ガンディーと適正技術、「モダン・タイムス」、NGOの収入を10年で倍増させた元CEOの話 | 花の島(フローレス)と日本の間

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バイオマスエネルギー事業や排水処理事業を通じて、環境保全や住民の生活向上のための活動を行うNGOスタッフの日々の物語。インドネシア、東ヌサトゥンガラ州にあるフローレス島(ポルトガル語で花の島の意味)と日本を行ったり来たりしています。


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今年設立30周年を迎えるAPEXでは、適正技術関連で著名な大学の先生方などと一緒に適正技術フォーラムを設立することとなりました。

 

 

国際協力、特に途上国での技術支援を行う時、先進国で使われているような技術をそのまま現地に持っていったとしても、高価であったり、運転が難しかったり、すぐに修理できなかったりすることが多くあります。

 

適正技術は、このフォーラムでは「それぞれの地域の状況に適し、多くの人々が参加しやすく、環境の保全や修復にも資する技術」と定義していますが、このような状況にならないための解決策の一つでもあります。

 

また、そのような適正技術は企業が膨大な市場を求めて、途上国へ進出するのにも重視しなければならない考え方であるともいえます。

 

元々の適正技術の考え方は、インドのマハトマ・ガンディーに遡ります。当時のインドはイギリスの植民地で、インドの綿花がイギリスへ輸出され、逆にインドはイギリスで機械を使って大量生産された綿製品を輸入していました。ガンディーは、インドはこのままではさらに貧しくなると考え、インド国内で綿製品を人の手によって織ることを提唱します。人の手で織ることで雇用を生み出すという意味もありました。

 

彼は、技術の発展は進歩と本質的に同義であるとは思いませんでした。技術の力はもっとうまく生産され、利用されるべきだと信じていました。そして、その恩恵はより個人に向けられ、より広く生み出され、より分散的に享受されるべきだと考えていました。彼は、技術は人から権利を奪ったり、暴力のために利用されたりすべきものではなく、人々を広く力づけるために利用されるべきものだと考えたのです。

 

ガンディーがイギリスに渡った時に、あのチャップリンに出会い、彼の話にインスピレーションを得たチャップリンは、後に映画「モダン・タイムス」を作ったといいます。 「モダン・タイムス」は資本主義社会や機械文明を痛烈に風刺した作品で、労働者の個人の尊厳が失われ、機械の一部分のようになっている世の中を表現しています。

 

そのように適正技術の元をたどるとガンディーに行き着きますが、適正技術の考え方を本格的に世に送り出したのは、『スモール・イズ・ビューティフル』の著者、エルンスト・フリードリヒ・シューマッハーです。実は、このシューマッハー、1965年にITDG(Intermediate Technology Development Group )というイギリスのNGOを創設します。適正技術による支援を行う団体ですが、このITDGが2005年にPractical Actionという名称に変わりました。

 

APEXでは、このPractical ActionのCEOを2005年から2015年まで務めたサイモン・トレース氏を、11月4日、5日に開催される適正技術フォーラムの設立を記念する国際会議に講師として、ご招待しました。

 

サイモン氏がCEOを務めた10年間に、Practical Actionの収入額(寄付金など)は、2005年の1,509万ポンド(23億円)から2015年の2,600万ポンド(2014年は3,000万ポンド)までと倍増しました。年間の裨益者数は今や170万人にものぼるそうです。

 

このサイモン氏だけでなく、インドやインドネシアで適正技術の普及に取り組むNGOや日本の研究者・企業の方を講師として、お迎えした国際会議、ご都合が付けば是非ご参加ください。

 

特に途上国を技術で支援したい方、途上国に技術を売り込んでいきたい方にとっては、現地ではどのような技術が求められるか、世界的にどのような技術の進歩が望ましいか等、何らかのヒントが得られるかもしれません。

http://www.apex-ngo.org/atfjconference2017.html

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