【成功している人の自他の評価】世界的経営者・創業者や、発明家など、いわゆる成功している人はどのような思考で自他を捉えているかという研究があります。この表の左下の自己否定をして他者を肯定する人は、大きな劣等感を持ち、相手をうらやむ、あるいは嫉妬するなど、非常に他者依存が強い人生となり、成功する確率が一番低い思考です。一方、自己肯定して他者否定する人は、尊大で大げさな態度をとり、一世風靡をしているときは超上手くいくのですが、一度化けの皮がはがれると一挙に土砂崩れします。いわゆるカリスマ性に依存するタイプです。ヒットラー・ケネディー・リンカーンのように暗殺されたり、ムッソリーニのように処刑されたりすることが多いのです。
あのPF・ドラッカーもカリスマによる支配を非常に強く否定しています。
では自己も他社も肯定する、積極的で楽観的な人はどうかというと、これは両極端で大成功しているか、つまらないただの人で終わっているかのどちらかだそうです。
つまり、ただのいい人になっているか、あるいは徹底的に善行をして非の打ち所がないくらいの善人であれば、他者が絶対に見捨てないので成功する、夢の中でも人のことを悪く思わない、悪口も陰口も言わない、そこまで善人になりきれるか、ということです。
さて、残るは自己も他者も否定する人です。これを虚無主義（ニヒリズム）といいます。
ニヒリズムには二つあり、
①何も信じられない事態に絶望し、疲れきったため、その時々の状況に身を任せ、流れるように生きるという態度（弱さのニヒリズム、消極的・受動的ニヒリズム）
②すべてが無価値・偽り・仮象ということを前向きに考える生き方。つまり、自ら積極的に「仮象」を生み出し、一瞬一瞬を一所懸命生きるという態度（強さのニヒリズム、積極的・能動的ニヒリズム）。
①の虚無主義者は、絶望論者であるために、なにもかもが上手くいかないどころか無行動になるので、成功とは程遠い世界になります。
一方、②の虚無主義者は、一生懸命生きる、という心構えになるために、成功する確率は極めて高くなるものの、そこまで徹底的に虚無主義になれるニーチェのような精神力があるか、という大問題があります。
…ということは、結局どれなのか！？
ということなのですが、じつはある条件下にて、最も成功率が高く、だれでも実践可能なのは、
『自己否定をし、他者肯定をする、大欲主義者（←これが重要‼）』
なのです。
典型的なのが、松下幸之助氏です。
松下幸之助氏は成功した理由を、『無学歴・病弱・貧乏』としているのは有名ですが、これを普通の人は、
『それでも成功できる！とおもった積極主義者、楽観論者』
と、勘違いしています。
松下氏は、
「私の家は貧乏でした。学歴もありませんでした。そして病気がちでした。だからこそ、私は成功できたのです。私の家は貧乏だったから、素直にお金が欲しいと思いました。学歴がなかったから、素直に学歴のある人を尊敬して、頭のいい人に仕事をしてもらいたいと思いました。病気がちだったから、自分が動かないで人を動かすことを覚えました」
ここまでは、よく知る話です。
ここでおわってはいけません。
松下幸之助氏は、
『人生に幸福をもたらし、この世に楽土を建設することができるのである。松下電器の真使命もまたその点にある。そして、この真使命を達成するために、建設時代10年、活動時代10年、社会への貢献時代5年、合わせて25年間を1節とし、これを10節繰り返す、250年計画を提示する。』
社員は、その崇高な使命、遠大な理想に、全員は驚き、感動したそうです。
緊張した会場は、いつしか興奮のるつぼと化し、興奮は頂点に達し、思わず壇上に駆け上がる者が続出したそうです。
つまり、自分の欠点を認め（自己否定）、その上で自分を上回る人、そうでない人すべての他者を肯定し、大欲（密教でいう、世界平和、宇宙平和レベルの大きな欲）の為に行動すると、成功するのです。
ここでポイントは大欲です。
大欲というと、道徳的・倫理的・真面目・誠実などのイメージがありますが、大欲の中には小欲（金が欲しい、名誉が欲しい、地位が欲しい、自分が幸せになりたい、愛人が欲しい、宝石が欲しいなど、私利私欲）も入っているのです。
小欲を得ようとするもの大欲を得ず、大欲を得ようとするもの小欲もえる、ということわざが仏教にあります。
つまり、自己否定して他者肯定しつつ、大欲を望めば成功する可能性はぐっと上がるのです。
ちなみに、小欲だけでやると、どの心構え（図の4つ）でしても、大失敗します。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=pfbid02mDmAQp8ThWMc8YaF3TFFxccZu1KcwpPEaiHRWf9sHngWarvTHSyi5363yN5eA4X7l&id=100001886941835
～～～～～～～～～～～～～
自分の欠点を認め（自己否定）、その上で自分を上回る人、そうでない人すべての他者を肯定し、大欲（密教でいう、世界平和、宇宙平和レベルの大きな欲）の為に行動する
と意識するだけでも、行動が違ってくるかもしれませんね。