子育てに関する著作の多い精神科医の佐々木正美(♂)の著作です。

この子はこの子のままでいいと思える本 - 株式会社 主婦の友社 主婦の友社の本 (shufunotomo.co.jp)


一言でいうと「子どもを無条件に受け入れてかわいがろう、そうすれば勝手によいこに育ってくれる」というような内容なのですが、内容よりも言葉がこの本の魅力と感じました。

 

Q&A方式なのですが、厳しい指摘もしつつも相談者への共感が伝わってきて温かい気持ちになります

 

以下は主にコラムからの抜粋になりますが、備忘として。

 

親の思いを子どもに伝えることは、けっして悪いことではありません。問題は量です。あまり言いすぎてしまうと、それが「いまのあなたのままではいけない」「わたしはもっといい子を望んでいる」というメッセージとなって、子どもに届いてしまうのです。正しいことほど、小出しにするのがいいのです。
子どもにしてほしいことがあれば、言葉で伝えるよりも、親が見本を見せるのがいいと思います。

確かについつい言葉であれこれ言ってしまう滝汗

 

よく「人の気持ちを考えろ」と言う人がいますが、他者の悲しみや苦しみを理解できる人になるためには、まず誰かと十分に喜びを分かち合う体験が必要です。それができて初めて、今度は悲しみや苦しみといったマイナスの感情も分かち合えるようになるのです。笑顔が子どもの情緒を豊かに育てるのです。
たくさんの人に笑いかけてもらってください。
子どもをたくさん笑顔にしてください。喜びや楽しさを分かち合う経験が多ければ多いほど、子どもは幸せな子になるはずです。それでも、「お母さんの笑顔ほど、子どもを喜ばせるものはない」ということも、どうか忘れないでください。

人の気持ちが分かるようになるのはおよそ4歳~ と頭で分かっていても「ごめんなさい」が言えるといいなあとか思ってしまうのを止めにくい滝汗

悲しみとは喜びの裏返しでもある…まずは喜びにフォーカス!

 

やればできる子だからこそ、努力を強要せず、努力したことを称賛しすぎず、努力で手に入れた結果も、できるだけ淡々と受け止めてほしいと思います。もちろん、けなしたり否定したりしろと言っているのではありませんよ。「よかったね」「がんばったかいがあったね」と言っていいのです。ただ、ほめ言葉が「もっとがんばれ」というプレッシャーにならないようにと願っているのです。
幼いころに「神童」であっても、多くの人は年齢が上がるとともに「ちょっと器用な普通の人」に落ち着くものです。そうなっても自分を否定せず、「自分は自分。いいところがいっぱいあって好きだな」と思えるように、のびやかに育ててほしいと思います。それこそが親の腕の見せどころなのです。

ほめて喜ばせたくなるのを止めるのも難しい滝汗

得意の淡々とで…

 

子どもは、待ってもらっている時間の中で、その子のペースで内面を育てていきます。自分の好きなものや得意を知り、世の中のルールをとり込み、自分の中の小さな誇りを育てていきます。十分に熟した野菜や果物がおいしいように、待ってもらうことで心の中を成熟させていくのです。
大切に育てた花が咲いたとき、親の喜びはいかばかりかと思います。けれど、そのときに気がつくのです。本当に幸せだったのは、「どんな花が咲くだろう」と思いながら待つ時間だったのだ、ということに。

もうすでに分かりすぎる言葉。

 

今、幸せ。