天地剑心(天地剣心)・狐妖小红娘王权篇(狐妖小紅娘王権篇)全36話 | 一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

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『天地剑心(天地剣心)・

狐妖小红娘王权篇(狐妖小紅娘王権篇)

Fox Spirit Matchmaker: Sword and Beloved』

2025年 10月~ 中国 全36話

 

原作 「狐妖小红娘(狐妖小紅娘)」庹小新

 

出演

王权富贵(王権富貴)→成毅

清瞳→李一桐

权如沐(権如沐)→郭俊辰

梵云飞(梵雲飛)→常华森(常華森)

王权弘业(王権弘業)→张智尧(張智堯)

权竞霆(権競霆)→谭凯(譚凱)

 

 

ドラマ公開順では狐妖小紅娘シリーズの月紅篇、竹業篇に続く最終篇。竹業篇の東方淮竹と王権弘業の息子である王権富貴を軸に人妖の衝突と交流が描かれる。

 

ネタバレ 第1話~第5話。

一気盟少主、王権富貴は、父親の悲願である天地一剣を会得するため、ひたすら孤独に修練を積んでいる。傍らで、人に危害を与える妖を一気盟の兵人として成敗する日々を送る。

竹業篇で、淮竹を含むほとんどの仲間を失くした弘業は、息子へ天地一剣を獲得させるべく情を持たないそぶりで、富貴へもそれを強いている。そのため母親の命日に悼む機会も与えられず、情を持つべきではないと自分を律して天地一剣の習得に励む富貴は実に不憫である。淮竹はこんな息子の姿を望んで弘業へ託したわけではないが、愛する者達を失った弘業の心の傷はあまりにも深い。

 

孤独な富貴の前に現れた心優しい蜘蛛娘は、後に清瞳と名付けられる妖だが、当初は洞主に弟を人質に取られてやむなく兵人を偵察していた。ただし正直で何の悪意もない清瞳は、妖を敵視する富貴の警戒心も簡単に解いて側に付くことを許されている。さらに瀕死となった清瞳へ、成敗した狸妖王の翼霊珠を与え、自分の霊力を寿命10年分も消費するまでになっている、既に。

この様にして、一人ぼっちの富貴の心にスルッと入り込んだ清瞳は、やっと慣れてきた蜘蛛娘のアニメーションから人型へと進化するのだが、この李一桐がとんでもなく可愛い、、、弟を救うために強さを求める姿も、富貴を慕って一心に守ろうとする心意気も全部いい。

 

親父世代では、権競霆が王権の名を剥奪された恨みで弘業を敵視しているため、序盤はその息子の権如沐も富貴の敵のように見えていた。

 

しかし競霆は息子の命も顧みぬろくでもない父親で、父子関係は希薄である。逆に富貴とは離れていても幼少からの絆で結ばれ、裏で競霆の目論見を回避するための協力関係だったことに安堵する。

今回のイケオジ譚凱は闇側らしい、この爪がどうみても悪者だ笑
 
藍天大会で富貴を負かすため、競霆は人質(友人)を盾に如沐へ出場を強要し、勝てぬと判断した息子へ龍丹を煎じた怪しげなヤクを飲ませる。この件も全て富貴へ報告済みの如沐は、大会で時間を稼ぎ、その隙に富貴が人質の救出をするという計画を立てていた。
しかし競霆の狙いは、龍丹で操られた息子を使って弘業の命を獲ることだった。自分の手は汚さず息子を操って目的を果たそうとした愚かな策略は、人質を救いに行った富貴にまで及んでいたが、敵を蹴散らし颯爽と戻ってきた富貴のおかげで如沐も弘業も救われる。ここで如沐の龍丹を取り出すために突如東方神火が登場したのには、なんだか感動が押し寄せたんだが、弘業の隣に去濁がいたことはさらに刺さったところ。残された二人が哀しすぎたため、今もなお共に寄り添っていることに嬉しさしかなかった。
計画が失敗した競霆は、共犯の口を封じて罪を転嫁し無垢を装う方向へと瞬時に切り替える辺りが聡く、これは手強そうである。気になるのは競霆の左手に纏わり付く禍々しい気だが、弘業の夢へ頻出する黒狐と既に手を組んでたりするんだろうか。
 
師父と弟子の如く二人っきりで過ごしていた別院では、ただの蜘蛛妖だった娘を清瞳と名付けたことで、その命に対しても責任感が生まれた富貴にとって、洞主の狙い通り、清瞳が急所となる予感はしている。それでも情を覚えることこそ天地一剣を会得する鍵なのかもしれないね。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第6話~第7話。

結局、競霆は黒狐と繋がっとるやないかい。この男の野心はしぶとく、これからも禍となりそうで面倒くさいが、イケオジがしばらく観られるのは嬉しい笑

イケオジ二番手の弘業は、不吉な予言を目の当たりにして動揺するが、しっかりと息子の立場を守って皆を黙らせる。これまで情も見せずに富貴と接してきた弘業が、初めて自分を庇う姿に若干喜んだのも束の間で、天地一剣の習得への持論を展開した富貴が、世の中を知るために外界へ足を踏み出す機会は引き続き閉ざされる。死にゆく前の淮竹はこれを見越して、その時が来たら引き留めないで、と弘業へ願い出たのだが、自分なりの息子を守る手段だとしても、妻との約束を全く守らないのはどうかと思うよ。

ただし、ここで話題となった敗北の歴史は、竹業篇の最後の戦いだよね、、、この傷が弘業も去濁も、視聴者すらも未だ癒えていないのだから、弘業の憂いも理解出来るのが悩ましいところ。ぶっ込んでくる挿入曲が前作と同じで、いちいち胸がきゅっとなるの困る笑

しかし唐突に出てきた傲来国三少の名に懐かしい思いが湧いたよ。

 

清瞳の方も洞主に脅され、弟を見殺しにするか富貴へ毒を盛るかの選択で悶々と日々を送るが、考えた末の解決策は、やむなく毒は盛っても解毒薬を手に入れて、後々、富貴の解毒をする他ないと考える。

毒を盛られたことも、その清瞳が強いられていることもすぐに察した富貴は、わざわざ千絲洞まで出向いて動向を探ることにする。

その富貴を、かつて夫を滅された恨みで待ち構えていた洞主だが、たとえ毒で侵されていようと兵人の力はべらぼうに高く、洞主が敵う相手ではない。

その間、清瞳は弟を連れ出し千絲洞から脱出していたが、弟を逃がした後に一番にやらねばならないのは富貴の解毒である。そのことだけが脳内を巡る清瞳は、ヒーヒーで風姐姐の元へ辿り着くが、妖のスパイだと知られては相手からの容赦はない。

 

それでもヨレヨレで富貴の元へ向かった清瞳は、やっと解毒薬を渡すという自分にとっての責務を果たす。その清瞳へ向かって、毒を盛られたことに怒りも悲しさも感じず、まず顔の傷を案じ、ただ優しく語りかける「為何不説」には泣いちゃいそうになったんだが、なんですかこの素敵な男は、、、人との交わりもほぼ持たず、修練の日々だけを過ごしてきたはずの富貴だが、清瞳が血まみれとなって必死に届けに来たその思いも全て理解している。

結局、解毒薬は清瞳へ与え、自分は如沐の協力の元、淡々と蟲を取り出すことをやってのけるのだが、全て取り出せたかの不安はあるものの、うーん、かっこよすぎる。

成毅の主演作はおそらく一作くらいしか観たことはないが、役に入ると、普段のドジっ子天然のイメージとはまるで違う姿に、なんだかドキドキである。

 

この一連の静かに交わされる会話の中、確かな信頼で結ばれるの二人の雰囲気はどこか切ない気持ちになった、人と妖だと思うとね。李一桐もめちゃくちゃいいな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第8話~第9話。

清瞳へ解毒薬を与えて救った富貴だが、どうやらこの地に留めるつもりはなく、清瞳が自身で道を見付けるためにも手放そうとしている。情は湧いていても縛ることはなく、危機の前でも表情を変えることなく常に悠然と構える富貴は、何においても焦りがないな。

二度は味わうことの出来ぬ深い傷を残す弘業の焦燥とは、相変わらず愛を持ちつつも対立しているが、むしろ息子の方が落ち着いた態度で、静かに諭す言葉は理に適っている。弘業もかつてはそういう男だった。王権篇だけを見るとまるで話の通じない父親だが、そうじゃない、なにしろ傷が深すぎるのだ、、、ほんと不憫。

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以前、富貴が襲われた夕雲齋での謎の邪薬の出所を調査していた費管家は、それが人妖が共存して生活する桃花塢だという事実を突き止める。

この地は、あの切なさ爆発エピソードで人気を博した黒剣の継承者、張正の後代、張琦が建立した村だが、この様に過去の忘れ難い人々の継承が途切れていないことを知ると、実に感慨深いものがある。

ひとまず張琦を連れ戻すために富貴が派遣されるが、ここでも父親の張正への思いを気遣う愛を感じて、現在のすれ違いにもどかしい思いをする。

この任務には、未だこの先の道が定まらぬ清瞳も連れて行くことにするが、二人の時間や降りかかる困難を共有することが増えるほど離れ難くなりそう。ただどうやっても悲恋にしかならなそうなのがね。

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この桃花塢で生活する妖は、概ね害はなさそうな善妖だらけだが、張琦と心を寄せ合っている卿離はどうも怪しい。狙いは不明だが、この蝶妖が費管家が言っていた大妖なのかも。

 

ここまでを見ると、前作とは違い、今作は人と妖の絆を中心に描かれていくようだ。富貴と清瞳を始め、この桃花塢でも張琦と蝶妖の卿離との関係は深く、如沐と龍微雲(龍妖)も同じ類である。

龍妖といえば、親父の競霆の左手に宿しているのは龍鱗だと言っていたが、これがおそらく龍微雲の取り戻そうとしている龍鱗なんじゃないか。そのためにかつて如沐を誘拐した経緯があったようだが、これが返って二人の絆を深める結果となった。

風庭雲が言っていたように、人と妖が共に生きることは容易ではない。それでも今のところ番い予備軍となっているのは全て人と妖ではないか笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第10話~第11話。

張正の後代、張琦は、妖が全て滅されるべき存在という世の流れに逆行し、共存出来ると信じて桃花塢を建立したのだが、結局、卿離(蛾妖)には裏切られてしまった。それでも多くの妖と共に過ごした中で、人であれ妖であれ善悪は同じように存在していて、その命は平等だということを確信していた。そのため、この地だけは誰にも踏み込ませず守りたかったんだろう。最後は命を賭して結界を張り、この先の人妖の共存を願いながら塵となる。

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張正の後代がいなくなっちゃった、、、(´;ω;`)ウッ…

 

張琦の思いを理解し、これに協力した富貴は、一気盟での自分の責任を自覚しながらも、思想を全面的に受け入れて遂行する道はどこか違っていることを再び確信する。頑なに妖の討伐を命じる弘業へ、持論を展開した富貴が滅多打ちにされるのは不憫でも、その意志は既に決まっているようである。

かつて情を持ったがゆえの弱さで敗北したと思い込んでいる弘業は、自分と同じ轍を踏ませぬよう必死なんだが、今は忘れているだけで、かつての弘業が一番、人と妖の共存を目指していたよね、、、

 

ここで清瞳とも、一旦、別々の道へ進むことになるが、より良い自分になるための前向きな別れにはさほど寂しさはなかった。清瞳の違わぬ向上心の高さには、この世を安寧へ導く力を感じて実に希望が持てる。

 

この桃花塢の件で一気盟の思想に反した富貴の行動は、機を狙っていた競霆にとっては格好の口実となり、それを理由に兵人の座から王権家を退かせて自分がその地位を獲得しようと考えている。そのせいで、今しがた互いに目標を抱いて別れた清瞳にも禍が降り掛かりそうだ。

実に悪い男だがなぜかイケているのが困る、、、

 

思い返すと、月紅篇で弘業が月初と出会った頃は、忘れていた人妖の共存という道を今一度叶えるため、後世の月初に委ねていた気がするが、当時、富貴は既に王権家を離れていた。ゆえにこの糾弾を機に、富貴は旅立って行くのかもしれない。月初と富貴はほぼ並行してこの世に存在しているはずだが、会うことはないのかな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第12話~第15話。

早速、競霆に捕らえられた清瞳は富貴を追い出すための材料に使われる。それを察した清瞳は、富貴へ害が及ばないよう懸命に悪ぶって見せるが、可愛すぎて全然悪く見えない笑

妖を目の前にした弘業は、降り掛かった息子への禍を除くため、清瞳の命を奪うことは競霆と一致していた。

最初こそぷんすこしていた風庭雲は、痛め付けられる清瞳を黙認できず、吊られていた富貴へとその旨を伝えるような心優しい娘である。その一報で生気の戻った富貴は、再び父親を前に自分の信じる道を歩む決意を表明する。これまで兵人としての責任を果たすことに反発もせず、父親の望む道を歩んできた富貴は、ここで独立を宣言するのである。

 

清瞳を抱え、背を向けて歩き出した富貴を、当然、競霆は追ってくるが、弘業には、いつかこんな日が訪れる予感はしていたのかもしれない。これまで一気盟の皆の命を背負い戦ってきた富貴へ、全員が剣を向ける情景はなんとも虚しい思いに駆られる場面だが、競霆の持つ剣の妖気で隠された淮竹の力が目覚め、富貴は秘めていた淮竹譲りの純質陽炎を覚醒させる。

死にゆく前の淮竹が、トリガーとなるものを息子へ授けた結果なのかは不明だが、あの龍の姿はおそらく競霆が龍妖の血を奪ってあの剣(富貴を刺した剣)を精錬したためなんだろう。

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挿入曲も相まって、覚醒した富貴はとんでもなくイケていた。

しかし費管家はいつの時でも富貴の力強い味方で安心感が半端ない。

 

ここでようやく父親の元を離れた富貴は、自身の道を歩み始める。

それぞれの道へ向かうかに見えた清瞳とは、そのまま共に同じ道を歩み始め、一気盟を後にした二人はしばし穏やかな日々を送ることになるが、今では無表情だった富貴にも笑顔が増えている。

この過程で、洞主が二人を追って戦いを挑んでくるが、弘業に滅されたという夫は、疑死という名の冬眠状態でなんと二十年経った今も生きていたのである。夫の死だけが人間への仇討ちの原動力となっていた洞主は、あっさりと自分の過ちを謝罪し、心を入れ換えたことは割と簡単に解決して良かったところ笑

 

一方、富貴の去った後の一気盟では、相変わらず競霆の野心が留まらず、弘業は窮地に立たされていた。かつての黒狐との戦いはただの私欲だと周りを扇動し、そもそも黒狐などという敵は存在しない、などと言い出し始める。

これには、はぁ?ですよ。あの同士討ちのような苦しくて虚しい戦いで、胸を焼き尽くされた弘業や私たちの思いも無とされるような戯言には腹が立つ。軽々しく阿醉の名前を口にしないで欲しい、お前はそのために何をしたんだよ?など思い始めたら苛立ちが止まらんくなった。

てかね、証人として出てきて勝手に自害し、戯言を事実と信じさせた天門道云々って誰よ笑 全く記憶にないんだけど、、、

これには弘業も、黒狐の復活やそれと手を組む競霆の関係に疑いを持たざるを得ない。しかし誰もその話を信じぬ中、弘業はそのまま追い出され、謎に競霆が王権家の椅子に座ってたんだが、、、周りの門家は軒並み戯言を信じ、弘業を援護する者が皆無だったのが最大の謎である。あの戦いでの敗北で、弘業は人望を失くしたんだろうか、或いは妬みからなのかは謎だが、月紅篇、前作から引き続き、弘業は相変わらず不憫だよ。

 

今回は、如沐の命が短いその理由が語られるが、これも全て父親である競霆の行いのしわ寄せである。如沐の命を縮めたことに心苦しさを抱く龍微雲は、序盤で言っていたように、顔も合わせられないほどだが、如沐は父親の罪の報いをその身体を以って自ら受け入れたのである。父親のためではない、その行いで龍微雲を傷付けた代償を自分で担ったのである。

それでも富貴の父親への思いと同じく、如沐も龍微雲を恨んだことなど一度もない。如沐が命を落さぬシナリオであって欲しいが、富貴が絶対に死なせないと言っていたことは信じられる。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第16話~第19話。

弘業を牢に繋ぎ、盟主の如く一気盟を掌握した競霆は、やりたい放題に妖の殺戮を始める。傍らで、捕らえた弘業へは己の自尊心を満たすため、費管家の命を盾に屈することを要求する。

費管家は、弘業にとっても富貴にとっても唯一の理解者であり、共に王権家を支えてきた人である。父子間のすれ違いに胸を痛めながらも穏やかに諭し、ひたすら見守ってきた陽だまりのような存在だった。ゆえにどこまでも王権家への忠誠を貫き、弘業の尊厳を守って脱出させるためにその命を捧げて昇天する。

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大事な人を失くしてばかりの弘業を思うときつい、、、

 

その間、牢へ捕らわれた弘業を救うため、黒狐の存在を一気盟へと証明することにした富貴は、自身を囮にして誘き出す策を立てるが、現れたのは黒狐に憑依された龍微雲だった。如沐の想い人では手出しが出来ないと考えて、この身体を選ぶ黒狐は実に狡猾で、龍微雲の心を悩ませる如沐への想いの隙を利用したのである。それでも清瞳の協力を経て意識を取り戻した龍微雲によって弾き出された黒狐を、無事手中へ収めることに成功する。

この後、黒狐の証拠を手に一段落した富貴の前に、不意打ちで現れた費管家の姿は実に苦しい思いをさせられる。富貴のこの先を案じ、息絶え絶えでここまで来たのかと思うと尚更である。

 

悲しみの中、王権山庄へ戻った富貴は、黒狐の存在を皆の前で証明して競霆の悪事を暴くことになるが、この過程でついに天地一剣を悟ってしまった。

何の甲斐性もなさそうな門家のじいさん共が、それを察するのだけは敏いのが謎だが、このせいで予言の人物が富貴だと言い始めてまたも面倒な話に発展する。やっと競霆の悪事を暴き、弘業の汚名を挽回したと思えば、脳なしじじい共の臆病風に屈さねばならないのは心外だが、富貴はその要求に応え、潔く剣脈を手放し、西西域へと送られることを承諾する。これも父親をこれ以上苦しめないためだが、その事に全く後悔も憤慨もせず、静かに弘業へと別れを告げるのである。本当に成熟した男だよ。
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ここでやっと本当の意味で、父と子は別々の道へと歩き出すことになる。ただし、奪われた富貴の剣脈の一縷の望みが身体に残っていることも、その剣脈が如沐へと渡り、無駄にはなっていないことにも救いはあった。

 

ここから富貴の舞台は西西域へと移るが、清瞳とは未だ再会出来ていない。それも弟の清澄が競霆の殺戮で翻弄され、闇堕ちしたためだが、、、闇堕ち早すぎじゃないの笑

黒狐の手に掛かった清澄は、そもそも出番が少なかったために個人的には何の思い入れもない。ゆえに独占欲で清瞳を縛るこの男には気持ち悪さしかないが、清瞳も何かがおかしいことに感付いてはいる。富貴の元へ向かう逸る気持ちを抑えて今はまだ清澄の側にいるが、思いのほか弟の姉への気持ちは深く、その心を支配する富貴への憎しみは大きいようだ。めんどくせ。

 

一方の富貴は、未だ再会できぬ清瞳を案じながらも庶民の如く穏やかに過ごす姿は、重荷を降ろしてやっと掴んだ安寧のようにも見える。ここで出会った沙狐国の二皇子、梵雲飛は、元々、皇子の責任を避けて狐の姿のままで富貴に纏わり付いていた。見た目は全くイケていないが愛らしい仕草に愛嬌はあり、ほどなく人型となった梵雲飛の配役は、その愛らしさを持つ常華森で正解だと思った笑

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かわいい。

 

家へ戻された梵雲飛は、早速、要求されるがまま皇子の責任を果たすことになるが、富貴と同じ御水珠が目的のため、ここから二人の向かう道は重なっていきそう。しかしあんなに二皇子の帰還を望んでいた父親は、どうみても利用しているようにしか見えない、さほど深刻さは感じないけど。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第20話~第21話。

皆が目的としている御水珠って、龍微雲が如沐の身体を糧にして体内に吸収し、後にその力で暴走した龍微雲を如沐が制して砂漠に吐き出されたまま砂に埋まっていったアレだよね。

それを沙狐国が拾って聖物にしているわけか。思えばあの宮殿も競霆の悪事による龍族の消滅後、沙狐がそのまま居座って今に至る。

そうとは知らぬ無垢な雲飛は、沙賊から富貴が取り返した御水珠をまるっと呑み込んで、現在はその体内に収まっている。機会を待っていずれ取り出すつもりの富貴は、そのまま雲飛の師父として留まっているが、目的があっても落ち着きが半端ないため、沙狐国王にも疑いすら抱かれていない。

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一方の王権家では、富貴だけに負をおわせた弘業や如沐が苦しみからなかなか立ち直れないでいる。富貴にはなんら遺憾なく一気盟を去ったわけだが、彼を犠牲にする格好となった二人は心苦しい思いで涙を流す日々である。

ただし、どんなに苦しくても前へ進まねばならない。そのため如沐は、富貴の剣脈を引き継いだ責任を担うべく、この世の混乱を阻止するために動き始める。

まずは弘業の依頼で、西西域の危険要因である御水珠の行方を探り始めるが、その前に、黒狐に支配されて悪行三昧だった競霆へその代償を払わせる。龍微雲の恨みも解消させ、剣脈が戻った自分への負い目も拭って、ここで龍微雲にも自分の想いにも別れを告げるんだが、如沐はなんだかずっと切ないね。

 

息子の手で地下牢へ幽閉された競霆が、己の行いを後悔する姿は、到底芝居とは思えないため、想像より遥か昔から黒狐に支配されていたことになる。元々はそう悪人ではなかった男の、ちょっとした心の隙間に入り込んで闇へと堕としてしまう相変わらずの手法は、竹業篇でも散々見せられていた。これは本当に恐怖だよ。

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御水珠の行方を追って沙狐国へ向かった如沐は、相手にどう接触するのかと思えば、怪しげな占い師として出鱈目な舞を披露していたことに笑う。ここで富貴とも思いがけず再会するが、すれ違いざまに「お前、、、」と言わんばかりの富貴の凝視面がさらに笑える。

ここに雲飛も加わり、愛らしい3人組の出来上がりを楽しく観ているが、なんといっても涙に暮れていた如沐に笑顔が戻ったことが最高に嬉しかった。

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一方の清瞳は、清澄に囚われていることに気付かないまま、富貴が既にこの世にはいないことを散々証明され続ける。西西域まで出向いて、そのすれ違いはもどかしいわ、、、

正直、清澄の気持ち悪さが極まって、このパートは全然楽しくない。今回などは、遮る清澄を躱して、憂貴門で苦情樹から力を得る情と恨の試練へ向かった清瞳がどうなってしまうのか不安しかない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第22話~第23話。

富貴と同じ意志を持つ揺るがぬ清瞳の信念は、憂貴門で対面した恨を跳ね除けて試練を突破する。背面で流れる曲で、脳内に淮竹の姿がチラつくのは竹業篇と挿入曲が被ってるからか、、、

ただし戻って来た清瞳はなぜか禍々しい気を纏い、どうも闇側へ染まったように見えた。

苦情樹の種を無事手に入れ、煉化の段階でどこかおかしいことに気付いた清瞳は、その事情を知るために塗山へと向かうのだが、久々に塗山の名が出てきてちょっと嬉しくなった。

容容によれば、清瞳の得た種は以前、塗山から盗まれた苦情樹の種だというが、黒狐と繋がっている事情は今一度、憂貴門で訊ねるしかないという。

再び憂貴門へ戻って聞かされたのは、この種が黒苦情樹のものだったという事実である。塗山から盗まれた苦情樹の種は、恨みを糧に成長したため、あらゆる恨みが源となって黒苦情樹へと変化したようだ。この種を煉化することが出来れば、清瞳は浄化された情の力を得られる上に、黒狐の居座る黒苦情樹へも影響を与えて浄化が可能となるらしい。どんな代償を払っても、と清瞳が言っていたということは、彼女の役目は黒苦情樹を煉化させることなのか、、、実に不穏だが命は落とさないで欲しい。

この種の煉化の過程で黒狐と繋がった清瞳は、富貴が西西域で生きていることを知る。ついに清澄の嘘が露わとなり、千机城を後にすることになるが、その清瞳に向かって、「不要再丟下我」とか言っちゃってんだが、再って、、、まず一度も捨てたことねーからってなった。思い込みで闇に堕ちるとか、現実でも普通にありそうだから怖い。

 

一方の西西域では、雲飛のプロポーズ大作戦が開催されていた。といっても、毎日欠かさず厲雪揚の軍営に出向き、殴られて帰ってくるという日々を健気に繰り返すだけなんだが、100日目で厲雪揚を動かし、101日目で受け入れられたことは、物事を成し遂げるためには、地道にコツコツが大事だということが証明された笑

元々、出会った砂漠で互いの命を守り合った時から、想いをつのらせていた二人は、厲雪揚が気付けば簡単だったんだけど。以前、恩人を捜し続けていた厲雪揚の、なんかモフモフしてる人、で気付くのはそろそろかと思っていたが、この一連の流れは実に和むひとときだった。雲飛のひたむきな姿が愛らしすぎんよほんと。

 

ただし富貴が掴んだ情報にあった、沙狐国が継続して発展している理由と、初めから厲雪揚がロックオンされていたことは未だ謎である。厲雪揚との婚姻に対し、沙狐国王がやけに乗り気なことと何か関連はあるんだろうが、純粋に想いあってここまで漕ぎ着けた関係がぶち壊しにならなければいいな、、、

 

驚いたのは、退場だと思っていた競霆が未だ息を潜めて悪巧みを画策中だったこと。え、、、あのつきものが落ちたような姿は芝居だったんかい笑 すっかり騙されて元々はそう悪い人間ではないと思わされたが、生粋の悪ではないか笑 その姿を見抜いて幽閉した如沐はさすがである。

 

今回は、諦めずに頑張る雲飛を、優しく見守る富貴と如沐の姿に概ね和まされた。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第24話~第25話。

沙狐国王は呑気なフリして実に狡猾な親父だった。

要は、千年前、龍族を鎮めるために人族と協力したが、結局裏切って人族だけに犠牲を払わせ、現在も沙狐族は生き延びているというわけである。

千年前、千夏国女王、古麗贄は、秘術である万枯陣を敷き、暴走した龍族と共に封印されたが、生き延びた人族の子孫でその龍脊を引き継いだのが厲雪揚だという。非力だった沙狐は西西域で妖王となる悲願を叶えるため、初めから厲雪揚の持つ龍脊を奪う計画だったようだ。どうやらこの龍脊と御水珠、そして龍鱗が揃えば、龍族でなくとも真龍の力を得られるらしい。龍鱗って競霆の左手が所持していた気がするが、競霆の霊脈が断たれた後の行方は謎だな。

 

もちろん富貴はこの沙狐国王の画策を見抜いていたが、そもそもこの地へ留まっている目的は御水珠の暴走を阻止するためである。未だ雲飛の体内に収まっている御水珠だが、厲雪揚を犠牲にした父親への怒りで既に暴走が始まろうとしていた。

それを取り出した富貴は、自身の純質陽炎で御水珠を煉化して鎮める大業を果たす。剣脈は断たれたが、東方霊血と純質陽炎を併せ持つ富貴は誰にも負ける気がしないな。それでも膨大な霊力を消費したその身体は長くは持たないくらい弱っている。生き延びるには一体どうしたらいいんだ、、、

結果的に、雲飛と厲雪揚の命は守られ、西西域の平穏を保つ力を得た雲飛の存在で、富貴の尽力は無駄にはなっていないが、本人の命が守られなければ視聴者的にも意味がない。

 

この辺りでやっと清瞳が富貴を捜し当てるが、清瞳にはまだやるべきことが残っているため、今のところは背面で富貴を救う独自の道へと足を進める。

富貴が御水珠を煉化したように、清瞳も黒苦情樹を煉化させるんだろうという個人的なイメージはあるが、まず体内にある種の煉化を成功させねば力は得られない。これも達成していないうちに、清澄がちょろちょろと動き回ってウザさMAXなんだが、、、黒狐が実体を得るには、古麗贄の秘術である万枯陣が必要らしいが、千年の眠りから古麗贄を目覚めさせた清澄にどうしてそんな力があるのか本当に謎だ。富貴のように修練もせず生来の力もない、清瞳に守られてばかりだった男が、恨みだけでそんな力を持てるもんなのか、他者の霊力を吸収したからといっても少なくとも資質はいるんじゃないのかな。

 

先走って宣戦布告の如く富貴の前に現れた清澄から、清瞳の危機を察した富貴は、一気盟の封印を解いてやっとその行方を捜し始めるようだが、富貴や随行する雲飛の安否が不安でしかない。今が絶頂の雲飛を思うと特に。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第26話~第27話。

清澄が益々黒くなってきた、、、執着がやべぇ。

 

清瞳を追った富貴はすぐに居場所を見つけるが、正体を隠す清瞳を尊重し、自ら口を開くまで静かに待ち続ける。なんですかこの素敵な男は、、、(何度も言う。)

行き場を失わせるための清澄の計画は、富貴に言わせれば子供だましのようなもので、その全てを見抜いているが、やはり清瞳が察するまでその考えを押し付けたりはしない。

互いが互いを思いやり、なかなか本当の再会とならないのが若干もどかしいものの、ほどなく全てが清澄の仕業だったということに清瞳も気付く。

その間、足止め係の雲飛が清澄の動きを封じていたが、純粋で騙されやすそうに見えて実はただの天然ではない。封印を解くと見せかけて汗拭いてあげてんのには吹いた笑

富貴の指導を受け、プロポーズ大作戦での妖退治で更に腕に磨きをかけたのか、めちゃくちゃ強くなっている。ただ自分の脳内では全くこの先の不安は拭えていない、、、このまま無事に厲雪揚の元へ戻って欲しいところだが。

 

一方、清澄が目覚めさせた古麗贄は、着々と黒狐の計画へと巻き込まれて万枯陣の封印を解く方向へ進み始める。この封印を解くには、龍族、妖族、人族、三つの力が必要だというから、龍微雲が狙われるのは必至である。この異変に気付いた如沐は、再び囚われて夢境へと封じ込まれた龍微雲を救いに現れる。龍族がゆえにロックオンされ、意識をどっかへ飛ばされる状況ばかりでほんと不憫だよ。

しかもその夢境では、自身の背負った運命に翻弄され、望んでも手の届かなかった想いにあふれていたことが、さらに不憫に思えた。

そして今回も如沐に救われて現実に引き戻されたわけだが、手放せないのは自分だと気付いたこの後は、どこへ向かうのだろうか。前作もその前も、報われるような最後は番外編くらいだったからなぁ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第28話~第31話。

夢境から龍微雲を取り戻したものの、古麗贄が万枯陣の封印を解くことは避けられず、龍族、妖族、人族の力が一つとなる舞台へと計画通りに引き寄せられる。

その間、清澄は富貴を別次元へと封じて動きを止め、如沐もまた古麗贄との対峙で動きを阻まれる。

清瞳は、前々から清澄を闇から引っ張り上げることに力を注いでいたが、既に嫉妬と恨みが黒狐の闇の力によって極みまでに達した清澄を救うことは出来ず、苦情樹の力によって滅される最後となる。清瞳があの種の力を使いこなしていたということは、おそらく煉化を成し遂げたんだろうが、どの段階でなのかはイマイチ分からなかった。

個人的には、特に感情移入する間もなく闇堕ちした清澄の存在は、ひたすら気持ち悪さしかなくやっと逝ってくれたかと安堵したんだが、王弘毅はこの手のキモい芝居が上手い。なんというかこのドラマ内で清澄だけが劇画調だったわ笑

 

封じられた富貴は、みすみす雪境へ捕まったように見えたが、脱出する術がありながら留まっていたのは、古麗贄と黒狐の計画を聞き出すためだったんだろう。聞き出したすぐ後に雪境から脱出し、封印の解かれた万枯陣へ抗った富貴は、犠牲となりかけた3人を物凄い力で救出する。その富貴との剣脈での繋がりなのか長年の絆がそうさせたのか、如沐もその力と連動して古麗贄を叩き斬って塵とさせる。

こうして黒狐が実体を得る機会を潰し、古麗贄を利用した万枯陣を機能不全とさせたのだが、ケケケ、まだ次の手があるんだよ、などと言う黒狐のしぶとさが相変わらずダルい。

 

目前に脅威は迫っているものの、一段落の後は、富貴は清瞳と共に千机城で妖を保護し、かつての桃花塢のような人妖が共存出来る居場所を築きつつある。

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龍微雲や如沐、厲夫婦も今のところは想いを確かめ合って、至福の時を過ごしているが、このまま悲劇など起きずに終わって欲しいと強く思う笑

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一方の王権山庄では既に弘業の命が危うい。

月初へ一気盟盟主の座を委ね、これまで富貴へ強制してきた全てに後悔しながら死へと向かっている。互いが互いへ恨みを抱えているという思い違いですれ違ってきた二人は、富貴の帰還でその誤解と真意は伝えることが出来た。

まず、あの頃より老いた弘業と去濁の語らいに思いを巡らせながら、弘業の病状の知らせを受け、おそらく早足で戻った富貴の変わらぬ父親への愛に歓喜し、後ろから上着を掛ける姿では既に極まっていたのに、前作を思い返させるお面の登場で追い打ちをかけられてもうぼろ泣きである。

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シリーズ中、全てにおいて不憫だった弘業が、やっと息子へ真意を伝えられて本当に良かったよ、、、富貴の持つ得体の知れぬ抱擁力は淮竹と同じものを感じるが、ほどなく淮竹の元へ向かう弘業のこの先は、安堵と憂い両方の思いで複雑な心境となる。

 

月紅篇ではこの後、月初の虚空の涙で黒狐を滅する流れとなり、その後「抱抱我」と言い残して塵となったよね、ただし月紅篇では最終話が一番いみふだったのだけは覚えている笑

時間軸は富貴のこれからと被っていて、同じ標的を滅することになるはずだけど、月初の滅した黒狐と富貴がこれから倒す黒狐が同一なのか否か謎だわ。

 

しぶといイケオジが、黒狐の実体を得るための万枯陣を僅かな欠片で再構築するようだが、一体この男はいつの間に牢から脱出したのだ、いきなり外界へ戻っていた気がするけど笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第32話。

この回で、この世に残された弘業が苦しみ続けた日々は終焉を迎える。生きていて欲しかった反面、やっと己の求め続けた剣心が富貴となって戻り、後悔や苦しみから解放されたかと思えば安堵もあった。王権篇を観始めた頃は、よもや弘業を見送ることになるとは思ってもいなかったが、後悔し続けた息子への教示は、富貴の姿を見れば間違いではなかったことが分かる。死にゆく前にそれを見届け、背負い続けた仲間の魂も全て救われたような気がしたな、、、

竹業篇の未来で、たった一人残された去濁には胸を抉られる思いをさせられたが、この時間軸での去濁がそう気を落とさないで済むことを願う。

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それに比べて競霆、、、オマエはどうしたというのだ。

この後に及んで息子を人質にするような人間と如沐が本当に血縁なのかと疑うレベルである。

残り4話。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第33話~第36話(最終話)。

この世全てを安寧へ導くため、根源である黒狐との対峙に向かう富貴に、ただ王権家の家主の座を欲する程度のちっぽけな野望しか持たぬ競霆などは、到底足元にも及ばずすぐに滅されることになる。

しかしこのちっぽけな野望のために、如沐は命を落とし、龍微雲もまた、その如沐と寄り添うようにキラキラの雪となって散ってしまった。現世で寄り添った時間はわずかでも、黄泉で永遠に寄り添っていけると思うことでここは自分を慰めた。

 

弘業の残した研究記録で、黒狐を滅するための四つのアイテム、王権剣、純質陽炎、御水珠、苦情樹種が必要だと知った時から、富貴は自分がその役目を担うことは覚悟していたんだろう、そのためにこの世に生を与えられたとすら思っていたかもしれない。

これを誰も犠牲にせず一人でやり遂げるために、闇に屈したと黒狐や周りの者に思わせ、雲飛からは御水珠を、清瞳からは苦情樹種を取り出して、たった一人で黒狐と対峙するのである。

 

この計画を始めた時から黒化していった富貴だが、これは欺くための芝居だとずっと信じていた。そう視聴者にも思わせる揺らがぬ信念が、富貴の役柄にはドラマを通して透けて見えていた。同じように、他は欺けても清瞳だけは分かっていたために、煉化を果たした苦情樹種を捧げて散っていったのである。

この二人には肉体の繋がりはなくとも、それを超える尊くて深い愛があった。

 

かつて誰も成し得なかった黒狐との対決に弘業率いる面具団が挑戦し、その先人の思いを受け継いだ富貴の命と共に、長く続いたこの戦いは終焉を迎える。浄化された恨みは光となって大地へ降り注ぎ、その全てに富貴が宿り続けるという美しい最後は、愛が憎を超えた瞬間だった。前作最後の皆のカットイン反則やん笑

 

富貴が受け継いでこの世に光を注いだ信念は、生き続けていく雲飛や厲雪揚、風庭雲が引き継ぎ、その子から子へと受け継がれていくと思えば希望はあったが、月紅篇のような番外編はないんですか、、、六道から外れても悔いはないと言っていたが、巡り巡って輪廻の道へ戻って来てくれたらいい。

 

月紅篇は独立した話でも、竹業篇からこの王権篇は繋がっているため、前作を観てからの方が断然受け止める心境が違う。

原作を知らないから、月初が虚空の涙で滅した黒狐の存在が、この本編の黒狐なのかは永遠の謎だ、、、それともどちらかが失敗してどちらかがトドメを刺したとか、、、まあいいか笑
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