ハイウェイオアシス

五つの赤い・・・・・・

 

 友人Iさんから「フォークジャンボリー(第12回 西三河)に行かないか? 」とお誘いが掛ったので出向いた。フォークジャンボリーと言えば、我々の世代なら「中津川」と耳にしている。1969年から3年続き、学生運動とは一味違う多くの若者が集った。

 

 西三河の地に全国から中年? 老年に差し掛かった60余りの音楽グループが参加。地元からの参加グループが多かったが、東は東京、西は大坂からも来援。会場もおっさんおばさんばっかり。

   同じ時代を送り、同じ空気を吸って、流れ着いた場所がこのハイウェイオアシスの広場なんだ。観客は200人ほどで、ほどよく空席も目立つ。野外の芝にシートを広げて聞いている人にはパイプ椅子よりも風も雲もやわらかい。皆さん、懐かしい歌声に耳を傾けている。

 

   「五つの赤い風船」の元メンバー長野たかしさんのステージを運よく拝見出来た。ヒット曲「遠い世界に」は今も歌い継がれている。やはりオープニングはこの曲だった。現在は音楽活動もさることながら、慈善活動にも手を伸ばし、夫婦で歌ってくれた。

 

   遠い世界に 旅に出ようか♪ それとも 赤い風船に乗って♪ それにしても、職歴様々な方が再びバンドを組んで、音楽活動。楽器ができる人はいいなあ~と、Iさんと囁き合う。人を楽しませることができる。最近は「二刀流」という言葉まで大流行りだが、私には遠い世界だ。

    はしだのりひこさんなんて、フォーク界の小さな巨人はもういない。「帰って来たヨッパライ」から始まって、「風」や「花嫁」。花曇りの空に目をやり、彼の唄声まで思い出す。

 

   ここにはランドマークの観覧車が回っている。妻に「ハイウェイオアシスが誕生したから、一度行ってみよう」と。そして「一度は乗ってみようか」と誘って乗った。妻は「もう話すことなんて、私たちにないわね」と、二人して黙って春の空を眺めていた。

娘から「ミニステージで、娘のチアダンスがあるから見に来てね」と言われて、夫婦二人して、孫娘の応援にも出かけた。初夏の階段ベンチで暖かく見守った日はいつのことであったか~などと、フォークと昭和の歌を耳にしながら考え込んでいる。