★ 資金計画など、住む人(建築主)の気持ちになった家づくりを進めます。
これってアタリマエのことなんですけど・・・。
他人様の家を自分の作品と称する私たち建築家への戒めの言葉です。
家は美術館でもア-トギャラリ-でもありません。
もちろん、美術収集家の家ならば、そういう家造りもあるのでしょうが、
家は、まず住まう人の『生活の場』であり、日常の快適な暮らしを支える器で
あらねばなりません。
家を構成する各要素は「予算内」にという絶対的規律によって制御されます。
建築主の夢も、限られた予算の範囲でできることとできないことに
振り分けられていきます。そして常にヒエラルキカルな決定が求められます。
最高の家も、予算の範囲内での最高の家ということです。
それ以上の最高を求めるなら予算の増額ということになります。
夢と現実の狭間でいつも悩むところです。
住む人(建築主)の気持ちになって・・・とは、自分が建築主の立場で設計する
ということに他なりません。
それは、建築主であることを経験していない建築家にはわからない気持ちです。
夢と現実の葛藤を経験した者にしか実感できないというか…設計者に
建築主としての経験がないと、家造りの視点も自ずと変ってくるようです。
建築主のお金だからという感覚でなく、自分のお金で家を建てるという
感覚ならば、予算内で絶対に快適でデザインもカッコよく長持ちする
家にしようと思いますよね。
プロなのだから、建築主の気持ちにならなくともそういう家造りをすべきだ
と言われるとご指摘の通りなのですが・・・
自邸を建ててみて初めて判ることなのです。
補足します。
『予算とは、建築主の一方的な現実離れした希望金額ではありません。
建築家との話し合いの中で、コンセンサスを得た目標金額です。』