物語は主人公中原涼子(尾野真千子)が,教諭として母校に赴任してきて,校長に当時の出来事を昔語りとして話す形で始まる。



 1990年のクリスマスの朝,中学2年の涼子が同級生の野田健一(前田航輝)とウサギの世話のために学校に行ったところ,雪に埋まった同級生柏木卓也(望月歩)の死体を発見する。



 警察によって卓也の死は自殺と断定されるが,学校と涼子の家に卓也は大出俊次(清水尋也)たちに屋上から突き落とされて殺されたという告発状が届く。
 涼子の父剛(佐々木蔵之介)は刑事であり,それを知った者が涼子の家を投函先に選んだと考えられた。




 大出はバブルで儲けた父親の威光を笠に着て,万引きや恐喝などやりたい放題の不良であり,卓也ともトラブルがあった。
 この告発状がマスコミにもれたことから,センセーショナルな報道がなされ,大出は世間から犯人扱いされる。

 しかし警察には,この告発状は大出に酷いいじめを受けていた三宅樹理(石井杏奈)が友人の浅井松子(富田望生)とともに投函したことが判明しており,内容が不合理であることから,いじめの報復として出されたものだと判断された。
 報道に踊らされていた保護者たちも説明会で,警察の佐々木礼子(田畑智子)から目撃状況が不自然であることなどの説明を受けて納得をし,マスコミもむしろ虚偽の告発状の送り主の方に興味を持つようになった。

 その過程で,告発状を握りつぶしたと非難された担任の森内恵美子(黒木華)は精神を病んで学校を辞め,両親から告発状が意味が無かったことを聞いて樹理のもとに伝えに走った松子は交通事故に遭って亡くなる。




 また大出の家は火事になり,大出の祖母が亡くなる。

 一方,涼子は卓也から,いじめられている樹理を見捨てた偽善者として非難されていたことや,仲の良いはずの樹理が松子にいじめに近いようなことをしていたこと,卓也の小学校時代の同級生という神原和彦(板垣瑞生)が現れ,大出が卓也を殺したはずがないと主張するなど,混沌とした状況になる。

 その中で,涼子は校内裁判を開くことを考えつく。
 北尾教諭(松重豊)がそれを支持し,反対する高木学年主任(安藤玉恵)と楠山教諭(木下ほうか)が感情的になりすぎ周囲の反感を買ったことから,あり得ないと思われた裁判が開かれることになる。




 しかし,樹理は松子の死のショックから失語症になっており,被告人として考えられるのは大出だけである。
 彼に出廷の決心をさせるために弁護人を買って出た神原は,自らが殺人者の息子であることを告白する。


 この映画を観ようと思った理由は,黒木華が出ているということと,まだ前編だけなのに評判が良いということ,そしてマニアックなポイントとして岩田華怜が出ているということである。

 内容はさすがに宮部みゆき原作であり,こういう事かと思わせてすぐにそれを揺るがすような場面が入り,常に心がザワザワする。

 黒木華が,まともに見えて心を病んでいるところも怖いし,でも意外に彼女の妄想が当たってるのかも,とか,いろいろ面白い。
 また,まるでホラー映画のような市川実和子が怖い。蛇女かよ。

 前編と後編に分かれた作品は,前編の終わり方が難しいところだが,ここでも,まさにサスペンスと言うべき素晴らしい工夫がなされている。




 そしてAKB 48の岩田華怜である。
 彼女自身の説明によると,この映画は,長期間にわたって中高生のオーディションを繰り返しながら撮影されており,岩田華怜は,主役に応募して,最終選考まで残っていたのである。
 実際には,主演は藤野涼子になったわけだが,岩田華怜は選ばれなかったとはいえ,主役の最終選考まで残ったので,助演でもそこそこの役が付くかと期待していたら,それは既にみんな役者が決まっていて,すごい端役しか回って来なかったというのが,面白い。
 ちなみに岩田華怜は左端の女生徒。




 実際の彼女の役は,松子の死を涼子に伝える同級生であり,それなりに目立ってはいたが,さすがに端役である。

 そういうことを意識して観ていたので主役を岩田華怜に置き換えて想像もしてみたが,彼女は,地声がかなり低いのでちょっとイメージが違う気がした。
 岩田華怜は,母親が地元放送局の女子アナ,大叔父が原田大二郎という芸能関係にゆかりのある家庭に育ち,舞台経験もかなりあって,演技は上手いんだけど。

 またしばらく見かけなくなっていた前田前田のアニキの方,前田航輝が出ていて,受験でも終わって活動再開かと思った(そういえば最近は弟の方を見なくなった気がする)。
 NMBの木下百花とNHKでやった震災関連のドラマでも,前田航輝と石井杏奈の共演があったが,偶然なのかプロダクション関係なのか。