幼少期に何度も否定され、無力感に落ちたあなたへ

 

こんにちは、公認心理師の石川美樹です。

 

今日は、長年多くのクライアントさんに接する中で、最もよくお聞きする「認められたいのに認められない」「必要とされたいのに、そんな自分になれない」と苦しんでいる方の心の奥にある原因と、そこから抜け出した方のストーリーをご紹介したいと思います。

 

 

幼少期、何度も「頑張ったのに否定された」経験、ありませんか?

 

私たちは、子ども時代に親や周囲からどう扱われたかによって、

「私は価値がある人間だ」

「努力すれば報われる」

「私は大丈夫」という感覚を育てていきます。

 

しかし逆に、

 

  • 頑張っても認めてもらえなかった

  • やりたいことを否定された

  • 何をしても「まだ足りない」と言われた


そんな経験を繰り返すと、心の奥に「学習性無力感」
(※心理学用語で、繰り返し試行しても結果が得られない経験を積み重ねることで、何をしても意味がないと考えるようになり、自ら行動を起こさなくなる状態を指します)

が生まれます。

すると…

 

  • 私は何をやってもダメ

  • 努力してもどうせムダ

  • 他の人と比べて、私には何もない

 

そんな【歪んだセルフイメージ】が、いつの間にか、自分自身の核のようになってしまうのです。

 

でも、これは 本当のあなたではありません。

 

今日は、そんな“偽りのセルフイメージ”から自由になり、人生を大きく変えたAさんのお話をお届けします。

 


 

「どうせ私なんて…」が口癖だったAさんの話

 

Aさんは40代、夫と中学生の娘さんと暮らしながら、スーパーでパートをしていました。

 

お子さんも手がかからなくなった頃、「昔からやってみたかったインテリア関係の仕事をしてみたい」と思うようになり、通信講座で勉強を始めました。

 

でも、実際に仕事を探そうとするとブレーキがかかって動けない。

・「どうせ私なんて…」
・「年下の人に囲まれて、自分だけ置いていかれるのが怖い」
・「失敗ばかりして、やっぱり無理だったと思いたくない」
・「私には才能なんてないし、誰かに評価されることなんてない」

 

やりたい気持ちはあるのに、行動に移せない。

頭では「挑戦したい」と思っても、心が強く抵抗している。

 

カウンセリングで彼女の内面に寄り添っていくと、こんな記憶が浮かび上がりました。

 


 

「絵なんか描いてないで、勉強しなさい」

 

Aさんのお母さんは薬剤師で、バリバリ仕事をしている方でした。

 

小さい頃、Aさんは絵を描くことが大好きでしたが、母親からはいつもこんな言葉を浴びせられていました。

 

「そんなの落書きよ。バカになるわよ」
「将来のためにならないことやってどうするの」
「お手伝いもできないのに、絵なんか描いてる暇ある?」

 

絵を描くこと=好きなこと、だったはずなのに、

それは「くだらない」「将来につながらない」と否定された。

 

Aさんの心には、

 

  • 自分の「好き」は価値がない

  • 私には他の人に誇れるものなんてない

  • どうせ何をやっても叱られるだけ

 

という無意識の思い込み(セルフイメージ)が、しっかりと根を下ろしていたのです。

 


 

セッションで心のブレーキを外すと…

 

Aさんと一緒に、幼少期の記憶と向き合い、

「私は馬鹿だ」

「私は才能がない」

「努力しても意味がない」

そんな“偽りのセルフイメージ”を、一つずつ手放していきました。

 

すると、彼女の表情が少しずつ柔らかくなり、

こんな言葉が自然に出てきました。

 

・「私、本当は絵が好きだった」
・「もっと描きたい。描いてもいいんだ」
・「誰かのためじゃなくて、私自身が、自由に表現していいんだ」

その結果、Aさんはまずは絵画教室に通いはじめ、日常の中で“好き”を取り戻していきました。

 


 

デザイナーでなくても、私は私でいい

 

彼女はしばらくして、偶然にも友人が経営する小物のセレクトショップの手伝いの話が舞い込んできました。

 

商品のポップにイラストを添えたり、SNSで発信したり。

気づけば、デジタルイラストにもチャレンジしはじめ、世界が広がっていったのです。

 

最初に目指していた「インテリアの仕事」は、もしかしたら誰かに“認められたい”という気持ちから選んだ夢だったかもしれません。

 

でも、今のAさんは、

 

「私は、私がやってて楽しいことを選んでいいんだ」
「人と比べず、私らしく生きていいんだ」

 

そう思えるようになり、日々がとても生きやすくなったと話してくれました。

 


 

さいごに

 

あなたにも、心の奥にこんな思い込みはありませんか?

 

  • 私には価値がない

  • どうせ何をやっても失敗する

  • 人より劣っている

 

それは、本当のあなたではなく、幼少期に植えつけられたセルフイメージかもしれません。

 

人生を変えるには、トラウマを癒すだけでは不十分。

【心のブレーキ】=あなたを縛っているセルフイメージを外すことで、本来のあなたを取り戻すことができます。

 


もしあなたも、

 

「本当はやりたいことがあるのに踏み出せない」

「私の人生、このままでいいのかな…」と感じているなら、

 

一度、心のブレーキを見つけにきてみませんか?

 

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