蒼い森の奥で

アンモナイトの夜がくる


回転する灯り

月の精が踊っている


(夜を歌うのですね)

(夜を歓迎しているのですね)

(良い夜ですね)


口々に交わされる言葉は無音なので

それぞれの葉を交換し合っているのです


手折られた白い薔薇

夜露に濡れて恥じらいました


(いなくなったあの子の代わりに)

(どうか捜さないであげてください)

(余計な詮索もしないでください)


土のにおいが雨と腐葉土を孕んで湿気る


乾いた卵の殻から

手紙の欠片がひとつ


ごめんなさいの代わりに

さようならを込めて