スコットランドのグラスゴー。 拒食症で入院中の少女イヴは、病室で曲づくりをするなどミュージシャンを夢見る日々。 ある日、病院を抜け出した彼女は、ライブハウスで理屈屋のギタリスト、ジェームズと出会う。 そして彼の紹介でギターを学ぶ少女キャシーとも知り合い、すぐに意気投合した3人は、一緒にバンドを組むのだったが

 

 

 

 

 

 

こちらは2014年制作の イギリス映画 イギリス です。 (111分)

 

スコットランド、グラスゴー出身のバンド 「ベル・アンド・セバスチャン」 のフロン

 

トマン、スチュアート・マードック が2009年にリリースした同名ソロアルバムを

 

原作に、自身で監督脚本を務め映画化したポップミュージカル作品です。

 

 

 

 

  グラスゴーの一角にある街。うつと拒食症で入院している少女イヴはピアノに向

 

かい曲を作る日々。 ある夜、病院を抜け出してライブハウスへ行き自分の音楽の理想

 

を求めるジェームズと出会い、彼に音楽を習っていたキャシーを紹介されます。

 

 

 

 

一人ぽっちだけどミュージシャになりたい夢を持つイヴと、自分の音楽にふさわしい

 

メンバーを探していたジェームズ、不思議な感性と鋭い直観力を持つキャシー。 

 

3人は次第に曲を作っては、自分達の曲を演奏するバンドへと想いが膨らんでいきま

 

す。

 

 

 

 

ジェームズは次第にイヴに恋心を抱くようになりますが、イヴは別のバンドマンと付

 

き合いを始めていました。 そんな中、イヴたちが作曲した曲が、どうにか集まって

 

できたバンド 「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」 で演奏する事になります。 徐々に注

 

目を集めるようになるバンド。 

 

 

 

 

ジェームズも納得の音楽が出来上がり演奏活動が上向き始めていくのですが、自信を

 

取り戻したイヴは、自分の将来に向けて新たなチャレンジが思い浮かんでくるのでし

 

た。   音楽を通じて友情と自分を見い出していくイヴとジェームズ達。 そして恋に揺

 

れ動く青春の夏、、。 花火

 

 

 

 

ストーリー自体は、よくある青春の孤独、恋と将来の進路への悩み、といったひと夏

 

の体験が描かれた王道の作品ではありますが、主人公のイヴが拒食症という精神的な

 

疾患を持っているという所に現代性を感じます。 

 

 

 

 

これを演じるエミリー・ブラウニングが見事にはまり役で、愁いをおびた表情ときゃ

 

しゃな体型、少しの事でポキっと折れてしまいそうな不安定な存在感は、正にイヴと

 

いうキャラクターそのものです。

 

 

 

 

そんな危うさから生まれる彼女の音楽によってイヴ自身が癒され、様々な事柄がクリ

 

アーに浄化された事で、新たな指針を見つける事になります。 自分が本当に好きな

 

もの夢中になれるものを信じるという事がいかに大切なのかが伝わってくる作品です

 

 

 

 

そして音楽。 本作ミュージカル作品でありますが、セリフの途中からいきなり歌いだ

 

すというミュージカルとは違い、個々の独立したPVを見るような演出になっていま

 

す。

 

 

 

 

イヴの心象風景であったり、バンドの広報活動や、バンドの演奏と、日常の一コマや

 

時にはゴダールのようなPV映像だったりして、ミュージカル特有の恥ずかしさや違

 

和感を感じさせない作りになっています。 

 

 

 

 

同時にイヴ達の心境が歌で表現されている事で状況や心の移り変わりが上手く省略さ

 

れていて、物語に独特の余韻が生まれています。

 

 

 

 

これらを彩るのが素敵でお洒落な衣装。 あえて6、70年代風のレトロなファッショ

 

ンと小物がとにかく可愛いくて、それを見るだけでも価値のある作品です。 ハイヒール

 

 

 

 

孤独な殻に閉じこめられていたイヴが音楽という出口を見つけ、友情と歌であらたな

 

進路を発見する物語。 

 

 

 

夏、恋、友情を爽やかなポップミュージックに乗って愉しめる作品となっております

 

ので、機会があれば一度ご覧になってみて下さい、です。 目

 

では、また次回ですよ~!  パー

 

 

 

 

 

 

 

「God Help the Girl」 のダイジェストPVです。 お気に召しますでしょうか? 音譜