Cronos

16世紀、メキシコ湾岸に住む錬金術師が、永遠の命をもたらすと言うクロノスという機械を作って大天使像の台座に隠した。
20世紀になって、骨董品店の店主ヘスス・グリスはクロノスを発見した。彼は若返ったが、血を好むようになった。
またクロノスを探している大富豪のディーター・デ・ラ・グアルディアに狙われた。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1992,監督:Guillermo del Toro,脚本:Guillermo del Toro


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

錬金術師(マリオ・イヴァン・マルティネス)

ヘスス・グリス(フェデリコ・ルッピ) 骨董品商
メルセデス・グリス(マルガリータ・イサベル) 妻
オーロラ・グリス(タマラ・シャナス) 孫

ディーター・デ・ラ・グアルディア(クラウディオ・ブルック)
アンヘル・デ・ラ・グアルディア(ロン・パールマン) 甥

◆ 補足

すべての画面が暗い。雰囲気を出そうとしたのだろうが、見にくい。子供のオーロラがわりと活躍する。

同名の映画あり。「(1957)クロノス/KRONOS」。内容は無関係。
 


■ あらすじ

◆ クロノスが作られた

1536年、メキシコ湾岸のベラクルスに住む錬金術師が永遠の命を与える装置を開発した。

それはカメのような形をしていた。それを「クロノス」と名付けた。彼はクロノスを大天使像の中に格納した。

1937年、古い建物が倒壊して、白い肌をした錬金術師は、瓦礫の破片に心臓を貫かれて死亡した。

捜査員たちは現場を調べたが何も発見されなかった。

◆ クロノスが発見された

1996年、年老いた骨董品商ヘスス・グリスは、店に並べている大天使像の台座が空洞になっているのに気がついた。

ヘススは空洞の中からカメのような形をした金色の物を発見した。クロノスである。

それを触っていると、クロノスの側面から数本の鋭い針が出てきて、へヘスの手を傷つけて、手からは血が流れた。

中を見ると複雑な機械仕掛けになっており、さらに昆虫みたいなものがいた。

◆ ヘススは若返ったが血を好んだ

ヘススはやがて健康と活力、若さを取り戻した。皺は消えて髪も多くなり黒くなった。そして血を渇望するようになった。

ヘススは以来習慣となっているクロノスへの祈りを捧げた。

それを孫娘のオーロラが見て、祖父のことを心配した。

◆ クロノスを探す金持ち

一方、長年のこの装置=クロノスを探してきた人物がいる。裕福だがもう健康をなくしている実業家ディーター・デ・ラ・グアルディアである。

彼は甥のアンヘルを使って、それが入っていると言われている天使像を探した。

アンヘルは天使像を発見してオジの元に持っていた。

だがその中には目的の物はなかった。

◆ ヘススは突き落とされた

ヘススはホテルで開かれた大晦日のパーティに出席した。

洗面所に行くと、洗面台の上に前の客が落とした血があった。常に血を渇望しているヘススは、その血を舐めた。

その時、別の男が入ってきて、殴り倒されて気を失った。男は立ち去った。

そこにアンヘルが入って来て、へヘスが例のクロノスを持っていることを掴んで、クロノスを奪ってヘススを車に乗せて行った。ヘススは崖から突き落とされた。

◆ ヘススは生き返った

ヘススの死体が発見されて葬儀屋に運ばれた。

だが火葬にされる前に目を醒まし逃げ出して、家に戻りオーロラに迎えられた。

ヘススは自分の体の変化を妻のメルセデスへのメモに書いた。

日光を浴びると肌が焼けることに気がついて、箱の中で眠るようにする。

◆ クロノスを破壊すれば死ぬ

ヘススとオーロラはクロノスを持ってディーターのオフィスに出かけた。

ディーターは金を払うのでヘススに姿を消すように提案する。

ヘススは自分の皮膚の変化のことを話す。するとディーターは皮膚を剥がすように言う。下には白い肌があると言う。

ヘススは「姿を消す」という提案を拒否して「クロノスを破壊する」と言う。だがディーターは「そんなことをすれば死んでしまう」と応答した。

◆ ヘススは刺された

ヘススはクロノスをディーターに渡した。するとディーターはヘススをナイフで刺した。

オーロラが反撃し、ヘススは致命傷を免れた。

ヘススはディーターから流れ出た血を吸った。

◆ 屋上での戦い

二人は屋上に逃れた。

アンヘルが部屋に現れて、瀕死のディーターの喉を踏み潰した。オジの財産がほしいからである。彼も屋上に向かった。

ヘススは屋上に現れたアンヘルを突き落としたが、自分も屋上で気を失った。

ディーターの死体からクロノスを奪ったオーロラは、それでヘススを蘇生した。

オーロラが流している血を見たヘススは衝動にかられたが、かろうじて自制した。

◆ クロノスを叩き潰した

自宅に戻ったヘススは、ディーターから警告されていたにも拘わらず、クロノスを叩き潰した。

もうこれ以上の面倒は避けたいからである。

ヘススはオーロラとメルセデスに看取られて息を引き取った。