とある日曜日にデートを計画した雄造と昌子 でも、手持ちのお金はたった35円 お金がないなりになんとか工夫して楽しいデートをと考えるのだが、そんな二人に容赦ない現実が待っていた すっかり惨めな気持ちになって帰路につく二人だったが、、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは1947年制作の 東宝映画 東宝 です(108分)

 

黒澤明 監督作品はかなり観ているのですが、数本はまだ未見作品がありまして、その

 

中の1本が、この 「素晴らしき日曜日」 で、良い機会だと思い今回鑑賞してみました

 

 

 

 

終戦からまだ2年目、という時期に製作された映画で 黒澤明 監督の 6本目の作品と

 

なります ある種、監督の作品の中で一貫している大きな柱の一つに 「ヒューマニズ

 

ム」 がありますが、本作は初期作の中でも、かなり庶民の目線でそれが強調された作

 

品になっています。この作品の後に 「酔いどれ天使」 を撮り、遂に 三船敏郎 という

 

俳優と出会う事によって、ダイナミックな黒澤明 独特の作品を生み出して行く事にな

 

ります その意味でも本作は過渡期の(脚本を、本作では自分で書いていない事も含

 

め) 貴重な映画であるとも言えます。雄造は、背丈も顔も当時の黒澤明に似ています 

 

昌子の普通っぽさも、逆に良い感じです。

 

 

 

 

Movie 映画は非常にシンプルです ある日曜日、恋人同士の 雄造 と 昌子 の1日のデー

 

ト ラブラブ (映画の中では ランデブー というフランス語が使われています) が描かれる

 

だけです。 

 

戦争の傷跡が残る東京 雄造と昌子のカップルは日曜日にデートをしますが、手持金

 

は淋しい 35円 (現在の貨幣価値に換算すると、約3500円) あせる ​​​まぁ、中高生

 

ではそんなもんでしたがね、、、学ラン お金のない事でジメジメしている雄造に対し、

 

昌子は前向きに出来る事をしようと、一緒に住むこともままならなかった住宅展示場

 

を見学したり 二人でも借りられそうなアパートを訪ねるも、残念な物件​​​でした いえ 

 

子供の野球に飛び入りすると、雄造の打ったボールが饅頭屋に飛び込み、損害賠償を

 

払わされる羽目に 次に雄造は戦友が経営するキャバレーを訪ねるが、物乞いと勘違

 

いされ相手にしてもらえない  アヒル系

 

 

 

 

線路沿いでおむすびを食べていると おにぎり 戦争孤児のような少年が 「おむすびを売って

 

くれ」 と、金を出して寄って来ます お札 昌子がタダで分け与えると、礼を言って

 

頬張りはじめます。二人は子供の身の上を心配しますが、「自分の心配でもしなよ」 

 

と言い返されてしまいます。 途中、雨が降り始め、昌子の提案で ギリギリチケット

 

が買える  チケット  日比谷公会堂に「未完成交響楽」を聴きに行くことにします しかし、

 

安い切符はダフ屋が買い占め、抗議した雄造は袋叩きにされてしまいます  チーン 自分

 

の不甲斐なさに落ち込む雄造 行くあてもなくなった雄造は、昌子を自分の下宿に連

 

れて行き、彼女の体を求めます デレデレ 

 

 

 

 

怖れた昌子は部屋を飛び出してしまいますが、やがて観念したように戻ってきて、泣

 

きながらレインコートを脱ぎはじめます 汗 心を打たれた雄造は「ばかだな、いいんだ

 

よ」と、昌子をいたわり詫びます​​​​​​  雨がやみ、再び街に出た2人は喫茶店を開く夢を

 

語り合います そして日比谷野外音楽堂に足を運び、雄造はオーケストラの指揮の真

 

似をして昌子に「未完成交響楽」を聞かせようとしますが、いくらタクトを振っても

 

曲は聞こえません 

 

 

 

 

すると昌子はステージに駆け上がり、客席に向かって (映画を鑑賞しているこちらに

 

です 滝汗 )  叫びます 「皆さん、お願いです!どうか拍手をしてやって下さいビックリマーク」 こ

 

の言葉に励まされた雄造が再びタクトを振ると アストレアタクト 「未完成交響楽」 が高らかに鳴り

 

響くのでありました  音譜  そして昌子を送りに駅へ、昌子は「じゃあ、また今度の日曜

 

日に」 と言い電車で帰って行きます 京阪6000系中間車京阪6000系中間車京阪6000系先頭車 残った雄造は、足元に落ちている火の

 

ついたタバコを見つけます  タバコ  今までなら拾っている雄造でしたが、今日はそれを

 

踏み消し、ホームから月を眺める雄造でありました 月

 

 

 

 

雄造は復員してきた身で、敗戦のショックもあって常に 自分はダメだと後ろ向きの言

 

葉ばかり口にしては自らを責めています もやもや それとは反対に昌子は現在を受け入

 

れ、常に前を向いた言葉をかけます グッ その昌子の前向きな気持ちに心を打たれ、

 

雄造もやっと前向きで明日へと意識を向けるようになるのです これはそのまま監督

 

のメッセージであり、敗戦からの、特に若い世代に向けた 応援と、明日を信じる事の

 

大事さを訴えた映画であります 当時監督は37歳 、まだ青さの残る素直な意志表示

 

だったのではないでしょうか はてなマーク


 

 

 

後半の 日比谷野外音楽堂 のシーン等の映像表現は、流石のセンスを垣間見せてくれ

 

ます。 風の音、枯れ葉の動き、そして様々な音楽と、斬新な演出が既に確立されて

 

おります 当時そのままの風景は見物です ただ、根底にある 貧しさ はさほど今と変

 

化ないのでは?とも思ってしまう私でありました 70年以上前の映画ですが、現在

 

でも共感出来る部分が多々ある作品ですので、機会があればご覧になってみて下さい

 

ませです

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

予告が見当たらなかったので、こちらの動画をご覧になって下さい  

 

 

 

こちらはいつもの私バージョンです ご覧になった事がある作品ございますでしょうか はてなマーク