★ 構造や居住性能を犠牲にすることなく優れた
デザインの家となることをお約束します。
建築家に家造りを依頼される方の多くは、デザインを重視する方が多いようです。
丈夫で長持ちという構造的な機能、便利で快適な熱環境などの居住機能を満足
させても私たちの仕事は終わりません。
あくまでも、カッコイイ住宅でなければならないのです。
それはお客様の要望でもありますが、仮にお客様がそれを求めない場合でも、
私たちは建築教育の場で、カッコ良くすることを追い求めるべく
シツケられています。
-なので、間違っても「デザイン優先」でお願いします…などと言ってはいけません。
家本来の機能を犠牲にしても、カッコ良い家を追い求めてしまう建築家もいます。
カッコ良い住宅というのは、構造エンジニアや設備エンジニアがどんなに
頑張っても、彼らが、その職能に専念するかぎり、全くカッコ良くなりません。
カッコ良さとは意図して出来上がるもので、あるがまま為すがままの自然体設計
では無理なのです。
大きな建物の場合、設計者は意匠・構造・設備に職能分化されます。
そして、意匠が空間をプロデュ-スしていくので、俗に建築家と称する
ことになります。
大きくはデザイナ-とエンジニアに分化します。
意匠はプランやデザインを考え、いかに機能的でカッコ良い建物になるか
検討しています。そして、構造・設備はその空間を技術的に支えます。
意匠は、構造との打合せでできるだけ柱や梁を無くそうとしたり
断面を小さくしようと働きかけることが多いです。意匠の目的は
機能的で、ビジュアル的にカッコ良くすることです。
もちろん、構造はそれに抵抗します。
地震が起きたらどうすんやと心配する必要はありません。
意匠担当は構造がどうなっても良いと思っているわけではありません。
各分野のエキスパ-トが責任を持って設計に当っているわけです。
意匠担当には構造的責任はもちろんありません。
機能性と快適性とデザイン性と全体の調整統括責任を負っています。
しかし、住宅のように小規模な建物の場合、特殊なものを除いて
意匠が全ての役割を担うことになります。
意匠・構造・設備の全ての設計責任を負うわけです。
その場合、設計者にはデザイナ-とエンジニアの2つの人格が混在します。
そして、二重人格のように常に葛藤し続けているのです。
ARC-「3391くん、この柱、無くしたらアカンか?ジャマなんやけど…」
3391-「えっここの柱はアカンよ。」
ARC-「じゃっ細くしてよ。柱はあきらめるから、この壁なくしてイイ?」
3391-「アカンってARC、壁は法規で必要なの!」
ARC-「じゃぁさぁ・・・少し移動させても良いかな?ここなら柱立ててもいいけど。」
3391-「ウ-ン…多少断面が大きくなってもいいか?」
という具合に心の中で打ち合わせしているわけです。
もし、ARCくんだけで3391くんがいない人が家造りの担い手になれば、
欠陥住宅となる可能性は極めて高くなるでしょう。
一流の有名な建築家と言われている人にも、ARCくんしかいない人が
いるので気をつけてくださいね。