NHK朝ドラ「らんまん」‼️学者と学問の変遷 | 俺のダンディズムに憧れて!!アラ還起業しちゃうよ^o^

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NHK朝ドラ「らんまん」

当初は

「身上を潰したドラ息子」

の印象が強かった。


しかし、本日の放送で

日本における黎明期の

植物学史を感じることができた。


自然科学は分類学から始まる。

先ず

「対象物が何か」

を知らなければならないからだ。


自身の専門分野である地質学を例にすると

鉱山を探す「山師」のようなものから

地質図学、層序学、鉱物学などが派生し、

岩石を分類する記載岩石学が発展した。

記載岩石学は

岩石をカナダバルサムなどで

プレパラートに貼り付け

ダイヤモンド粉末を使って

0.03ミリまで研磨して作成した薄片を

偏光顕微鏡で観察し

同定する事を基本としている。

これは「らんまん」の

植物標本チェックと同義の作業である。


植物学の植物分類は

地質学の記載岩石学あたる。

これが「らんまん」を身近に感じた理由である。


植物分類同様に

地質学は記載岩石学から離れる。

そして地球の運動を研究する

地球物理学が隆盛を迎える。

有名なものとしては

ウェゲナー→アーサー・ホームズの

「大陸移動説」が世界中で研究され

ドイツの陸橋説を駆逐する。


地球物理学は

気象学や火山学が有名だが

アーサー・ホームズの

プリンシプルオブジオロジー

(一般地質学)の出版以来

大陸移動説が脚光を浴びる。

この研究に付随して大陸移動の原動力として必要な

放射性同位元素の崩壊の研究のための原子物理学や

地球の自転・公転や月の潮汐力の研究に勢いがついた。


私が

地球物理学でもっとも強く影響を受けたのが

氷河期や地球温暖化に影響を与える

「ポールシフト」である。


ポールシフトの研究に欠かせないのは

地質学専攻のきっかけとなった

「古地磁気学」である。


コンサルタント時代は

「古地磁気学」の応用で

新生代の年代測定も研究した。


東京都内の調査では

電子スピン共鳴・有孔虫・珪藻・花粉に加えて

定方位サンプルを用いた

古地磁気分析を実施し

上総層群と下総層群の境界を探った。


このようにツラツラ書いてみると

一つの研究に対して

様々な研究が派生してくるのが

学問の進化だと気付かされる。


そうだ

自身の研究のルーツとなったのは

ブルーバックスの古地磁気学であった。

そして

私は力武常次先生に師事するために

大学を選択したのだ。


恩師の故力武常次東大名誉教授は

「古地磁気学」の権威であり

世界的に有名な「力武モデル」を発表した。

これが当時の世界最先端の研究である。


ブラタモリの富士山の回

東北・北海道調査にも同行した先輩の千葉氏。

千葉氏は城郭考古学に必須の赤色立体地図の発明者。


しかし自身の卒業研究は

伊豆天城山と東伊豆単成火山郡をテーマにし

その後のコンサルタントでの研究は

人工衛星データを用いた

高規格道路の路線選定や

東京都の深部地盤調査などである。

フィールドワークには

個人の動ける範囲に限界がある。

この限界を理解したことにより

国の機関でないと出来ない研究から離れて

もっと身近な研究を求めたのである。


フィールドワークではなく観光。

実際の調査では遠くの水溜まりまで行く。


地質調査ではなく薪取り。

これは地質調査の服装、何故かチェック柄が多い。


大学に入ってから就職するまでで

今日のマンさん(主人公)と同じように

自分と世界との距離を感じた。

研究には資金が必要なのだが

自分には資金がないしパトロンもいない。

要は地位と名誉と実績が無いと

多額の資金を必要とする

基礎研究をすることが出来ないのである。


今後の放送で

「らんまん」で主人公のマンさんが

どのように活躍していくのかが

楽しみである。

「どうなるかは知っている」のではあるが…。