カギが入りにくい、回りにくい時に、
「鍵穴に556を差しちゃダメ!」
と、よく言われますよね。
錠前メーカーのホームページにも、
鍵穴に市販の潤滑油をさすのは、故障の原因となります!
鍵穴に、油や市販の合成潤滑油(CRC、シリコンスプレー)などをさすのは絶対おやめください。油に埃がつき鍵穴内部で粘着するため、すぐに作動不良になり、故障の原因になります。
と、書いてあります。
詳しくは↓
ちょっとビビりますね
でも、昔はカギ穴に556をさしても殆ど問題ありませんでした!
〜カギ穴に合成潤滑剤がダメになった理由〜
時は今から25年程前にさかのぼります。
都内のピッキングによる侵入盗被害は1996年頃まで毎年平均100件程度ありました
しかし1998年に1000件に増え2000年には10000件を越え爆発的に増えていきました
そこでメーカーは今までのカギの改良や新しいピッキング対策の錠前を発売していきます。
ピッキングを防ぐには内部構造を複雑にする必要があります。
限られた大きさの中で複雑にするには部品の数を多くし精密になります。
小さいバネもたくさん入っています。
もし油と埃がまみれベトついたものが部品に付着し、一つでも動きが悪いとカギは回りません。
国も対策に乗り出します。
2003年に所謂『ピッキング防止法』という法律が制定されます。
解錠工具の不法所持や販売規制、錠前メーカーにも防犯性能の表示が必要となりました。
これにより防犯性能のアピールになり、より複雑で高性能なシリンダーの競争も生まれます。
そしてこれ以降、556など合成潤滑剤が苦手な鍵穴が多く普及されるようになりました。
ちゃんちゃん。
「昔は構造が簡素だったが今は複雑な精密機械になってしまったので油は良くない。」
ということですかね。
簡素と言っても発売した当時は防犯性に優れた鍵と言われていたらしいです。
ピッキングによる侵入盗は徐々に減少し、現在では昔と同じくらい年100件程度になっています。
理由と構造が分かると556でも大丈夫なカギ穴も見えてきます。
スプレー缶を見ると一番最初の写真には「自動車のカギ穴」と書いてありますね。
これだけを見ると、
『カギ穴は全部大丈夫だ!』と勘違いする方も、
『あれ?カギ穴はダメじゃないの?』と思う方もいるかも知れません。
ちなみにこれはシリンダー内部の凍結防止のためにさすのが主な目的だけど、いずれにしてもさしてOKという事ですね。
自動車のカギ穴はある程度過酷な状況でも大丈夫な構造をしているからです。
他にも556の方がむしろ適しているカギ穴もあります。
簡単そうな鍵でもカギ穴は複雑だったり、複雑そうな鍵でもカギ穴は単純だったりします。
潤滑剤は用途に応じて使い分けましょう!
美和ロックの錠前潤滑剤3069の意外な注意点
・鍵穴に0.5秒程度吹き付ける。(それ以上はかえってダメになる。‥と使用法に記載)
・錠前潤滑剤と書いてあるが、鍵穴のみでデッドボルトやラッチボルトの潤滑には使わない方がいい。(私見)
・美和ロックのJN、J、JCシリンダー(カバOEM)にはドルマカバ社の「カバクリーナー」を使った方がいい。(私見)
鍵のかかった部屋
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ARASHI