小鳥が空の端を啄む
金雀枝が揺れる
魔術めいた蹌踉めき
「お前の罪を数えようか
厳かに影は立ち上がり
歪んだ雑音から反響する
閃いた雷光が叫ぶ
「お前の罪の数だけ罰を与えよう
さんざめく波の声は掻き消される
砂の上の哀しみだ
貝殻の内に秘めた怒りだ
魚介類の犇く暗黒に
お前は今日も沈んでゆく
その身を以って贖え」
晴れてゆく雲間を掻い潜って
巨きな魚影が横切る
頬を撫でる長い爪が見えた
遠くの丘で果実が落ちる
熟したら腐るだけ
生まれたら死ぬだけ
言い切る言葉が澱んでは消える
「お前は燃え落ちるだろう
聳えたのは肉体だったのか?
果たして感情が息絶えた耳から
音を奪ったのは男だろうか?
疑問符に埋もれながら
お前は微睡む