今回登場する名種牡馬は、国内外問わず、活躍馬を多数輩出した貴重な血のお話。

 

馬券作戦に役立つ血脈ですから、いつもより生い立ちは短く、傾向の部分を中心に今回は書いていきますね。

 

 

 

1974年フランス。

 

1頭の仔馬が誕生し、1歳時にイギリスのタタソールズセールに出品され、アガ・カーンⅣ世殿下に購入される。

 

その名は「ブラッシンググルーム

 

英語では「赤面する花嫁」を意味する。

 

 

父は、第33話に登場した赤い神「レッドゴッド

 

母の名は「ラナウェイブライド

 

日本語に訳すと「逃げ出す花嫁

 

「ジュリア・ロバーツ」と「リチャード・ギア」の映画「プリティ・ブライド」の英字表記ですね。

 

おそらく、母の馬名から連想して、息子の「ブラッシンググルーム(赤面する花嫁)」に繋がっているのではないかと。

 

母の父は、フランスのリーディングサイアーを獲得したこともある「ワイルドリスク」

 

 

父方の「卓越したスピード」と、母方の「スタミナ」とのバランスが絶妙な配合。

 

 

フランスでデビューした彼は、フランスの2歳主要G1競走『ローベルパパン賞(芝1100m)・モルニ賞(芝1200m)・サラマンドル賞(芝1400m)・グランクリテリウム(芝1600m)』を完全制覇(史上2頭目)

 

2歳時の成績は「6戦5勝」

 

この年のフランス2歳最優秀牡馬に選出。

 

 

 

3歳時には、フランス2000ギニー(芝1600m・G1)を勝利。

 

イギリスダービーに挑戦するも3着。

 

イギリスダービーで敗れた「ブラッシンググルーム」は、地元フランスのジャックルマロワ賞(芝1600m・G1)に出走したが、ここでも2着に敗れる。

 

この時、ヨーロッパでは馬の感染症が流行し、他国への遠征禁止措置が刻一刻と迫っていた。

 

すでに、アメリカでのシンジケートが組まれ、種牡馬生活が決定していた「ブラッシンググルーム」は、ジャックルマロワ賞を最後に引退し、すぐにアメリカへ渡ったのである。

 

 

競走成績は、「10戦7勝・2着1回・3着2回」

 

 

 

 

アメリカ・ケンタッキー州ゲインズウェイファームにて、種牡馬生活。

 

「凱旋門賞馬」などを輩出し、1989年英愛リーディングサイアーを獲得。まじかるクラウン

 

母の父としても、活躍馬を多数輩出し、1988年・1995年には英愛ブルードメアサイアー(母父首位種牡馬)を獲得。

 

 

 

ここからは、ブラッシンググルームの息子でもある3頭の馬名をぜひ覚えて頂きたい

 

レインボークエスト」「ラーイ」「ナシュワン

 

いずれ、この馬たちも「血のお話」に登場しますが、この後の記事に関連するため、馬名だけでも頭の片隅に。

 

 

 

ここからは、「ブラッシンググルーム」の血を持つ日本の名馬+この血脈の馬券作戦について。

 

 

まずは、1995年菊花賞馬・有馬記念馬「マヤノトップガン」

彼の母父は「ブラッシンググルーム」

 

 

 

2000年古馬中長距離G1完全制覇「テイエムオペラオー」

彼の母父も「ブラッシンググルーム」です。

 

 

 

1996年有馬記念馬「サクラローレル」

彼の父は「レインボークエスト」で、祖父は「ブラッシンググルーム」

 

 

 

2004年スプリンターズS勝ち馬「カルストンライトオ」

彼の母の父の父は「ブラッシンググルーム」

 

 

 

2012年ヴィクトリアマイル勝ち馬「ホエールキャプチャ」

彼女の母母父は「ナシュワン」で、その父が「ブラッシンググルーム」

 

 

 

ダートG1通算10勝のダート王「ホッコータルマエ」

彼の母父は、「ブラッシンググルーム」の孫にあたる「チェロキーラン」

 

 

 

先日のマリーンカップを制した「アンジュデジール」

彼女の母母母父は「ブラッシングブルーム」

 

 

 

そして、今週の天皇賞春に出走する、あの大魔神一族「シュヴァルグラン」

佐々木オーナーゆかりの「ハルーワスウィート」にも「ブラッシンググルーム」が入っているため、「ヴィルシーナ」や「ヴィブロス」姉妹にも当然入っています。

 

 

 

全体的に共通していることは、この血は「ナスルーラ」→「レッドゴッド」から受け継ぐ「卓越したスピード」があること。

 

もう1つは「闘争心UP」の効果。

 

 

競走馬育成シミュレーションゲーム「ダービースタリオン」の中での「ブラッシンググルーム」の扱いは「気性難」+「底力上昇」だったと思いますが、確かに「気性難」の産駒もいますけど、実際の「ブラッシンググルーム」は、どちらかと言えば「穏やかな馬」であり、そこまで「気性の悪さ」は無かったと言われています。

 

そこは、ゲームとリアルでは少し違うかなという部分。

 

 

とにかく「スピード+闘争心」の相乗効果を狙うには、「ブラッシンググルーム」の血は有能。

 

 

 

 

以前、「レッドゴッド」のところでも紹介したように、「レッドゴッド系」の血は「小倉の短距離戦」に相性良く、馬券では穴を出しまくっています。(最近は、中距離でも活躍)

 

「ブラッシンググルーム」も「レッドゴッド系」の一員として、彼の子孫たちの血は「小倉」で活躍しており、ここからはその一部を紹介。

 

 

昨年夏の小倉開催2回2日目(2017年7月30日)5R

 

1着・2着馬の父は「ストラヴィンスキー」

 

この「ストラヴィンスキー」の母父が「ブラッシンググルーム」になります。

 

 

そして、その1ヶ月後の8月27日(日)2回小倉10日目に事件は起きました。

 

7Rの「芝1800m」の結果がこちら。

 

1番人気で2着の「ゴールドハット」の母父は「ラーイ」

 

3着は12番人気の「トゥルーハート」。母母父は「レインボークエスト」

 

 

先述したように、覚えると役立つ「ブラッシンググルームの息子3頭(レインボークエスト・ラーイ・ナシュワン)」が、2,3着馬の「母父」や「母母父」に入っています。

 

 

これだけなら、よくある話。

 

 

事件はさらに続く。

 

 

同日の8Rを挟んで、9R「鳥栖特別(芝2000m)」の結果がこちら。

3着馬の「母母父」も「ブラッシンググルーム」の直子「レインボークエスト」の名前が・・・

 

 

続く10R「別府特別(芝1200m)」の結果がこちら。

7番人気で1着になった「ワンアフター」の母母父は「ラーイ」も「ブラッシンググルームの直子」

 

このレースの馬連は、1万5千円オーバー。

 

 

 

さらに、11R「小倉日経オープン(芝1800m)」の結果がこちら。

4番人気2着の「ケントオー」の母母父は「ブラッシンググルーム」でした。

 

 

なんと、この日、7R・9R・10R・11Rで「ブラッシンググルーム」の血が大活躍。

 

 

 

今年に入り、1回小倉でも・・・

 

【1日目】

2R・2着馬(母母父ナシュワン)

7R・2着馬(母父ラーイ)

8R・1着馬(母父レインボーコーナー=ブラッシンググルームの孫)

 

【2日目】

8R・3着馬(母母父レインボークエスト)

9R・3着馬(母母父ラーイ)

 

【3日目】

4R・3着馬(母母父サクラローレル)

8R・2着馬メイショウタカトラ(母母父クリスタルグリッターズ=ブラッシンググルームの直子)

 

【5日目】

2R・3着馬(母父チェロキーラン=ブラッシンググルームの孫)

 

【6日目】

3R・2着馬(母母父バイアモン=ブラッシンググルームの直子)

 

【7日目】

12R・3着馬(母母父レインボークエスト)

 

【8日目】

4R・3着馬(母母父サクラローレル)

 

 

「母父・母母父」だけでも、これだけ好走しており、「母母母父」まで含めると、もっと多くの対象馬になりますね。

 

 

「小倉」の傾向が強いため、「小倉」に絞ってサンプルを出していますが、実は他の競馬場でも使えます。

 

 

芝の「短距離~2000m」ぐらいまでなら、「ブラッシンググルーム」の血は有効活用出来ますね。(ダートがダメというわけでもない)

 

とくに、「スピードが要求される馬場」や「直線平坦コース」になれば、この血を持つ馬の好走は、より目立ちますね。(坂がダメというわけでもない)

 

 

欧州の怪物と称された「フランケル」にも、「ブラッシンググルーム」の血が入っています。

 

先日レコード決着だったマイラーズカップ2着の「モズアスコット」や、昨年のオークスを好タイムで制した「ソウルスターリング」も、フランケル産駒ですから、「ブラッシンググルーム」の血は流れています。

 

 

 

「夏の小倉」が待ち遠しくなった方もいらっしゃるのでは(笑)

 

 

 

第33話の「レッドゴッド」の回も、お時間ある時に、改めて見直して頂ければ、「ブラッシンググルーム」とセットで覚えておく事により、馬券作戦の時に「スピード能力」のイメージは、想像しやすいと思います。

 

 

 

長くなりましたが、今回はここまで。

 

 

 

 

 

次回をお楽しみに。