4/3の日記。
現代の奴隷船ことフエ発ハノイ行の夜行バスにて起床。
めちゃくちゃ窮屈な空間だった割には寝られた。刻み刻みで6時間くらいは寝られただろうか。
ハノイに着いた時も熟睡しすぎて運転手に起こされ、僕の荷物はすでに事務室内に引き上げられた後であった。
幸い乗車時間の大半は睡眠の中だったが、乗車したQueen Cafe Busがいかに評判が悪いかは、グーグルのレビューをご覧あれ。
時間は朝の6時。
いったん自転車を組み立て、カフェで一休みすることとしよう。
月曜の早朝だというのにハノイ市民はなんでこんな元気なんだろうか。
いたるところで体操だのダンスだのやってるし。
大通りでは自転車のレースをやっていた。
一休みするためにやってきたのはコンカフェ。
可愛い女の子が接客してくれるコンセプトカフェじゃなくて、共産風の労働(công)カフェである。
統一前の北ベトナム風のお店で、モスグリーンを基調とした秘密基地っぽい雰囲気がたまらない。
鉄鍋を加工した洗面台なんてオシャレすぎる。コーヒー1杯で3時間ほど休ませてもらった。
さて、帰国は今日の夜遅くの便である。
ノイバイ空港へはまた輪行する予定なので夕方まで時間はたっぷりある。
ハノイの観光名所は前回観たし、自転車の機動力を生かしてショッピングセンターを見て回ることにした。
まずはロイヤルシティというモール。
これはいきなり度肝を抜かれた。
豪華な西洋風の銅像と門の向こうにモールがある。
両サイドにはタワーマンションがある。
要するにベトナムの富豪や駐在員のための高級住宅街とショッピングセンターが一体化した施設である。
店内の雰囲気も小ぎれいで、幼児向けの教育施設やスケートリンクまであった。
地下のスーパーで自分用の土産を購入した。
このSANG TAOはベトナムを訪れるたびに購入しているベトナムコーヒーの粉。
バニラやアーモンドのフレーバーが乗っていて、しかも細引きなので味がしっかり濃く、アイスコーヒーにするとたまらなくうまい。
さらにハノイの中心街から西の方角に向かって10㎞ほど進むと開発が進んでいるハドン区がある。
ここには日本を代表するショッピングモール・イオンが進出しているのだ。
雰囲気は日本のイオンそのものでどことなく落ち着く。
料理屋やファストフード店も入っていたが、結局マクドナルドに入ってしまった。
ベトナムをくまなく旅してわかったことだが、町中にあるようなCOMの食堂を除いて、きちんとした店舗型の料理屋はお1人様向けではないと思われる。お1人様メニューのある店ばかりをチョイスしてしまうわけで。
夕方5時を回ったのでいよいよノイバイ国際空港へ向かうこととしよう。
ノイバイ空港からハノイへ向かうバスは行きに乗った86番バスのほかに、ここハドン区から出ている68番バスがある。
86番バスはハノイ鉄道駅から出発するのだが、おそらく観光客でごった返すに違いない。
自転車の置き場がなくうろたえるようなみっともないことはしたくないので、わざわざ68番バスに乗るために郊外のハドン区までやってきたのだ。
読みは見事に的中。ハドン区から乗る観光客は皆無で、しかも始発駅だったため車内はガラガラであった。
対照的に大混雑なのがノイバイ国際空港。
これが2回目の利用だが、成田に比べて圧倒的に狭いので必然的に空港内は人でごった返すのだ。
幸いベトジェット航空が規定の時間より早くチェックインを受付開始してくれた。
あとはボーナスステージこと空港ラウンジを堪能するのみである。
料理には目もくれず、まずは混雑が予想されるシャワーを利用する。
ラッキーなことに空いていた。お湯もちゃんと出るじゃないか。
昨日は夜行バスに乗ったのでシャワーを浴びれなかったのだ。
2日前の追突事故でできた擦り傷がジュクジュクになり始めていた。
持参したワセリンを傷口に塗りたくり、不織布マスクを切ってバンドエードで固定して応急処置を施す。
専門ではないので間違っているかもしれないけど、最近は消毒液とガーゼを使う乾燥療法よりも、ジュクジュクした浸出液の力で自然治癒を目指す湿潤療法の方がメジャーらしい。ワセリンは保湿力で浸出液を閉じ込める役割を果たすとのこと。
ここまでやり終えてようやく料理にありつく。
この旅でまともに食べられなかった野菜を中心にガツガツと食べる。
フライトは深夜なので、あまり食べ過ぎると腹の張りと喉の渇きで悲惨なことになってしまうのでギリギリのところで自制した。
パッションフルーツは初めて食べたかも。
酸味とザクザクした種の食感が非常に気に入った。
そういえば東南アジアはシャカトウの産地でもあったな。
今旅では一個も食べられなかったのでジュースをぐいぐい飲み干す。
ラウンジでくつろぎながら旅の総括をしよう。
何度も書いてきたが、今回の旅はほぼ毎日100㎞程度を走る強行軍であった。
風向きにも助けられて成し遂げることができたが、「日没までに走り終えねば」という義務感がまさり、「旅を楽しむ」というよりも「タスクをこなす」ことが主目的のようになってしまった。
体力的にも精神的にもこういう旅の計画はもう立てるべきじゃないと思う。
1日60~80㎞程度走って、いろんな名所やブログのネタになるような珍スポットに立ち寄るくらいが僕にとってはちょうどいいのだ。
順当に行けばハノイ~ホーチミン間のベトナム縦断旅は後2シーズンかかるはず。
シャカトウジュースで喉を潤しながら、次はもっとゆっくり楽しめるような旅にするぞと意気込むのであった。
走行距離:23㎞
走行時間:1時間44分
総走行距離:24956㎞