守ろう 赤ちゃんの肌(朝日新聞記事より) | 千里丘の民間ファミリーサポート ワーキング・マムのブログ「ママライフを楽しもう♪」

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守ろう 赤ちゃんの肌 (朝日新聞 1/15付)
 
バリア機能高め 炎症予防

 

 肌の乾燥が気になる季節。湿疹やかゆみが出やすい赤ちゃんはなおさらです。

保湿などのスキンケアが、アトピー性皮膚炎などのアレルギーを予防するとの研究結果も

あります。家庭でのスキンケア法を専門家に聞きました。

 

 「へえ、軟膏(なんこう)を結構たっぷり塗るんですね」

 「そうなんです。チューブなら指の関節一つ分くらいの量を出して、手のひら2枚分の面積に塗るといいですよ」

 

 神奈川県の大和市立病院小児科。

入浴後、バスタオルの上に寝かされた生後5カ月の島田治弥君を、母親の愛美さん(38)と

医師の只木弘美さん、看護師の木村あさ子さんが和気あいあいと囲んでいた。

 アトピーや湿疹など皮膚のトラブルに悩む親子が「日帰り入院」で、家庭でのスキンケアを

学べる。只木医師らが2013年に始めた。専門資格を持つ木村看護師らの指導で、実際に

子どもの体を洗い、保湿をする。

 

 スキンケアの究極の目的は、皮膚の「バリアー機能」を高めることだ。健康な皮膚は、表面

の皮脂膜が外部からの細菌やアレルゲンなどの侵入を防ぎ、併せて体内の水分の蒸発を

抑えている。このバリアーが弱ると外からの刺激の侵入や乾燥が起こりやすくなり、皮膚の

炎症につながる。「赤ちゃんの肌は何もしなくてもぷるぷる」のイメージがあるが、実際は皮

膚の機能が未熟で、アトピーが乳児に多い一因とされる。

 

 では、具体的にどうすればいいか。

①皮膚についた汗やアレルゲンなどを洗って取り除く

②保湿剤や、炎症があれば処方されたステロイド外用薬を塗る、の2ステップだ。

 

①では泡立てたせっけんで、包みこむように汚れを取るのがコツ。

 市販の泡タイプでオーケーだが、自作も簡単。木村看護師によると、液体せっけんを

2プッシュほどポリ袋やペットボトルに入れ、少量の水を加えて勢いよく振ると短時間で

しっかりした泡ができる。化学繊維などは皮膚を刺激するので素手でいい。

 せっけんが残らないようすすぎ、こすらないように拭いたら、乾燥しないうちに保湿剤

などを塗る。せっけんや保湿剤は防腐剤など添加物が少ないものを。ピーナツオイル

など食品成分を含むものも、後にアレルギーを引き起こすとの報告があり、避けた方が

いい。

 

 毎日のスキンケアを続ければ、皮膚の状態は確実に良くなるという。

そればかりか、生後すぐから始めれば、アトピーの予防効果も期待できることが国立成育

医療研究センターの最近の研究で分かってきた。アトピーを発症した子は、卵アレルギー

の可能性を示す抗体値も高い傾向があった。バリアー機能が落ちた皮膚の場合、手や

口周りなどから食品の成分が皮膚に取り込まれて過剰な免疫反応が起きたと考えられる

という。大矢幸弘アレルギー科医長は、「スキンケアが浸透することで、アレルギー全体が

激減する可能性がある」と期待する。

 

■アトピー発症 3割減

 国立成育医療研究センターの大矢医師らが2014年に発表した研究は、家族にアトピー

経験者がいる新生児118人を、毎日全身に保湿剤を塗る子と、皮膚が乾燥した部分だけ

にワセリンを塗る子に分けて経過観察を行った。すると、生後1週間から毎日1回以上全身

の保湿をした子どもは、そうでない子どもに比べ、約8カ月後のアトピーの発症率が32%

低いとの結果が出た。ハイリスク児でも、生後すぐからの全身の保湿で、皮膚のバリアー

機能が守られたと考えられている。

 

■ケアのハンドブック

  就学前の子どもの10~30%がかかるとされるアトピーは、かゆみのある湿疹が良くな

ったり、悪くなったりを繰り返す病気。皮脂膜が十分に発達していない乳幼児の発症が多く、

軽症のうちにステロイド薬などで炎症を抑え、保湿して皮膚のバリアー機能を回復させる

ことが標準治療だ。

 「ぜん息悪化予防のための小児アトピー性皮膚炎ハンドブック」は、アトピーのメカニズム

や、赤ちゃんのスキンケア全般に役立つ情報が満載。発行元の「環境再生保全機構」(044

・520・9568、平日のみ)で、無料送付。HPからもダウンロードできる。