今日は、週末に更新できなかった分がんばります。

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「もしもし」
電話にでると、由伸は泣いていた。
「どうしたの?少し、落ち着こうね。」
泣いている由伸にどう接したらいいのか困っていると、松潤が電話を代わった。
「もしもし、翔ちゃんのお友達だよ。なんで泣いてるのか言わないと、翔ちゃん分からないぞ。男の子は、強いんだぞ」
「あのね...」
話し始めたところで松潤は、電話を戻した。
「由伸、どうしたの?」と、優しい声で聞いた。
「お母さんが、玄関で寝ていて動かないの」
そう話すとまた泣き出した。
「お母さん動かないの?お姉ちゃんは?」
「僕とお母さんと帰ってきたから、お姉ちゃんはまだ部活」
きっと、由伸は不安になって俺に連絡してきたんだ。どうする...
「翔ちゃん、お母さん死んじゃうよ~」
より一層大きな声で泣く由伸の声が、松潤にも聞こえたらしい。
「もう少しで仕事が終わるから、そうしたら行くよ。だから、待ってろ。男の子は、お母さん守らないと」
俺は由伸を励まし電話を切った。

「どうした?何かあった?」心配そうに聞く松潤に、事の経緯を話した。
「おれ、何か飲み物とか買ってくるから、翔ちゃんは先に撮影終わらせて。」
松潤は、キビキビ動いてくれた。
[サンキュー]心の中でお礼を言った。
撮影が終わり楽屋に行くと、コンビニの袋に飲料水やゼリー、ヨーグルトと食事が入っていた。
「翔ちゃん料理できないでしょ?子供達の分も」
俺は、楽屋を後にして車で礼乃の家に向かった。

家に着くなり、インターホンを鳴らすと、由伸が出てきた。
玄関で、靴を履いたまま横になっている彼女がいた。
体には、タオルケットがかけてあった。そして、首にはタオルに巻かれた保冷剤。
「ここまでしか私たちにはできなかった」
典花が言った。
俺は、彼女を抱えて寝室に案内してもらった。
彼女の寝室には、俺たちのDVDが綺麗に並べられていた。
抱き上げた時に気づいた、体の熱さ。熱を計ると、40度近い熱があった。
「これ、お母さんがいつも飲む薬。」典花が水と一緒に持ってきた。
由伸は、心配そうに部屋を覗いていた。
「大丈夫、ご飯あるから、お姉ちゃんとたべな。」
二人は、下に降りて行った。
身体を少し起こして、声をかける。
「礼乃、大丈夫?薬飲めるか?」
呼吸が荒い。相当、苦しいのか?もう一度、声をかける。
「櫻井さん?なんで、ここに...」
そう言う彼女に、まずは薬を飲むように言った。
「まずは、ゆっくり寝てて。話はまた」
そう言うと、彼女はまた眠りについた。
俺は、由伸と話すために二人の所に行った。そこでいろんな話を聞いた。
ずっと忙しかったこと、電話がしたいと泣く由伸に付き合って説得し続けていたこと。
「そっか~。」俺は、それしか言えなかった。
二人が寝た後、もう一度礼乃の側に行った。薬が効いてきたのか、整った呼吸になっていた。
[俺はどうしたらいいんだ?]
その時、電話が鳴った。松潤からだった。
「翔ちゃん、大丈夫だった?」
そう言う松潤に、彼女の様子を話してお礼を言った。そして、由伸から聞いた話をした。
「で、翔ちゃんはどうしたいの?」と、松潤は聞いた。
「どうしたらいい?毎日の彼女との電話が、楽しかったこと。電話がなくなって、イライラしていた」と、話すと、松潤はフッと笑って
「答えは出てるじゃん!頑張れよ!」
と、言われた。
そっか~、そういうことか。俺の中での彼女の存在がどれだけ大きくなっていたのか、やっと気づいた。
ふと彼女を見ると、申し訳なさそうに俺を見ていた。
「ごめん、起こした?」
「大丈夫。喉が渇いたから、目が覚めたの。」
彼女に、ペットボトルを差し出した。
「櫻井さん、ご迷惑おかけしてすみません。それと、由伸が電話をしてしまって...」
俺は、急に緊張してしまい彼女の顔を見れなかった。
「それより、身体はもう大丈夫?」
彼女のおでこに手をあてると、身体をビクッとさせ顔が赤くなる彼女。
そんな彼女を見て、俺は我慢できなくなり彼女を抱きしめた。
「ごめん。俺、毎日礼乃と電話をするのが楽しかったんだ。だから、ここ最近電話がなくてイライラしていた。松潤に言われて、気づいたんだ。俺、側にいたらダメかな?」
彼女は、ビックリした顔で俺を見た。
「私なんて、子供もいるし、櫻井さんには相応しくないですよ。」
そういう彼女のおでこにデコピンをした。
「由伸がいなかったら、礼乃に会えなかったの。だから、子供達も含めての礼乃だよ。」
やっと、目を見て言えた。
「私なんかでいいの?」不安に俺を見る彼女を見て、答えた。
「礼乃がいいの!」
より一層強く抱きしめた。
「ありがとう。」
俺は、部屋を改めて見て恥ずかしくなって笑った。
「何がおかしいの?」そう聞く彼女に言った。
「この部屋、俺らのDVDだらけなんだけど..」
彼女も笑っていた。
「明日はお休みだから、もう少しここにいるよ。礼乃が寝るまで」
そう言って、手を繋いだ。
「だったら、寝ないで起きてようかな?」
彼女は、言った。
「えっ?!」俺はビックリして、彼女の顔を見た。
「冗談よ。驚いた?」
そんな彼女が愛おしくて、おでこにキスをした。
「櫻井さん?」びっくりした彼女に言った。
「櫻井さんじゃなくて、翔だよ。名前で呼んでよ」
おれは、お願いした。
「翔ちゃん...」
彼女は、顔を赤くして呼んでくれた。
そのまま、彼女が寝たことを確認してから俺も寝てしまった。

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アイデアを忘れないようにしないと。
子供がいると、風邪を引いても寝込んでなんていられませんよね~。