検察の常識 | あらかんスクラップブック

あらかんスクラップブック

60代の哀歓こもごも

クリスマスというのに、またウソをいっぱい聞かされてしまった。

「桜を見る会」の前夜祭をめぐって安倍前総理が国会で虚偽答弁をしていた問題。 衆参両院の議院運営委員会に出席して疑惑に答えた。

ちょうど来客があったので、いっしょにTVの中継を観た。

 

 

 

結局は、あべさんは、最近(11月23日)まで、この補填の件は

「知らなかった」。

あ~ぁ、せっかくのクリスマスケーキが不味くなる。

「いけしゃぁ、しゃあと…しらじらしい」と、二人で大きなため息をつく。

 

この疑惑は、1年間も、他の国会議案そっちのけで、時間を費やした大スキャンダル。 東京地検特捜部が捜査に乗り出し、補填の事実を確認したものの、あべさん本人には任意聴取だけ。 事務所などの家宅捜査もせず、あべさんの供述を鵜呑みにして、安倍さんは不起訴。 

21日に配川博之公設第一秘書を略式起訴、 政治資金規正法違反で100万円の罰金。

 

あべさん本人は、不起訴で、記者会見を1時間(NHKは中継15分)

国会の虚偽答弁については、118回もあるというのに、偽証罪に問われる予算委員会ではなく、一部の国会議員しか参加できない議院運営委員会。二階自民党幹事長は、これで「幕引き」

 

秘書が、安倍さんのお金で勝手に数百万円の補填をし、国会であんなに問題になっても、安倍さんには補填なんかしてないとウソの報告をし続け、参加者がそれぞれホテルに支払ったから領収書はないと言う。

 

配川秘書。そんなに悪人には見えないけどね。

 

安部さんも、そんな秘書を信じて、問いただすこともせず、大問題になっているのに、自分で調査しようともしない。 「知らなかった」というのは、すなわち「(秘書に)騙されていた」と言うこと。 なのにいまだに公設第一秘書として雇っているのはどういうこと?

みんなわかってるよ。

あべさんは、補填の事実も法律違反も知っていた。 国会はウソにウソを重ねて乗り切り、検察の捜査には秘書と口裏を合わせて、秘書が責任をすべてかぶることにした。

 

問題は検察だ。あべさんを逃がすために、ろくな調査や家宅捜査もせず、あべさんの供述だけで、「安倍氏には具体的な補填の指示がなかった」と不起訴。 どんな荒唐無稽なストーリーでも、本人の供述で判断するなら、「そのつもりはなかった」と言えば済む。 犯罪者はいなくなるだろう。 

いくら考えても「それはないだろう。 政治家があれだけの疑惑をもたれて、いつも身近にいる秘書に問うこともしない。 秘書も秘書で、法律違反に関わる補填の事実をずっと黙ってるなんて…」。 

検察官が、そんな常識的な判断がでるなら、資金管理団体の金の流れを洗い出し、補填の原資が、はたして安倍さんのポケットマネーか、それとも官房機密費のような領収書のいらない公費なのかくらいは、突き詰めることもできるはずだ。

 

 

検察の法解釈は、常識的なものであってほしい。 「桜を見る会」の疑惑は、総理大臣が国の功労者を招く会に、自分の後援会員を何百人も公費で接待し、しかも前夜祭で供応した疑いだ。 名簿や領収書がなくても、検察特捜部なら、証拠を固め、あべさんを取り調べられるはずだ。

もう、がっかりだ。やっぱ検察は信用できないのか。

 

でも24日のイブには、黒川元東京高検検事長が、知人の新聞記者と賭けマージャンをしていた問題。 賭博罪で刑事告発され不起訴になっていたが、検察審査会で「起訴相当」と判断された。

これは、検察は「動いた金額は少額で、辞職や報道で社会的制裁を受けている」と不起訴にした案件。この理由はまったく理解できない。

刑法を知り尽くした検事長の立場である人が、常習的に賭けマージャンをやっても起訴されないのは、国民感情を逆撫でする。 

法律というのは、市民が常識的に納得するということがあって、法として成り立つし、検察が権力者や身内に甘いのは、法という自らが拠って立つものを冒とくしている。

 

安倍さんの今回の不起訴も、検察審査会で議論されて、「起訴相当」となれば、検察がまた不起訴にしても、強制起訴になるまで行くと思う。

それが、市民の常識だ。