とかく噂の絶えない「内閣官房機密費」の使途 | 永田町異聞

とかく噂の絶えない「内閣官房機密費」の使途

野党対策や飲み食い、外遊する議員への餞別、はては女性問題の尻拭いにまで使われたなど、とかく噂が絶えない「内閣官房報償費」。


「報奨」ならともかく、「報償」というと、弁償とか仕返しの意味があって、何のことか分からないから、一般的には「官房機密費」のほうが通りがいい。


要するに、官房長官が内密に使える便利なおカネのことだ。


自民党が衆院選で敗北し、政権交代が決まった2日後に麻生内閣の河村官房長官が通常の2.5倍、2億5000万円を引き出したというので、「駆け込み支出」だと物議をかもしている。


ふつうはいったん、官邸の金庫に納め、必要に応じて使っていくのだが、新政権の平野官房長官が就任したとき、官邸の金庫には一銭もなかったという。


2億5000万円を短期間で何の支払いに充てたのか。時期が時期だけに「選挙費用の支払いに流用したのではないか」などと憶測を呼ぶのも当然だが、河村氏は「使途は非開示だ」とにべもない。


機密費は、カネを誰に、何のために使ったかを明らかにする必要がなく、会計検査院も「官房長官が高度な政治判断でお使いになるので」と、ノータッチを決め込んでいる。早い話、私的流用しても分からないわけだ。


こういう話のたびに、心おだやかでいられない政治家といえば、さしずめ自民党の中川秀直氏だろうか。


官房長官時代の2000年10月、順調に見えた中川の政治家人生を狂わす大スキャンダルが発覚した。


愛人と寝室にいる写真を写真週刊誌に掲載され、覚せい剤容疑のかかる愛人に捜査情報を漏らした録音テープがテレビで流された。


国会で追及され、責任を取って官房長官を辞任した中川は「事実無根」として、週刊誌側に慰謝料を求める裁判を起こしたが、これがかえって裏目に出た。


2000年の7月と8月に中川が官房長官の権限で、官房機密費から2億2000万円を引き出していたことが分かり、内閣官房が広島地裁の求めに応じて、その証拠文書を提出していたのである。


その事実がマスコミで報道された直後の2004年2月10日、衆議院予算委員会で、民主党の木下厚はその資金の使途を追及した。


木下はさすがに「女性問題の尻拭い」とまでは言わなかったが、そうした私的流用を疑っていたことは間違いない。


このとき、答弁したのが当時の福田康夫官房長官と、杉浦会計検査院長。いずれも逃げの一手で、その後、中川氏自身もいっさい説明していないため、真相はいまだ藪の中である。


一昨日、平野官房長官が発表した官房機密費の支出記録によると、自公政権は毎年12億円前後を国庫から引き出していた。


今年度は14億6000万円ほどの官房機密費予算を計上、うち8億5000万円を麻生政権が引き出し、鳩山政権は9月と10月の2回にわたり、6000万円ずつを請求している。


外務省機密費は、在外公館の情報収集や要人接待の名目で、内閣官房より多い30億円ていどのワクが設けられているが、このなかから内閣官房へ上納する仕組みがあるのはよく知られている。


2000年4月、森喜朗が大統領就任直前のプーチンと会うさい、鈴木宗男が官房機密費から支出された1億円を用意して同行したことも有名な話だ。


そのほか、首をひねる使途のいくつかを下記にあげてみる。


かつて宇野内閣で官房長官をつとめた塩川正十郎氏。「現ナマでやるか一席を設けて、機密費を野党対策に使っている」(テレビでの発言)。


村山内閣の官房長官、野坂浩賢氏。「最も多い使い道はせんべつだ。与野党問わず国会議員が海外視察に出かけるときに渡した」(新聞のインタビュー記事)


加藤鉱一が官房長官時代、地元の芋煮会の会費に機密費を使ったという、せこい話も伝わっている。


民主党は野党時代、機密費公表法案を国会に提出した経緯がある。支払記録を保存し、機密性の高いものは25年後、それ以外は10年後に公表するという内容だ。


こういう法律ができると、私的流用を防止することができる一方、国家のインテリジェンスにかかわる支出を制約する面もある。


国益に寄与する機密情報の収集に実際、どれだけこの資金が使われてきたかは不明だが、与党になった立場からは、機密費をできるだけ温存しておきたいというのがホンネだろう。


ただし、かつての自民党政権のように機密費を使いまくって平然としていられる時代ではない。


平成13年02月09日の衆院予算委員会で、共産党の志位和夫は、内閣官房と外務省だけで機密費が72億円にのぼり、その予算の使いきり率が100%に近いと指摘、「年度末に私的な飲み食いに化けている証拠だ」と追及したことがある。


痛くもない腹を探られないよう、鳩山政権は機密費を厳密に運用して、使用額を必要最小限度にとどめるのが賢明といえよう。


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