卵が先か鶏が先か?

…そんな話とおんなじで。

「潤くんあったかいね」


恋人同士じゃなきゃしちゃいけないって決まりはないしこっから始まる恋もあるし。


「…ニノも…思ったよりあったかい」

「俺どんだけ冷血人間と思われてんのよ」


ニノはふっと口元を緩ませて、そのまま俺の唇にそれを重ねた。



なんとなくそのままリードを任せちゃうのは男として恥ずかしくて、

まだ啄ばむように何度も触れては離れる唇を逃がさないように

後頭部を抱えて長い長い、キスをした。


「ん」

苦しくなったのか小さく声が漏れて。

それが合図のように熱い舌が滑り込んできた。


甘い。

痺れる。


ニノの唾液は蛇の毒みたいに俺を動けなくする。


なんならもうこのまま食われちゃってもいいやって、俺らはわかんないだけで

食われる動物はそう思って飲み込まれて行くのかも知れないよな。

俺ももう何されてもいいや。


この人の毒牙にかかって……例えこの行為が恋人のそれじゃなくても。



「っあ」

突然ニノの指が耳の淵に触れて思わず声が出た。


ただそれだけなのに全身の毛が逆立って、ゆっくりと耳の後ろに滑る指に全神経が集中する。

「は、ぅ」

絡ませてた舌はもう動かすことができなくなってただただ口の端から

自分じゃ聞きたくもないような甘い声を漏らすしかなかった。


そのまま指は首筋を伝って鎖骨をなぞり、肩を這う。


「ぁ、あ。ニノ…っ、なん…」

「ほんと感じやすいね」


自分でも胸の先端が上を向いてるのがわかる。

別に普段はセ イカンタイでもなんでもないのに。


―――触って。


そう思わずにはいられないくらい俺はニノの毒にヤラれてる。


「い、ぁっ」

今まで感じてたもどかしいほどのふわりとした感触ではなく

ざらりとした生暖かいモノが滑り、転がされる。


「あ…に、の」

赤い舌を覗かせて上目遣いで見つめられれば一層俺は捕らえられて。


「潤くんその顔反則。我慢できなくなるじゃん」


脇腹をうろうろしてた指はするりと腰を撫でて完全に熱を持った下半身に伸びていく。


「っく、…は…っ」


―――やっぱり引っ張られるのは俺の方。






※以前書いた「受け身バージョン」は前作とは全くの別バージョンで
「ニノが受け身バージョン」ってことだったんですけど
余りにJ受けを望む声が聞こえたので慌てて考えました(;^_^A
なので時間かけた割にクオリティ低いっ!!
続きも時間かかりそうでーす\(^o^)/←開き直りか