SEという職業 | 株式会社Ariser 社員ブログ

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麻生です。  少しまじめな話をします。
 
私は例年、10名~30名位の学生さんと入社面談をしますが、その際必ず、何故SEになりたいのかを尋ねます。
ほとんどの人が次の2つを答えます。
・人の役に立ちたい
・手に職を付けたい
 
人の役に立ちたい?
何故、世の中に数多ある人の役に立ちそうな職業ではなくSEなの? 就活マニュアルにそう答えろと書いてあるから?という突っ込みはしません。
 
手に職を付けたい
これは本音でしょう。
 
では何故、手に職を付けたいのか?
恐らく、会社がつぶれても再就職がしやすい、あるいは独立起業できる、一生食いっぱぐれない...といったところでしょうか?
終身雇用が崩壊したと言われる現代において、この考え方は、自然なことだと思います。
 
では、このような人生戦略を持つ人にとって、SEという職業(特にSESの世界で生きるSE)を選択することが正解なのかということを現実的に考えたいと思います。
 
SEは職人か技術者かという話が昔からあります。
職人と技術者の違いを掘り下げるのは、今回の趣旨ではないので割愛し、ここでは思い切って以下のように定義します。
職人 - 自らの技術を駆使してあるものを作り上げる人
技術者 - あるものを作るための技術や道具を発想し創る人
 
この定義をSEに当てはめてみます。
=職人としてのSE=
既にある安定稼働したプラットフォームの上で、既に世の中に広く普及しているプログラム言語やミドルウェアを使い、既に確立された開発手法に従って、発注者の要件を満たすシステムを作る人。それを可能とする技術を習得している人。
=技術者としてのSE=
OSや開発言語等の道具の開発、世の中に存在しない新たな概念や技術(インターネット(古い)、仮想化、クラウド等)や新たな開発手法などを開発し世の中に提供する人。
 
これに当てはめた場合、世の中の殆どすべてのSEが「職人としてのSE」に分類されることが実態なわけです。
 
賛否あるかもしれませんが、ここではSEを、料理人や大工さんと同じ職人と定義したうえで、SEの生き方を考えていきます。
 
話を続けます。
 
SEが他の職人と大きく違う点が一つあります。
それは、SEはある一定の年齢をピークとし、それ以後は年を重ねるごとに市場価値が下がっていく傾向にあるということ言う現実です。
理不尽と言っていいほどの年齢差別を受ける職業なのです。
実際、殆どのプロジェクト案件は参画条件に年齢制限が設けられています。
年を食っていたって、きちんと仕事ができるにもかかわらずです。
つまり、熟練した職人という価値観はこの業界に存在しないということなのです。
 
最近、大手の転職サイトに中途採用の募集広告を掲載したところ、20名以上の応募者がありましたが、そのほとんどが40歳代、50歳代でした。中には60歳代の方もいました。
多くのベテランSEが求職せざるを得ない状況になっているという現実を改めて目の当りにしたわけです。
このことが、今回このテーマでブログを書くことのきっかけになりました。
 
何故この業界はこんなことになっているのか?
すし職人や伝統工芸の職工さん、大工さん、医者(広義な解釈で職人)は年をとっても現役バリバリではないか?
大昔、SE30歳定年説というのがあったが、それは既に都市伝説のはずではなかったか?
 
プロジェクトの参画条件に年齢制限を設ける発注者にその理由を尋ねると、必ずと言っていいほど、リーダーが30代だから...とか言う訳です。
 
年上を使うこともできないでリーダーを張れるのか?
専門卒の30歳位の工務店の兄ちゃんが50歳代、60歳代、70歳代の職人を使って住宅工事を完成させることなんて普通じゃないか?
なんでお前ら、それができないの?
個人的には、このように思うわけです。
 
しかし、現状を憂えていても意味がなく、まずは現実を受け入れ、自分が年を重ねても、この世界で強く生きていく戦略を立てるべきだと思うのです。
 
まず、いわゆるベテランと言われる世代に対する、一般的な価値観というものを考えてみます。
・自信に満ちており、能動的である
・豊富な経験、知識を生かし、後進を育ててくれる
・人を纏められる、責任を任せられる、頼りになる

こんなところでしょうか。
 
逆に、ネガティブな見方も当然あります。
・考え方が固定しいて頑固である
・言うこと聞かない、面倒くさい
・新しいことができない(したがらない)
・偉そうで上から目線(これは人によりますね、若くても)
自分はそうではないと思っていても、所詮このように見られるわけです。
 
では何故、年を取ったSEが敬遠されるのかを考えます?
ずばり、パフォーマンスだと思います。

他の職人と違い、経験10年のSEよりも、経験20年、30年のSEのほうが職人として良いパフォーマンスを発揮できることはまずないのです。
この業界に、熟練した職人の技に裏打ちされた素晴らしい作品、という概念はありません。
同じパフォーマンスならば、コストが安くて使いやすい若い人を使いたいのは当然なことです。
 
ベテラン世代に求められる価値「自信に満ちており、能動的である」、「豊富な経験、知識を生かし、後進を育ててくれる」、「人を纏められる、責任を任せられる、頼りになる」このパフォーマンスを発揮できる人は、若い時代とは別の景色が見えていて、年を重ねてもこの業界で強く生きています。
私は、そのような人たちを何人も見てきました。
 
しかし残念ながら、ただの年を取ったSEは、上記したネガティブ面ばかりが目立ち、淘汰されえていく運命にあります。
 
これは私の偉そうな意見などではなく、現実なのです。
 
冒頭で、SEという職業(特にSESの世界で生きるSE)を選択することが正解だったのかと書きました。
その答えは、ベテランになる前をどう生きるかにかかってきます。
ベテラン世代に求められるパフォーマンスを発揮できる準備をしていくべきです。
 
是非、指示待ちではなく自ら進んで仕事をし、失敗し、チャンスがあればリーダーを経験してください。
使い捨ての駒にされないため=生き抜くためです。