こんにちは、公認心理師の石川美樹です。
今日は ,
「認められたい」の裏にある本当の気持ちとは? についてお話しします。
クライアントAさんのケース
Aさんは「ずっと無難に生きてきた」と話されます。
しかし、45歳を過ぎたころから
「私の人生、このままでいいの?」
と疑問を感じるようになり、苦しさを覚えるようになったそうです。
Aさんには子どもはいませんが、理解のある夫と穏やかな暮らしを送っています。
それでも、どこか 物足りなさ を感じていました。
「周りから見たら幸せな人生だと思うんです。でも、
何かが足りない気がするんです。
誰かに認められるためだけに生きてきたような気がして……。
だから、先生、本当の私の人生を生きるために力を貸してほしいんです。
もしかしたら、私が覚えていない幼少期のトラウマがあるのかもしれません。
それを見つけたくて、お申し込みしました。」
そんな想いで、Aさんは体験セッションに申し込まれました。
「認められたい」気持ちの奥にあったもの
Aさんは、幼少期や思春期の記憶が曖昧だと話されました。
しかし、セッションの中で 大きな心のブレーキ がひとつ見つかりました。
それは、
「誰かに認められたい」という気持ちの奥にいたのは、
“お母さん” だった ということ。
さらに、「認められたい」の裏にあった本当の感情は、
「ガッカリさせたくない」 という気持ちでした。
• 幼稚園のお遊戯会でメイド役になったとき、
「シンデレラにはなれなかったのね」 と残念そうな母の顔。
• 自転車を買ってもらうとき、水色を選んだら、
「女の子はピンクがいいわよ」 とがっかりした母の様子。
仕方なくピンクを選んだら、嬉しそうな母の顔。
• テストで70点を取ったとき、
「100点取れなかったのね……今度は頑張ろうね」 という言葉とともに、少し悲しそうな母の表情。
• 中学でマンガ研究会に入ったとき、
「受験のためには吹奏楽部や陸上部のほうがいいのにね」 という言葉と、がっかりした母の顔。
• 結婚式を親族だけでハワイで行いたいと言ったとき、
「え?普通は親や親戚を喜ばせるためにやるものよ。でも……あなたたちが決めたのなら……」 という反応。
「ガッカリさせたくない」
↓
「母を喜ばせるために、大勢と同じ価値観を持たなければ」
↓
「自分らしさを出すと、母に認めてもらえない」
そうしてAさんは、
お母さんをがっかりさせない人生を生きてきた のです。
セッションの終わりに
Aさんは、気づきとともにこう言いました。
「そっか……私、本当の自分を生きたいと言いながら、
本当の自分が何かもわかっていなかったんですね。
そして、それを邪魔していたのが 『母をがっかりさせたくない』 という気持ちだったなんて……。
でも、やっぱり、
マイナーでもいい。
これからは、本当の私を生きたい!
本当の私を生きていいんだ!! 」
Aさんは、晴れやかな笑顔でそう宣言されました。
***
「認められたい」という気持ちの裏には、
人それぞれ異なる 「ブレーキ」 が隠れています。
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