The Artists -バレエの輝きー
公式サイトはここ
https://www.theartists.jp/
「7つのソナタ」より
ラトマンスキーって今、振り付けでどの程度有名なんだろうか?
芸術監督としていたということも覚えているだろうか?とかいろいろなことを考えながら、
ラトマンスキーぽい、しぐさ、それもコミカルなの、がきちんと入っているなあ、と思った。
その前にスタートから映像のみですが、うまく、案内役として「小林ひかる」さんが出てきて
そのあとも演目の前にダンサーたちにどんな風に踊りたいのかみたいな質問の答えが放映されていたので
わかりやすかったと思う。
私も
演目を頭に入れておいたけど、順番までわからないと思ったらこの案内の映像ですごく分かりやすいと思いました。
それでこの演目もラトマンスキーという事前に教えられてみることができたんですよ。
「カルーセル」よりPDD
マクミランらしいと思う。次のバランシンで、同じくバランシンらしいと思った時に
うまく個性が分かるような演目で構成されているな、とわかりました。
ですから、振り付けの雰囲気の違いを経験あれ、テーマは「愛」みたいな感じですよ。
マクミランって意外ときつい振付だな、と思ったので、この二人のダンサーはうまいんだと思う。
このマクミランってきつい振付なんだな、という言葉は後半の現役ダンサー、それも20代30代にダンサーたちの振り付けの新作をみていると
雰囲気を作るのはうまいけど、ダンサーにとってきついような動作はそれほど入っていないからでした。
「薔薇の精」
事前にポールドブラに自分なりの解釈を入れるみたいなインタビューが入ったので
その通りに見ていると、その通りに確かに工夫されている、と思ったので
今回の映像での事前紹介はすごく分かりやすいんだと思うのです。
「Who Cares?」
これガーシュインの曲、突然ピアノがここで入るか?とか思って終わってチラシを見たら編曲入っているみたいなので
少し踊りに重視した編曲されていたんでしょうね。
ローマン・メヒアというダンサーは良いと思った。
「葉は色あせて」
これ、私の中で本日のベストだと思った。
というよりも、「葉は色あせて」での近年のベストパーフォーマンスではないかな?と思う。
キャサリン・ハーリンというダンサーは良いオーラ持っているなあ、と思って後半もずっと追っておりました。
「シンデレラ」
初めのうちは、どうなるのか?くらいの感じでしたが、後半金子さんはまとめてきました。
金子さんは後半の新作の時は輝いておりました。
「眠り」
ローズアダージョ。ヌニェスのローズアダージョ。
私の中ではローズアダージョは、バレエのすべての中でもトップを争うくらいに好きなので
まだまだという感じしかしなかった。
もともとガラの中なので、王子たちがスーツ姿でも何ら問題ないのですが、私が観たいローズアダージョはもっと
揺らぎのある中で、体が浮くような感じで踊り続けるようなもので、
今回はそれとは違ったと思った次第。ただ、会場の拍手は一番大きかった。
後半
新作
「Harmony in Motion」
これ前半で踊っているダンサーが振付して
案内映像の中では、ダンサーが見えていて、当てて振付したっぽい感じです。
先ほども書きましたが、キャサリン・ハーリンとかローマン・メヒアを中心にみてしまっておりました。
スタートが
ピアノにみんなが集まっていたので
これすごいことになるかな、と期待したのですが、意外と、あっさりとした展開でした。
ただ次の演目でも言えるんですが、
6人のダンサーを使って3組のカップルを作るということは決まりごとのような感じでシンクロしていて、
それも
大きな視点に立つと、「愛」それも3種類の愛の形、
違う視点版で次の新作(Joie de Vivre)があるような気がしました。
なんというか
結局うまくまとまるのね、それでOKなんだよね。
逆に今のダンサーの本音さえ見えた気がします。誰もが予定調和的恋愛を望んでいるのかな?
と逆に世代の違うダンサーたちにその世代の考えを教えてもらった気がします。
「Joie de Vivre」
ここでは金子さんもヌニェスもよかったんですよね。不思議なくらいにすごくマッチしていたし、気分が乗っていた気もした。
この時すごく「はっと」したことがあったんですが
時代は今、脱古典になりつつあるのかな?ということでした。
もっというと、
肩の力を抜いて、覚悟を決めないと踊れないようなことではなく
ある程度、自分の気持ちに沿うような踊りが良いんだろうな?と思うことは本日多々ありました。
この新作2本は男性ダンサーは
メンバーが良いので、極限まで使ってあげればよかったのに、と思った。
せっかくの新作でダンサーが分かっているのならそういう楽しませ方もあるよね?という私の注文も付けておきましょう。
追加:会場を出るときに
スポンサーの伊藤園のお茶いただけました。ありがとうございました。今更お礼です。
横浜バレエフェスティバル AT 県民ホール
公式サイトはここ
https://shiver.jp/yokohamaballetfes2023/
なんというか、貫禄さえ出てきたフェスティバルになってきた感があります。
初めの数回は連続で見ておりましたが
自分自身「コロナ」で劇場から足が離れてしまい、本当に久しぶりです。
もう本当に、今回は、どんな驚きを感じられるのだろうか?
私はバレエから離れてしまうのだろうか?という
不思議な感覚を持ちながら、劇場に向かったのです。
絶対に、メンバーは良い、いいに決まっているのだが、
それを本当に自分の今後の試金石の公演のつもりで出かけました。
その結果は、大成功。
本当に素晴らしい踊りが続きました。確かに少し発表会的なところがあり、お行儀の悪い観客もいましたが、
昔の私でしたら、切れてましたが、今回は踊りの良さが圧倒しました。
そのくらいに体が震えました。
まず
第一部 フレッシャーズガラ。
まあこのフェスティバルに出るために勝ち残ったダンサーたちです。
結果的になんですが、女の子の踊りばかり見ているな、と途中で気が付きました。確かに
女このレベルは段違いに上がっているのですが、男性ダンサーの迫力でバレエにはまった私からすると(ジョルジュ・ドン、
ミハイル・バリシニコフ)なにか「あれっ」というものを感じたものです。
確かに世間体は、よくないかもしれない。ダンスやっていると後ろ指さされるかもしれないですが、やはり
男の子にダンスをやっていてもらいたい、と切に願う今日この頃です。
オープニングが、本日のメインで踊る、一シーンを走馬灯のように照らす感じで、すごくきれいな入り方をしました。
これはたまらなかった。素晴らしい。
そして「間」がない演出のために
怒涛の如く進んでいく。これも地味なようで素晴らしい演出だと思いました。
「グラズノススウィート」
グラズノスの曲に振付をつけたものだと思ってましたが、全曲追えなかった。ただ振付は
きれいな古典のバレエの一シーンともいえるし、バランシン的な感じもしたし、それが遠藤さんの振り付けなんだな、と思った次第。
ダンサーは一人目立つ人がいましたが、ベテランが一人入っていましたね。これも後から知った情報です。
ここで感じたのは、若いと、踊ることに精いっぱいで、たぶんこんな感情を思いながらと言われていたのだろう、しぐさが入っているけど、
音楽に乗れていない、自分のぺーしではない踊りは仕方ないかな、ということでした。
ただ先は開けている子たちだなあ、と思う。
「海賊」
この辺りは、今回のフェスティバルの進行が頭に入っていなくて不意を打たれた感じ。
あまり記憶にない
「眠れる森の美女」ここまでっと何が違うのと言われると、ソロをもらえているんだなあ、という感じ。
でも
このフェスティバルの初期に通ってましたが、そのころよりも数段にうまい子が集まっている。
「くるみ割り」
もともと金平糖だから、無難な路線で、新人だから、普通に流してしまった。
「白鳥」
このダンサーは少し、目立つところがあったと思う。黒鳥やらせてもらっている点でも、何か光るところがあった。
これは確か。
「エスメラルダ」
エスメラルダは良いですよね。その個人的な趣味でもこのダンサーの踊りは良かったと思う。エスメラルダってタンバリンが難しいところがあるけど、
きちりと合わせてきました。きれいでした。
「アルチュール・ランボーの永遠より」
見ているときはすごく書きたい感想があったけど、想像以上にきれいな終わり方をしたな、「グラズノススウィート」と対極にあるもので第一部締めたな、という感想しか今は思い出せません
2部
「タリスマン」
もうここから、別格という感じで、すごくきれいでした。
実はこのダンサーたち知らなかったのですが、本当にきれいにまとめておりましたし、
実はここまで男性ダンサーが出ていないので、すごく、先ほども書いた胸のつかえが降りた気がしました。もう解放された感充満。
踊りは最高です。
「Jinen」
まあ、なんとでも書けるなあ、と思いながら、
一人精神の彷徨を踊りにすると(そういうコメントないですが、そう思ってみていただけで、、、汗)こんな振付になるよな、というのが実感。
「ジゼル」
これは私個人的には目玉でした。
すごく久しぶりに見る小野さんは、まだ劣化していないな、と思うし、これからどう変わって円熟味を増していくのだろう、という視点でばかり見ておりました。
しかしそう思うことも、以前からの踊りと変わらない輝きがあったからで、福岡さんがパートナーなので、この演目が無難だろうな、と思う次第。
3部
「ライモンダ」
振付がタマラロホ、というとロイヤル時代を思い出してしまいますね。
この二人もうまかった。というか、ガラって
昔の、NBS系の 何とかの仲間たち、とか世界バレエフェス、くらいですと、手抜きの踊りってあるわけで、
それが今回は日本人の気質なのか、全くないという感想を持つにいたりました。
こんなに日本人ってバレエうまかったっけ?とさえ感じました。これ、今回のフェスティバル、ずっと感じていたことです。
「マイヨーの踊り」
題名書いても、こちらの方がピンとくるんで。
私はモンテカルロバレエ団、好きなんで、ひいき目に見てしまいますが、ひとりで孤高の踊りを見せてくれる、現役の
モンテカルロバレエ団の一員であるミモザさん、というだけで
もうすでに感想です。バンドネオンとパーカッション良かった。テープですけど。
「No man‘s Land」
リアム・スカーレットということで、いろいろな意味があると思われるかもしれませんが
すごく良かったです。コジョカルたちも選んだんですよね。彼の作品。
想像以上に嫌われていないのではないかな、と思うし、よくぞ、日本初演で選んでくれたと思います。ブラボー。
個人的には最後、女性ダンサー、ひとりだけ、残されるという意味が、それも「トン」という感じで残される、のが「うん?」
と思うけど。。。。
「リーズの結婚」
今年ハンブルグでの凱旋来日だけあって、対極の演目をわざと選んだ感満載。
しかし、
グランパのソロのところで二山君面目躍如という感じでしたが菅井円加、おいしいところすべて持って行った感あり。しかし
さすがという感じ。きれいに終わりました。
「リーズの結婚のGPDD」でフェスの演目締めるところは憎いですよ。そしてそれにこたえるダンサー。
身ごたえ十分です。
フィナーレも、てんこ盛りで各ダンサーが
自分の踊りを広げながらも
どんどん今回のダンスチームになっていく様、最高でした。
すごく余韻の残る、グランドフィナーレ。でした。よかったなあ。
という感想。
「バナナの花は食べられる」範宙遊泳 AT KAAT
公式サイトはここ
https://www.kaat.jp/d/banana
KAATの中スタジオっていろいろなことができる空間なので
楽しみでした。実際にこじんまりしていて、見やすい空間でした。
まずは感想。
まじめに取り組んでいるなあ、ということ。そして帰り道に考えたことは
もしかして若い人たちって、まじめに取り組んでいる人は今結果を出せて、その反面
結果をさせない人にばかり目が行っているのかもしれない、ということでした。
そして、私たち、年寄組は、自分の時代のことばかりノスタルジー的に語ってばかりで
実は自分の成長をしなかったのではないかなあ、という反省でした。これは芝居の内容と関係ないのですが、
このまじめに取り組んでいないというか落ちこぼれた30代がメインの話です。
はっきり「30以上、30歳オーバー」というくくりにすごく違和感を覚えたのですが
本人たちの叫びだと考えました。
個人的には50歳とか60歳に大きな節目の世代がいるような感じがするのですが、
体感的には30歳半ばにかかるときに、落ちこぼれ感が半端なく大きくなるのかな?と思いました。
あとはトリックスターを男に一人作ると、その男を中心に出てくる女がすべて空回りする。
それでセリフ的に
今更、そんなことうぃう?というセリフを主人公の死の後言わせるのですが
いやーだから、トリックスターなんだよなあ、と思ったものです。
そのトリックスターが
人の死を読むことができ、その死の期限に向けて
出来事が起きて、
最終的に、SNSとかその出現以前には出会うことがなかった人たちの出会い、と
そのことで物語の基本的な動きのパワーが生まれているのですが、家族の話に落ち着く、ということも
すごくしっくりとくる内容でした。ですから、実は
簡単な話であり、基本的な話の構造はまったく今までと変わらないと言い切ることはできると思います。
ただ、30代のリアル、という感じでは
すごく興味がわいた舞台でした。
主役の人の目、まじめなカーテンコールでの態度には感心させられました。
SNSの出会い系ってさくら
ばかりなんですかねえ?それだけは分からなかった。そういう主張も含まれていると思いますが、
そこは、そうなんだなあ、と思うだけでした。