こんにちは。公認心理師の石川美樹です。
「私は親より幸せになってはいけない」
と思ってしまう人は意外と多いものです。
特に、幼少期に親の苦労を間近で見たり、「あなたのせいで大変なのよ」と言われたりした経験があると、
「自分が幸せになったら親を裏切ることになるのでは?」
という無意識の思い込みが生まれます。
しかし、その思い込みは本当に正しいのでしょうか?
そして、それを手放すことはできるのでしょうか?
この記事では、幼少期の心の傷から「幸せになってはいけない」と思い込んでしまう心理を解説し、その思い込みを解消する方法をお伝えします。
1. なぜ「親より幸せになってはいけない」と思ってしまうのか?
① 幼少期の環境の影響
子どもは、親の言葉や態度から無意識のうちに「生き方のルール」を学びます。
例えば、
-
親がいつも「お金がない」「人生は大変だ」と言っていた
-
自分が楽しそうにすると親が不機嫌になった
-
「あなたのせいで私は苦労している」と言われた
こうした経験があると、「自分が幸せになると親が苦しむ」「親より幸せになったら申し訳ない」と思い込んでしまいます。
② 無意識の忠誠心
「親より幸せになってはいけない」と思う心理の根底には、「親への忠誠心」があります。
親を愛しているからこそ、同じように苦労しなければならない、親を超えてはいけないと感じてしまうのです。
特に、親が不幸そうだった場合、「私だけ幸せになったら見捨てることになる」と罪悪感を感じることもあります。
③ 幸せに対する恐れ
親より幸せになることを無意識に避けていると、次のような行動パターンが見られます。
-
チャンスが来ても無意識に逃してしまう
-
人間関係で苦労する恋愛・結婚を選んでしまう
-
お金を稼いでもすぐになくなる
これは、「自分だけ幸せになってはいけない」という思い込みが、行動に影響を与えているからです。
2. 「親より幸せになってはいけない」という思い込みを解消する方法
① 幼少期のイメージを書き換える
まず、自分の中にある「幸せになることへのブロック」を探しましょう。
【ワーク】
① 目を閉じて、子どもの頃の自分を思い浮かべてみましょう。
② どんな場面で「私は幸せになってはいけない」と思うようになったのかを感じてみます。
③ その場面に、大人の自分が登場し、幼い自分にこう伝えます。
「あなたは幸せになっていいんだよ。幸せになっても、親を見捨てることにはならないよ」
④ そのイメージの中で、幼い自分が安心して微笑むのを感じてみましょう。
このワークを繰り返すことで、幼少期の思い込みが少しずつ和らいでいきます。
② 幸せは「分けられる」ことを知る
「自分が幸せになると、親がもっと不幸になるのでは?」という思い込みを持っている人は、幸せを「限られた資源」のように感じていることが多いです。
でも、幸せはゼロサムゲームではありません。
あなたが幸せになることで、親も安心するかもしれませんし、幸せのおすそ分けができるかもしれません。
例えば、あなたが笑顔で楽しく生きていれば、親もその姿を見て「私の子どもは幸せにやっている」と安心できるのです。
③ 自分の人生を生きると決める
最後に、「私は私の人生を生きる」と決めましょう。
【ワーク】
-
紙に「私は幸せになってもいい」「私は自由に生きる」と書く
-
それを毎日見て、自分に言い聞かせる
この小さな積み重ねが、無意識のブロックを少しずつ溶かしてくれます。
3. まとめ:幸せになっていい理由
「親より幸せになってはいけない」
という思い込みは、幼少期の経験から生まれたものです。
しかし、それは過去の価値観であり、今のあなたには必要のないものです。
あなたが幸せになることは、親を見捨てることではありません。
むしろ、あなたが幸せでいることで、周りの人にも良い影響を与えます。
だからこそ、自分にこう言ってあげてください。
「私は幸せになっていい。幸せになっても、親を大切に思う気持ちは変わらない」
あなたが自分の人生を自由に生きられるよう、心から応援しています。
※「一人で向き合うのが難しいと感じたら」※
この記事を読んで、「頭では分かるけれど、なかなか気持ちがついてこない」「自分の中のブロックが強くて、どうしても解消できない」と感じた方もいるかもしれません。
長年抱えてきた心の思い込みは、無意識に根付いていることが多いため、一人で解決するのが難しいこともあります。
もし「自分も変わりたい」「もっと自由に生きたい」と思われたら、個人セッションでお手伝いできることがあるかもしれません。
あなたが「幸せになってもいい」と心から感じられるよう、一緒に向き合っていきます。
ご興味がある方は、こちらから詳細をご覧ください。