの救いや、キラキラとした希望にも似たものを映し出す。そこには彼女の性と生死感が見える。Ly が描いた、ジェンダーを越え、BLACK & WHITE をマージナルに行き来する世界は、キュートで時に危険なモンスターのようである。
Selected Exhibitions:
2010
"MEGANE ZINE ART SHOW" HVW8 (LA)
"DIKSSKID" NO.12 GALLERY
"Megane exhibition and LA junction" PUBLIC/IMAGE 3D
2009
"PILDUP" galleryPOINT
2008
"DICKS" MARIOS LEFT TANKER
"FROM TOKYO" 国立新美術館