熱海では、起雲閣で尾崎紅葉の部屋などを見学し、
紅葉作「金色夜叉」の登場人物・貫一お宮の像を改めて見に行き、
さらに、だめ押しで(?)踊り子号待ちの間に、紅葉の筆塚も見に行くことに。
きっかけは熱海駅入口。
天井が華やかなステンドグラスになっていて、誰の作品かなぁときょろきょろしたらー
平松礼二さん作とのこと。
クロード・モネの睡蓮の画へのオマージュ作品を数多く描いている画家さんです。
平松氏のことを初めて知ったのは丁度10年前のパリ旅行。
メトロ構内に、大きくHiramatsuと書かれたポスターを発見。
睡蓮の花が描かれていて、どうやらモネへのオマージュ作品を描いているようでした。
その後横浜美術館や郷さくら美術館などで作品を見る機会がありました。
まだ電車の時間まで20分あるぞ。
さりげなく駅の天井に平松氏のステンドグラスがあるぐらいだから、
ほかになにか駅周辺で見どころがあるかも、、、と地図をチェック。
見れば、駅すぐそばに紅葉の筆塚があるようです。
そういえばここ、昔見に行った気もするけど、写真を撮ったかわからないから行ってみよう。
駅とは目と鼻の先。
この中に紅葉が使用した筆が収められています。
隣には句碑もありました。
自身が詠んだ句:「暗しとは柳に浮き名、あさみどり」が刻まれています。
遺族に残した自筆の掛け軸から写し取ったもの。
このように紅葉は小説家だけでなく俳諧師としても活躍。
尾崎紅葉というペンネーム意外に、縁山、戯作堂、半可通人などの号も使用しました。
それぞれの号に応じた落款を作ったようで、これは牙彫師であった父の影響とも考えられています。
「起雲閣」の「紅葉の間」には、紅葉の落款が表紙になった雑誌がありました。
落款に凝った様子が垣間見られます。
落款のついた扇の展示も。
以下もすべて起雲閣の紅葉の間の写真です。
貫一お宮のこけしとか、
実際に読売新聞に連載された時の様子も。
亡くなった時の寄せ書き屏風。
お宮は二宮さよ子さんという女優さん。
角野卓三さんの名前もあります。
役名は富山唯継。お宮が嫁いだ富豪の役みたい。
1901年、尾崎紅葉がドイツ、フランスへ留学中の岡田朝太郎(のち東京帝大教授)に宛てた書簡。几帳面な字。
落ち着きはらった様子の肖像が多いせいか、享年35歳というのには驚き。
短い人生ながら、熱海の町での存在感は盤石です。
熱海① 起雲閣 アールヌーヴォーのカフェは元旅館のバー
熱海② 起雲閣 尾崎紅葉の間と、貫一お宮DV案件
熱海③ 尾崎紅葉筆塚と著名な画家のステンドグラス
熱海④ 起雲閣 麗しのサンルームと玉姫の間
熱海⑤ 起雲閣 将棋の竜王戦会場になった孔雀の間は、文豪たちもお気に入り
熱海⑥ 起雲閣 加賀の青漆喰あり・ローマ風浴室あり