家が完成するまでの適正な期間って?⑦ | 建築家との家創りって?

家が完成するまでの適正な期間って?⑦

昨日は、設計の中でも大事なプロセスの一部で
各部位の仕様を決めていくことについて
いろいろお話しました。

家を構成する部位って、すごくたくさんあります。
その各部位をカタチづくる素材のもいろいろで、
できるだけ、たくさんの選択肢を知った上で、
自分の一番をセレクトできるといい。

ただ。
工務店や設計士によっては、推しの素材等があって
それを前提に話をしたりすることも。。

そんなお話でしたよね。

今日は、この「推し」について、少し補足しておきます。

以前、とある設計士との契約を解除されて、
弊社へいらしたお客様がいます。
その方のお話を少ししようかなと思います。

最初にお願いしていた設計士さん。

とにかく、「木」にこだわりが強かったそうです。

室内外に、天然木をふんだんに採用していて、
とても心地よさそうな家を実現していました。

県産材へのこだわりも強く、地産地消を大事に
されているようでした。

お客様は、そのナチュラルな雰囲気はもちろん、
設計士のこだわりというか考え方にも共感して
設計を依頼しました。

2か月に1度ほど打ち合わせをする流れで、
設計がどんどんと進んでいきます。

最初の概算では、予算内だったのですが。。
詳細設計が完了した見積を出してもらったら、
予算の倍の金額に。

当然ですけど、減額していかないといけません。

そこで。
設計士から、減額案がいくつか出てきました。

設備機器を最低グレードにしても追いつかず、
間取りを考え直してくれたのですが。。

40坪から25坪への縮小案だったのですが、
必要な部屋がなくなったりしていて、
要望は満たされていません。

実は、この時に減額案として出てなかったことは、
骨組から仕上げに使っていた県産材についてでした。

もちろん。考え方には共感していたので、
できれば県産材を使いたいのですが。。

予算を抑えるためには、それも視野に入れたい。
ということで、お客さまから設計士に提案してみたら。。

そこは、家として大事なところだし、
地産地消は、未来に向けて重要なことだということや、
それ以外の素材のネガティブな側面を説明をしてくれて
結局譲れないということになったそうです。

これ。
お客様のこだわりじゃないですよね。

そう。
設計士の推しなんです。

こんなふうに、推しを持つ専門家って、
とてもたくさんいます。

推しを持つことはいいと思うんですけど、
人に推しを押し付けるのはどうかなとは思います。

少し話が逸れましたが。。
その設計士や工務店が、強い推しを持つと、
それしか選択肢がないという話になりがちです。

フラットな視点から、しっかり見極めた方が
よいと思います。

さて。
明日からは別のお話です。