こんにちは。公認心理師の石川美樹です。
まだまだ暑い日は続きますが、
朝晩の風は秋の香りがしてきた気がします。早いな〜!
さて本日のタイトルは、
【悔しいをバネして生きる落とし穴とは?】
というタイトルでお届けしようと思います。
運動選手や成功者の中で、
「負けて《悔しい》というこの気持ちを大切にし、バネにし、
頑張ってきました!!」
と、成功体験を語る時があります。
この《悔しい》という気持ちは、エネルギーがとても高く、力が湧いてきたり、モチベーションが上がったりします。
しかし、このエネルギーは、
なみなみさんさん溢れている時は力になるのですが、
いずれはそのエネルギーが枯渇したり、
エネルギータンク自体が消耗してしまい、
いずれは、全く力が出なくなってしまう時期がきてしまうのです。
燃え尽きてしまう傾向にあるんですね。
それはなぜか、
《悔しい》というエネルギーは、アクセルとブレーキで言えば、
ブレーキを踏みながら、アクセルを踏んで目標地点に到達しようとすることに似ているので、ガソリンの燃費は悪いし、エンジンにも負担がかかってしまうのです。
例えば、目標の成功に到達するには、ただアクセルだけを踏んでいれば10のエネルギーで到達できるのに、
《悔しい》というブレーキを踏んでいるので、-10から10の到達地点へ向かおうとしているので、20のエネルギーが必要になってしまう。
と説明すれば分かりやすいかな??(ごめんなさい。反対に分かりにくかったかな)
あなたの生きづらさの原因は、
何かをやろうとする時、何か行動を起こす時に、
《悔しい》がモチベーションになっていたりしませんか?
《悔しい》がモチベーションになっている方は、幼少期の《悔しさ》ゆえに、
そこが落とし穴になっていることに気づかず、大人になってもずっとそれを続けてしまっている方が見受けられます。
Aさんのケースです。
次女だったAさんは、長女のお姉ちゃんといつも比べられてばかり。
お姉ちゃんより小さいんだから、お姉ちゃんと比べてできなくて当たり前。
できなくて泣いていると、
そんな時、お姉ちゃんからは、「悔しかったら、やってみな〜」と馬鹿にされるし、
お母さんからも、「悔しかったら泣くんじゃなくて、悔しい!負けないぞ!って気持ちで頑張りなさい」
という教育を受けていました。
Aさんは、何かをできるようになるため、達成するためには、
《悔しい》という気持ちをバネにすることを幼少期から叩き込まれており、それが癖になっていました。
そのバネがあったから、
Aさんは、お姉ちゃんは入れなかった,県内トップの高校に合格し、大学も国立の有名校に合格。
就職も結婚も順風満帆でした。
しかし、子供ができて、下の子は双子が産まれ、
仕事をしながらの子育てでは手が回らなくなってしまったのです。
それでも、
「私よりもっと大変な思いをしているお母さんはたくさんいる。
私が弱音を吐いていてはダメだ。
他のお母さんができているのにできなくて悔しい。
あの人たちにできて、私にできないはずがない。
もっと頑張らなくては!」
と、子育ても《悔しい》をバネして生きていました。
しかし、夫の転勤で、彼女は離職することになり、
慣れない土地ということもあり、助けを求めることもできず、
ずっと、《悔しい》をバネにして頑張り続けていたせいで、
彼女は、突然、燃え尽きてしまったのです。
私はこのAさんのカウンセリングを担当するようになり、
最初、Aさんは、ご自身が《悔しい》をバネにして頑張り続けていることを全く理解できませんでした。
しかし、丁寧に、幼少期からの彼女の《悔しい》思いの中にあるインナーチャイルドを発見し、
心の傷を癒すことで、
《悔しい》ではなく、
「私,《楽しい》というモチベーションで行動してもいいんですね」
とご自分に許可を与えられるようになった頃から、
Aさんの顔に笑顔が戻り、
子供を一時保育に預けたり、多くの人の手を借りることができるようになり、
生きづらさから解放されることができました。
今は、新しい土地で、読み聞かせのボランティアをスタートしはじめ、
「先生、新しい人生を毎日楽しく生きています!」と報告メールをくれました。
嬉しいですね。
さぁ、あなたの生きづらさの原因は、
もしかしたら《悔しい》がエネルギー源になっているのかもしれません。
その癖は、幼少期の心の傷から出来上がってしまったのかもしれませんね。