すとんと落ちた 自閉の君が発したことば | アロマ&心理カウンセリング 心とからだのセルフケア @東京 調布

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脳の働き、心の働き、命の働きに心ときめく

webも創るアロマ&カウンセリング講師、アロマシオンの島田さつきです。


「壊れたロボットに閉じ込められてそれを操縦しているようです」

 

自閉症で作家の東田直樹氏の綴ったことば。

これを読んで、自閉の人たちの状態がすとんと心に落ちた。

なんて簡潔に、つまびらかに表現するのだろう。

 

こんなにも適切に、ムダな言葉を省き、自分の状態を表現できる能力に驚いた。

いったい彼は、何を手本に表現力を磨いたのだろう。

 

彼は、重度の自閉症で会話でコミュニケーションを取ることはできない。
だが、紙に書かれた鍵盤を使い自分の考えを言葉にしてしゃべることができ、
パソコンのキーボードを叩けば文章にして会話もできるという。

 

左脳側の言葉を話す役割と言語を理解する部分に支障がある一方で、
右脳にある、意図を汲み取る部分が左脳を補う形で一般よりも発達しているという。

 

自閉の人たちが、どのように世界(自分の周りのこと)を捉え、
どのような感情を抱いているのか、それまでわからないことだらけだった。

東田氏の存在が、それを可能にした。

 

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生物は、自分と違うものを排除する機能を備えている。それは免疫機能だ。
社会生活でも、その習性を利用しているように私は思っている。

自分と同じならわかるから安心。でも、違うとわからず怖いから不安。

 

身障者、特に脳気質が原因の場合、健常者のかまえは、わからないから不安=排除、

という生存のための保身の脳機能が働いているように思う。

世間的に見て、そんな失礼な話、差別だと思う人がいるかもしれないがあえて言う。

それがリアルだと思う。きれいごとだけでごまかすことは何の意味も成さないと思っている。

 

で、私は常々思うのだけれど、要はわかれば良いのだ。

わからないから不安に駆られてしまうわけで、わかってしまえば何てことないのだと思う。

わからない行動をする障害を持つ人が、「こうなんだ」と説明したことに物凄いワクワク感を覚える。

しゃべらないと思っていたうちのネコが、話すことができたくらい奇跡的な衝撃だと。

 

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東田氏のことは、ある記事から知った。

自閉症の東田直樹氏だけが知る人間の脆弱な価値観と聴く力

NHKドキュメンタリーはこちら  NHKスペシャル「自閉症の君が教えてくれたこと」

 

そこには、自閉症の東田という、ラベル貼りに辟易している彼の様子も綴られていた。

これ、乙武氏もことあるごとに言っていたが、とてもわかる。

 

健常者は、身障者にとかく何かしらのラベル貼りをして、だからこうなのだと、

差別的な思いの心のやりくりをしているように思う。

(これが恐れからくる保身のために、自己の優位性を示す心の働きだと意識する人はいないだろうけど)

 

もし、自分の親が、配偶者が、子どもが、兄弟が突然身障者になった時、

その人は、身障者の●●になるのだろうか?

昨日のその人と違う人になるわけではない。

その人はその人として変わらず、●●が身障者になっただけではないか。

 

だが、違う側面からみると、自閉の作家というのは逃れられないラベルではないかと思う。

彼の文章をブログで見てみた。冒頭で書いたように、文章力が素晴らしい。

それは、自閉症なのに…というラベルで測らずに見ても、言葉を生業とするプロのものだ。

 

しかしながら、世間はどうしても●●のと付けてみたがる。

 

例えば、矢沢永吉に望む世間の目は、いつまでもロッカーであり続ける矢沢永吉らしさである。

初老の一個人の矢沢永吉ではない。

また、東大卒というラベルも同じような意味を持っていると思う。

 

ある意味ラベルは武器である。

だからそんなことは乗り越えて、東田という特別なフィルターを通しての物語を綴り続けてほしい。

 

【こちらは、初の書籍】

 

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