画家の名と自画像 ― 「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」 その5 | Art and ―アートと私と― 西洋美術たまに日本美術

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主に西洋美術(たまに日本美術)について綴っています。美術展の情報や感想がメインですが、それ以外の記事も徐々に充実させていく予定です。

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 その4」の続きです。

第2章 オランダ絵画の黄金時代」では、
17世紀オランダ絵画が展示されていました。

いきなりで恐縮ですが、画家の名をいくつか
思い浮かべてください。


ここで、質問です。

今思い浮かべた名は、名字でしょうか、名前でしょうか。


画家の名というものは、大抵の場合、名字で呼ばれます。
(ミケランジェロ・メリージ・ダ・)カラヴァッジョ然り、
(ピエール=オーギュスト・)ルノワール然り、
(パブロ・)ピカソ然り。

しかし、ごく少数ですが、名前で呼ばれる画家も
います。

ミケランジェロ(・ブオナローティ)、
ラファエロ(・サンティ)、
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 その3」
ご紹介したティツィアーノ(・ヴェチェッリオ)などが
挙げられますが、そして、今回ご紹介する
レンブラント(・ハルメンスゾーン・ファン・レイン)も
その一人です。

 

 

ロンドン_レンブラント
レンブラント「34歳の自画像」(1640年)


レンブラントは、生涯で何枚も自画像を描きました。
この自画像は、彼の名声が最も高まった時期のものです。

レンブラントの衣装は、実は当時のものではなく、
1世紀くらい前のものです。
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 その3」
ご紹介したティツィアーノの「ノリ・メ・タンゲレ」は
1514年頃に描かれたものだそうですから、
ちょうどその頃の衣装でしょうか。

そして、窓枠に右肘をのせたポーズは、
ティツィアーノやデューラーなどの自画像でも
見られるものだそうです。

レンブラントは、ミケランジェロやラファエロ、
ティツィアーノといったルネサンスの巨匠が
名字でなく名前で呼ばれていたことも
きっと知っていたでしょう。
レンブラントは、自分の自画像に
名字でなく名前で署名を残しました
(下の絵の赤丸で囲まれた部分)。

 

ロンドン_レンブラント_署名
レンブラント「34歳の自画像」(一部拡大)(1640年)

 

 

これらのことから、レンブラントは、自分を
ラファエロやティツィアーノなどの過去の
偉大な芸術家に連なると見なしていたと
推測できます。

この自画像は、レンブラントの「画家宣言」と
言えるかもしれません。


「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 その6」に続きます。

「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」のオフィシャルサイトはこちら


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