『华山论剑之东邪西毒(華山論劍之東邪西毒)』
2025年 7月~ 中国 全8話
出演
黄药师(黄藥師)→周一围(周一圍)
欧阳锋(歐陽鋒)→高伟光(高偉光)
冯衡(馮衡)→陈都灵(陳都靈)
耽敏→罗秋韵(羅秋韻)
華山論剣の四部構成中の第二弾。
ネタバレ 第1話~第4話。
華山論剣第二弾は、黄薬師が歐陽鋒や馮衡に出会った経緯が語られる。シリーズ物を見ていないため、歐陽鋒が何者なのかは分からない。
黄薬師が相変わらずイケている、、、
歐陽鋒の過去は複雑でも、自由気ままで大らかな性質を持ち、災難に遭っても何とかなるさという感じがとても良い。それも武術にとんでもなく長けているせいだが、のらりくらりの旅の途中で黄薬師と出会う。
黄薬師は、どこまでも殺生を嫌って争いを起こさぬよう修行に邁進するだけの日々だったが、歐陽鋒はその佇まいの黄薬師を一瞬で気に入ったようである。自分に同行しないかと誘って、勝手に待ち合わせ場所を決める決断力が謎にイカす歐陽鋒だが、塩取引の悪事を巡ってあまり関係ないながらも追われる立場となっている。
同じく塩関連で巻き込まれた馮衡は、父親を殺められ、自分は崖から落とされて瀕死となるが、偶然、黄薬師に助けられて命を取り留める。ここではただ丹薬を与えて放置して去ったため、馮衡は父親を殺めた塩関連の男に拉致られる。
この時、黄薬師が馮衡に使用した丹薬が九轉陰輪丹だったため、九陰真經編で超風に使おうとしていたものはこれか、となる。ということは、馮衡が苦しんでいた毒の作用は、この時に使用した九轉陰輪丹の副作用だったのかな。
この後、難癖で牢に囚われた歐陽鋒の荷物を取り返しに行った黄薬師は、馮衡を拉致していった男のアジトへ乗り込み、それはそれは丁寧に荷物だけを所望するが、扈百里(親玉の息子)は調子こいて黄薬師へと剣を向ける。
新しく買った靴を汚さないよう細心を払っていた黄薬師には笑えるが、調子に乗って向かってくる扈百里のせいで、結局、靴は汚れてしまい若干仕方がないと思いつつ、少しだけ力を発揮する。
この気で思いのほか強く吹き飛ばされた扈百里は、人に向けていた剣が己へ跳ね返ってご臨終となる。この時は、拉致られた馮衡には気付いていない。
後日、歐陽鋒との待ち合わせ場所で静かに佇んでいた黄薬師は、扈百里の遺体を運ぶ手下共と再び出会う。ここでやっと馮衡に再会するわけだが、ここでは関わらずに馬車を見送るだけとなる。
ほどなく飯屋で再び一行と鉢合わせした黄薬師は、饅頭の代金を借りるだけかと思いきや、馮衡との会話をひと時交わす。
自分を救ったのはあなたなのだから、連れて行かないのならここで命を奪って欲しいと願い出た馮衡を、ここでも不憫に思いながら見送るだけだった。
結局、饅頭の代金を払えず狼狽えていたところに歐陽鋒が現れ、代金をささっと出してくれたことで、おそらくものすごい恩を感じた黄薬師は、歐陽鋒の行くところへどこまでも付いて行くとまで言い出してしまう。真面目通り越して生真面目か笑
一方、息子の遺体を迎えた扈千手は、怒り狂って相手の命を奪おうと考えるが、己の命を守ることに必死の手下がぺらぺらと事情を話したために、馮衡は黄薬師を呼び出す囮とされる。
ここにも静かな佇まいで現れた黄薬師は、再三の馮衡の願いも受け入れず、その場を去ろうとするが、別れの言葉によって心に刺さる想いが蘇った黄薬師は、馮衡を救うのか救わないのかという葛藤に陥っていく。歐陽鋒を取るか馮衡を取るかと迫られたからである。
その歐陽鋒は、どっかのお嬢様に付き纏われてその私情で振り回されるが、この手下の中にも塩関連で歐陽鋒を追う輩が紛れており、塩を巡る災難はどこまでも煩わしく付いて回る。
毒を盛られた歐陽鋒の一方で、扈千手に足を掬われそうな純粋すぎる黄薬師だが、何が起こるのか全然分からない。
追記ネタバレ 第5話~第8話。
全ての人間には仁義があると信じた黄薬師は、やはり仇討ちの一環で扈千手に騙され、解毒を盾に悉く利用される。これって結局、柴家と扈家の面子争いにただ巻き込まれただけってことか。
柴煜との関係を見れば、武の達人たちの間には敵であってもある意味、仁義が存在しているが、そこに銭が絡めば途端にそんなものは崩れ去る。
黄薬師と歐陽鋒は、このじじい達の争いとは関係ない所にいたはずだが、とんだ災難に巻き込まれて、その澄んだ心にこの世の汚れた影を落とされ、最終的に出会った頃の初々しさは無となっていた。
耽敏に追いかけ回されていただけの歐陽鋒は、この覇権争いに直に巻き込まれ、言葉通りの泥試合と化していくが、最後には、耽敏の煩わしさも同情以上の思いが生まれていたようだ。
序盤の大らかな姿が段々と険しくなっていったのは、長年の仲間を失くし、おそらく負けなしだった人生に、想像もしない達人がいることに気付いたためである。全く歯が立たなかった柴煜の、黄薬師への態度も若干嫉妬のような思いがあったんだろう。
虫も殺せぬ黄薬師は、死にゆく馮衡を見捨てられず利用され、友情との挟間での葛藤を余儀なくされるが、最後まで友に対する仁義は失ってはいない。
最後に、じじい共を一蹴するべらぼうな強さにはドッキドキだが、そこに漂う空気はなんだか終始切なかった。
最後まで解毒をせず、背負われて逃げ去った扈千手はさすが愚帝の権威である尹鑄勝さながらだったが、この毒は、歐陽鋒の知識によって解毒はされたようである。あの馬車に茎を残したのが扈千手だったのだとすれば、どういう意図があったのかな。行間の読めない自分が憎い、、、
この二人の友情が、シリーズ物ではどうなるのか分からないが、歐陽鋒の最後を見ると、耽敏を救いにも現れなかったその兄へ戦いを挑み、女一人も守れなかった自分を悔いて強さを求める日々に邁進していくのかな。
突き放されてもなお黄薬師は、友を追って行く気満々だったが。
結局、黄薬師と歐陽鋒、馮衡や耽敏、この四人はただ醜い争いに巻き込まれただけの、すごく哀しい話だった、、、


