「どっちがいいの?」

「…ハイ?」

「バーッて言われんのと、ずーっとこんな感じで喋られんの」

ソファに横になってニノが不機嫌そうに俺を見てる。


どうしたのニノ?
この前の収録の続き?

え?俺が怒られるの?
智くんじゃないの?

「イヤもう言われるの決まってんだよ?決まってんだけどぉ、
どっちがいいのかなって。それぐらいは聞いてあげた方が優しいかなって」

「えー…と、ニノ?」

さっきまで普通にメシ食ってたよね?
さっきまで普通に喋ってたよね?

俺がシャワー浴びてる間に何かあった?

携帯見た?
いやいや浮気とかしてねぇし変なメールとかないはずだし!

「え、ごめん俺なんかした?」

はぁ、ってニノは溜息をついて「早く選んでよ」ってめんどくさそうに呟いた。

すごい怖いんですけど。

「じゃ、じゃあこんな感じでゆっくり説明してもらった方がいいかな」

冷めた視線で俺を下から舐めるように見て。
ニノはゆっくり体を起こして俺に近付いた。

思わず身を引きそうになったのを掴まれて―――

「翔さん、好き」
「へっ!?」

すかさずニノの唇で声は遮られて。

「好きですよ」
唇が離れるとニノの言葉。

「に…」
答えようとすると塞がれる。

「好き。したい」

「したい。脱いで」

「脱がせて。好き」

…バーッて言ってほしいって言ってたらどうするつもりだったんだこの男は。