2020 夏野菜づくり | あらかんスクラップブック

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60代の哀歓こもごも

昨日、やっと朝夕、エアコンが必要なくなり、雨が続けて降って…、

秋がドアを叩いてくれた。

さあ、朝夕の水やりと収穫だけのクソ暑い夏とおさらばして、種まきや植え付けなど、土と触れる季節が来た。

 

雨なので、とりあえず、夏の反省。

今年は、パートの仕事を辞めたので、「夏の実もの野菜の多収穫」を目標に、時間をかけて世話をした。 主に、仕立てと施肥に情熱を注いだ。

めんどくさい記録もばっちりとったぜ。

これは、収穫数のメモ。

家庭農園なので、種類は多いが、それぞれの本数は少ない。

 

収穫結果発表(8月31日まで) 〇の数字は株の本数。

キュウリ①107  なす①80  ミニトマト②797  

日光とうがらし①235  ししとう①310 ズッキーニ④0

ゴーヤ①68  オクラ⑫70 いんげん⑩424 まくらうり③19

 

なす、ミニトマト、日光とうがらし、ししとう、ゴーヤは、9月に入っても収穫継続中。 枝豆はカウントしていない。 

 

農家出身のプロが、近所の住宅地で見事な畑をやっている。 彼が住んでいるのは歩いて5分ほどの距離の自宅。 庭もまあまあの広さなのに、土地だけで数千万円の土地を買い、小さな道具小屋を建てて、畑にしている。無口な人で、話しかけても答えてくれないので、私は、本人不在のときに、囲いのフェンスに顔を押しつけて、作物の様子を眺めるだけ。 ほんとは同じくらいの年なので、お友だちになりたいのに…。

 

それでも、かなりの情報をgetした。 土の出来は私のと比較にならない。 積んである堆肥は、たぶんおがくずか、ヌカがまじってる。 追肥に化学肥料を使ってる。 石灰は苦土石灰。 農薬は使っていないから

病害虫は多い。ウイルス系の病気もあまり対処しない。

仕立て(摘芯して枝数をふやすこと)はしないで、放任栽培。

だから、キュウリでもトマトでも支柱が長く、収穫はどうするのだろう?

 

家庭菜園をどこまでやるか? 私はベランダ農園のプランターの野菜で癒されているレベルは、とっくに卒業した。 かといって、トラクターもないし、アーチ形支柱や本格的なトンネル栽培は、植える株数が少ないので必要ない。

少数精鋭。 放任ではなくて、1本の株でたくさん採る。 その路線で、毎年挑戦し、キュウリは3本仕立て(3本の枝を伸ばす)。 トマトは4本仕立て。 ナスは4本仕立て。 仕立てた以外の伸びようとする脇芽はかき取ったり、生かしておいたり。 セオリーは、去年完成した。

 

そして、今年は毎日、毎日、株とにらめっこし、慎重に仕立てた。 株の様子も観察を怠らず、肥料を加減した。

時間がかかるが、収穫は格段に増えた。

ひとつの78円の苗から、キュウリは107本も獲れた。 長梅雨のせいで、途中でべと病がでたが、罹病した葉を取り除き、石灰水をふりかけた。 株は病気からみごとに立ち直った。

 

いろいろ育てのワザを駆使し、最後のキュウリの1本を収穫したときは感慨深いものがあった。もう、土に近い枝は枯れて茶色くなっているが、その先の伸びようとする緑の枝から、花が咲き実をつける。 

根が水を吸って、茶色の枝の中心を通り、花まで水を運ぶ。 虫を呼び受粉し、実を結ぶ。 植物は、人間の愛に応えてくれるものなのだ。

 

今年の夏は、キュウリを買うことがなかった。 その他、葉物も含めて、やおやに行っても、買うのは果物や漬物くらい。 野菜が高騰したせいで、人にあげると喜ばれた。

 

でも、夏の反省。

一言でいえば、やりすぎ。 採れすぎ。 過剰は良くない。

来年の夏は、自然栽培にきめた。 今でも化学肥料や農薬は使わないので、いわゆる「有機栽培」。 一歩すすんで、「自然栽培」は、肥料も使わない。

肥料を与えなくても、植物は土と水と陽の光があれば育つはず。仕立てもかなり放任にして、手間を減らす。収穫量はかなり減るだろう。

でも、採れすぎで人に配るのに苦労したから、少なくていいのだ。

 

野菜づくりは、観察が大事。 やつらが求めているものを見抜いて、手を貸す。 いままでいっぱい失敗してきた。 先生もいないし、本ではわからないことが、何年もやっていると、自分の感性で発見することができる。それが、野菜づくりの醍醐味かな?

 

いろいろな栽培を工夫すると、個性的な野菜が育ってくれる。 このキュウリは甘いぞ。 水やりが足りなかったから、ししとうが辛い。 味はやったことと直結する。

 

これからの季節は、野菜はスーパーややおやで買うことになる。 その個性のない味のない野菜を食べながら、春からの収穫のためにタネを播き、苗を植える作業に精を出す。  カブ、春菊、イチゴ、ブロッコリー、エンドウ、ソラマメ、じゃがいも、たまねぎ…。

 

「九月という月は、ふたたび大地が開ける月で、ふたたび私たちは、植物を植えることができるのだ! 春になったら植えつけるべきものは、いま土におろさなければならない」(カレルチャペック 

「園芸家の一年」)

 

9月は、畑で汗をかいてから、プールに行きます。 

そして、この秋は美味しいものをいっぱい食べたいです。