7月10日、火曜日。晴れ。
朝5時00分起床。
血液検査、血液培養。
よい天気。
ワーファリンの量を決める血液検査があると聞いていたので待っていたけど、なかなか来ない。
いつもは5時から回っているのに。
結局、6時に来てくれた。
終わったら自由の身。
体操をして、外に出る。
夜の守衛さんにもご挨拶。「おはようございます! ありがとうございました!」
ホットドッグを食べ、りんごジュースを飲む。
夏の朝は気持ちがいいよなぁ。
7時、病棟に戻る。
病棟の端の、日当たりのよい場所で、隣の患者さんと話す。度々の手術、心労を察して思わず頭が下がる。
看護師さんに呼ばれた。
「○○先生(循環器内科の主治医)、血液培養あとでとりに来るって」
ええええ!!
退院前のサプライズ。
8時。(二度目だけど笑)ご飯を済ませる。そのあと、歯を磨いたり、お茶用の吸い飲み(ICUのために持ってきたのをそのまま使っていた)を洗ったりしていた。
リハビリの方のご挨拶。
担当の方がいないので代理のひとが来た。
「よろしく伝えておきますんで、お大事にー」
「どうもー」
それから心外科の先生の回診が2回。まずA先生。
「抜糸って、痛くないです?」
「大丈夫ですよ、たぶん気づかないうちに終わります」
「よかったぁ、ありがとうございました!」
そしてB, C, D先生。
「じゃ、外来で」
「ありがとうございましたぁ」
あっ、胸帯のこととか聞いておけばよかった……。
いつもこうやって、会話の後に後悔するんだよなぁ。
9時。事務の方が請求書を持ってきた。概算よりも安かった。
循環器内科の先生が来た。
菌の種類があまりないものなので、データを提供、報告することに同意した。
そして、おまちかねの血液培養。
右手が見えづらい、逃げるとのことで、右だけで4回刺されました……しかも右の方が痛い
「ワーファリンを飲んでいるから血が止まりづらいけれど、焦らず止血を続ければ止まるからね。焦って、ちらちらみたりすると、止まらないからね」
はい!
まだ外来があるので気は早いけど、かかり医への紹介状の話も将来的には、ということでお願いしておいた。
先生が部屋を去ってから、ふと思っていたことを看護師さんに聞いてみた。
「そういえば、朝にもけっこう採血しましたけど、またやるんですね」
「えっ」
ダブり発覚。
血液培養のついでにと採血もしていたのを見て、「あれ、またやるんだ」、と思って見ていたのだけど、全然違った。
まぁ、いっか。(よくない)
10時。支払いを済ませ、片付け完了。薬剤師さんの話を聞いた。処方。
・ネキシウムカプセル20mg
・ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg
・アムロジピンOD錠5mg
・セファクロルカプセル250mg
・アセトアミノフェン錠200mg
・ワーファリン錠1mg
・ワーファリン錠0.5mg
全部すごく丁寧に説明してくれた。
飲み方が怪しい人には一包化するらしいのだけど、「あなたのように勉強する人にはそんなことしません!」って。
いやぁ、一包化してくれた方が楽よね
セファクロルカプセルだけ一日三回。
アセトアミノフェン錠は疼痛時のみ。
朝だけは、6錠飲むことになるのか。
もっとも、ましな方なのかもしれないけど。
ワーファリンの手帳も頂いた。
ワーファリンはじわじわ効いて、長く効くから、調節も大変なのねぇ。
私の場合、上がらないなぁと四錠に増やしたら、数日後にぼーんと上がってしまったことがあったらしい。結局、今は二錠で安定。
「これを使いこなしたら、変態です」
たしかに。末尾の記入欄とか、ワーファリンの量の変化を書くのは分かるけど、トロンボテスト値ってなんだ!
「0.5mgのときは、割ったりするって聞きましたけど、薬を割るって、どうするんですか。薬剤師さん一つずつ割るんですか」
「割ります」
家庭ではスプーンの背中を使って割るとよいと教わった。私は0.5mg錠が出てて要らないけど、一度は割ってみたいと思った。
関係ない話ばかり聞いてしまった。40分も!
ワーファリンの話にしてもいきなりプロトロンビン時間とか言い出すし、「胃酸を抑えるって、タケキャブというの出たことあるんですけど、あれは違うんですか」なんて、脱線しまくってもう面白い面白い。
我ながら、毎回何十分も話し続ける、めんどくさい患者だったなぁ。面白かったけど。
でも、ご挨拶を済ませてお別れ。
「電話で、薬剤師の○○出せって言えばこの携帯に繋がるんで、いつでも呼んでくださいね!」
「ほんと、呼びますよ! 見かけたら、挨拶しますよ!」
最後は看護師さんの話。
手続きを済ませたので、あとはモニターを外し、バンドを外すだけ。
あとは、外来の予約票。
二週間後だ。それまで大丈夫かなぁ?
引き出し、棚、忘れ物なし!
最後の最後、隣の人に挨拶。
「こうして隣になったのも、お話して下さったのもなにかの縁、どうかお元気で」
と言って、がっちり握手した。
「私ももうすぐ退院です。どうぞお元気で、ご活躍下さいね」
定年近いかたで、倒れるまでばりばり働いておられたかたなのだけど、優しいお言葉をかけて頂いて胸が熱くなった。
「本当に、ありがとうございました。失礼します」
最後に部屋を確認。忘れ物なし。
泣きそうなので、ナースステーションはあっさり挨拶して出てきてしまった。
「長いあいだ、お世話になりました。皆さんの名前、覚えてしまいました。またご挨拶に来ます」
みたいなことを言った。
さっさとエレベーターに乗り、外来でごった返す受付を突っ切り、猛暑の外に出た。
外だ!!
あつつつつ……
あっ。
今の私、正中ではないとはいえ、両手の荷物あきらかに2kg越えてる。
両手が重い。
早く帰ろ……。
バスで駅へ。
さよなら病院、また来ますー。
駅前でご飯。最初のシャバのメシは、回転寿司!
まぐろフェアでしたねぇ。
まぐろ、まぐろ、ひらまさ、サーモン、はまち、中トロ、玉子、かっぱ巻き。
駅前でタクシーに乗って自宅へ。
「実は今日退院してきたんですよう!」
「いやぁ、そんな風には見えないなぁ」
とりあえず運転手さんには話しかける派です。
とりあえず愚痴をこぼす(笑)
「心臓の手術やったんです」
「ええぇっ、狭心症ですか」
「いや、弁のほうが悪くてですね」
「あぁ、ドラマやってますよねぇ、見てますよ」
素晴らしい!
話が早い!
「タクシーの運転手というと、不規則でしょう、大変なのでは」
「いやぁ、頑張りすぎるとね。病気になったのも二・三人いるんですよぅ」
そんなこんなで、話したいことを話して、「お大事にねー」なんて言ってもらった。
15分ほど乗り、自宅のそばに着きました。
時刻は12時。
もっと早く帰ってくるつもりではあったのだけど、なかなか慌ただしかった。
そんなこんなで、今ゆっくりしてます。
………………
これで、入院日記は一段落。
ここまで、入院中に感じたり考えたことを、毎日毎日、読み直しもせずに殴り書きしてきました。
長くて、しかも読みにくいものだったと思います。
だからこそ、たびたび見てくれている方には本当に感謝しかありません。
とくに術前は不安だらけでしたが、コメントを頂き、心の支えになりました。重ねてお礼を申し上げます。
今後も、生存報告ということで、更新して行きたいと考えています。
本当に、ありがとうございました。
………………
自宅に戻り、パソコンを起動しました。
ブラウザに残っていたのは、病院のホームページと、見たかった映画。
あぁ、あのときのままだ、と思いました。
ときおり、胸のところにモニタ心電図がついている感覚が蘇ります。
70日近く、ずっとつけていたんだもの。
「入院患者あるある」ではないかしら。
さて、明日から、ちょっとずつでも身辺整理を始めないと。
自宅も、仕事も。
お風呂、傷痕。
まだちょっと不安だなぁ……(^^;)