老人ホームミスマッチ② | あらかんスクラップブック

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60代の哀歓こもごも

ガザニア

 

老人ホームの入居者で、職員に好かれている人と嫌われる人がいる。

これは、職員間でほぼ一致している。

 

特に、嫌われる人。

上から目線で、介護職をバカにして、暴言を吐いたり、暴力を加えたりする人。 集団生活を顧みず、自分の要求を通そうと、何度もコールしたり、業務外のことを命令したりする。

 

職員は、そのような利用者も無視したり、仕返ししたり、虐待したりは、決してしない。 それをいいことに、要求がエスカレートして、困ったちゃんになり、職員から見事に嫌われている人が、どの施設にも存在する。

 

家族も、そのわがままや気難しさにうんざりして、施設に預けたのかもしれない。 中には、家族も、とんでもないモンスタークレーマで、金払ってるんだから、特別扱いしろとねじ込んでくるのもいる。

 

介護職員を交えた老人ホームという小さな社会は、一般社会とおなじ、当然、常識的な対人ルールやマナーがある。 

暴言ダメよ。 暴力ダメよ。 人を突き飛ばして、割り込んじゃダメよ 。  一人だけ特別扱いはできないよ。 順番を守ろうね…。

小学生ですら、理解できることができないのは、なぜなのか?

 

介護スタッフは、そういう困ったちゃんに時間を取られていて、業務が停滞してしまうことがよくある。 

逆に、その陰で、なんでも我慢して待ってくれる入居者、 職員に鷹揚な入居者、 他の入居者に順番を譲ってくれる入居者もいる。

 

職員は、そんな人を決してほったらかしにしているわけではない。

介護職というのは心優しくお節介な人が多いから、そういう入居者をいつも心に留めて、感謝し、なにかあれば、恩返しをしたいといつも思っている。 そういう人が好かれる入居者なのだ。

スタッフにいつも感謝し、「ありがとう」と言ってくれる入居者には、こちらこそ「ありがとう」という気持ち。

 

歳をとって家族と良好な関係にある人は、施設でもおおむね好かれる。 家族もよく面会に来てくれて、外出に同行したり職員の足りないところをおぎなってくれる。

 

入居者が、その施設に合って幸せに暮らせるかは、入居者自身の問題だと思う。 不機嫌を主張することで、その場をコントロールしようとするのは大きな誤り。嫌われていては本人も安心できない。

こだわりをなくし、人に委ねることが、老人ホーム生活をハッピーにする秘訣。

また、老病死から自由になれる一歩だと思う。

 

困ったちゃん が原因で職員が離職してしまうのは、よくあること。

対策として、人手不足の施設は、入居者を入居の入口で選別し、困ったチャン予備軍は、排除する時代になった。

 

金でサービスを買おうというのではなく、終の棲家として、集団生活のなかで、のびのび暮らしていけるのかという視点で、施設選びをしてほしい。