カエルとコオロギが旬の季節を迎えた今日この頃、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。一言でカエルと言っても、ラオスでは十数種類にも及び、呼び方がそれぞれ違う。苦手な人のために、その場で捌いてくれるサービス付き。カエルの卵は美味で涙目。
さて今回は、ついにあれを作っちゃったお話です。そうです、あれです。海外に来ると無性に恋しくなる日本の味。日本の心、『納豆』です。
僕の住むパクセーでは、醤油・のり・みりん・わさびなど、大抵の日本の食材・調味料が揃います。しかし、味噌・出汁の素・納豆など首都でしか手に入らないものも。
ならば、首都から持ってきて増やしちゃおう!と、いうことで今回は、ラオスで納豆菌増殖作戦!
パクセーの大豆。水につけると2倍 日本から輸入されたおかめさん。
程に。ちょっと見た目はよくないです。 なんとミニ3パックで500円!
まずは大豆。大豆は、ラオスならどこでも手に入ります。地域によって若干種類は異なりますが、パクセーでは、写真のような納豆づくりに適した大き目の大豆が手に入ります。水につけること丸1日。2倍くらいの大きさにまでふくらみます。
次は納豆菌。藁から採取することもできますが、ちょっとこわいので、今回はあのおかめさん(首都で500円で購入)のお力をお借りすることに。
約6時間炊飯器で炊くと、色が変化。 プラスチックのカップに小分け。
7回も炊飯スイッチを入れました。 やっぱり見た目は悪いなあ。
大豆を炊飯器で芯まで軟らかくなるまで炊きます。これには6時間程かかりました。炊き終わると色が変化。おおっ、そういえば納豆ってこんな色だったなあ。
おかめ納豆を熱湯殺菌。100℃で 炊飯器の保温機能で菌を増殖。
もOK!納豆菌液の出来上がり。 湯を張って、湿度も保ちます。
おかめ納豆を熱湯で溶きます。納豆菌は高温に強いので、こうすることで雑菌のみを殺菌することができます。ちなみに納豆菌は、100℃の熱湯でも死滅せず(120℃で死滅)、マイナス100℃の環境下でも生き延びる菌なのです。凄いぞ納豆菌!
納豆づくりで最も注意を払わなければならないのが雑菌の混入ですので、ありとあらゆるものを熱湯殺菌します。
小分けにした納豆に、納豆菌液をまぶして、炊飯器の保温機能を利用して、50~55℃を保持。お湯を張って湿度を保ち、納豆菌が増殖しやすい環境を維持します。
【ビフォア―】こちらは納豆菌増殖前。 【アフター】こちらが納豆菌増殖後。
大豆の濃い色がでています。 納豆菌の白い膜が広がっています。
翌朝。んっ???何か、臭いんですけど。。。何か、臭うんですけど。。。こ、この臭いは。。。
って、台所、めっちゃくっさいんですけど!ていうか、家じゅうがくさい!
くっさ!!うわぁっ、めっちゃ納豆くっさ!!
臭いに耐え、16時間~24時間もすると、大豆にうっすらと白い膜が。全体にこの膜が広がっていれば完成!
本当に、納豆になっているのだろうか?
お腹はこわさないだろうか?
美味しく出来ているのだろうか?
いろいろな不安を抱きつつ、箸を投入。。。
猛烈に糸ひいてます。まぎれもなく キッコーマンの醤油をかけて、
納豆そのもの。初代自家製納豆。 納豆on the白いご飯。うまい!
おおおぉぉぉーーーー!!めっちゃ糸ひいてますけどっーーー!ねっばねばっ、ねっばねばっ! くっさい、くっさい!
キッコーマンの醤油をたらして、白いご飯に乗せれば、納豆ご飯の完成!実に1年2ヶ月ぶりの御対面です。おひさしゅうございます。
我慢できずに食べてみると。。。
う、うまいっーーーーーーーーーーーーーーー!!
大豆の素朴な豆らしさが残っていて、納豆の風味とうまく溶け合っていて、完璧な自家製納豆。ご飯がご飯がすすむくん。うますぎです。あぁ、日本だわ、これ。もう、日本の味 in ラオスだわ。
っと、ここで、僕の好奇心がさらにうずきだす。
これをラオス人に食べさせたらどうなるだろう。。。
まず、見た目が悪いよね。明らかに腐ってるもんね。
そして、臭いがまずいよね。ラオスには無い臭いだもんね。
決定的なのが、糸だよね。糸ひいちゃってるもんね。こんなに豪快に糸ひいちゃってる食べ物って他に無いよね。びっくりだよね。腐ってるとしか思えないよね。
「これ食え!」って言ったら、きっと「これで死ね!」って聞こえちゃうんだろうな。人格疑われるよね。これでお腹こわさなかったら、もうそれは九死に一生の奇跡って思うだろうね。。。
それでも、これ、日本の心なんだよ。
食べさせたい。。。食べてくれるかな。。。
。。。
つづく。