手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


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とうとう大晦日ですねー。

1年が経つのは早いものだ……というのが決まり文句になってる感がありますが、ニュースハイライトなど見ると、えっあれもこれも今年の出来事だったっけ、というのがあまりにも多くて、やっぱり1年12ヶ月365日は長いです。来たる1年もまた色んなことがあるんでしょう。

読書日記的に今年を振り返ってみると、何といっても特筆すべきはやっと出ました京極夏彦『邪魅の雫』。期待に違わぬ出来栄えでした。そして来年への期待は、創元推理文庫出すと言っててなかなか出ない戸板康二を何とぞお早めにお願い致します!

あと個人的希望としては、コンサドーレ札幌J1昇格争いに最後まで絡めますように(いきなりJ2優勝して昇格しろなんて言いません)、北海道日本ハムファイターズ目指せAクラス(来季は取り敢えずこれでいいです)&オープン戦交流戦合わせて読売ジャイアンツには全勝するように(爆)。

などというたわごとを毎度読んで下さってる皆様、今年も本当にお世話になりました。来年もどうぞよろしく!

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不具合が生じた理由も元に戻った理由も把握できていませんが(汗)、何はともあれ通常に入力できるようになってめでたい限り。

という訳で、先日あと回しにした雑誌の話。(余談ながら、とうとう根負けして「雑誌」カテゴリ新設しました……但し、めんどくさいので過去記事のカテゴリ変更は致しません/笑)

アマゾンにもアフィリエイト検索にも引っかかってこなかった雑誌ですが、無理やり画像でご紹介です(笑)。皆様、表紙の青年をご覧下さい。ファッションモデルではありません。プロ野球選手です。北海道日本ハムファイターズの若きエース、ダルビッシュ有。今度成人式の20歳です。

この雑誌、存在を知ったのは11月のこと。ぜひ見たい!と思いつつも、取扱書店がかなり限られている様子……わざわざ足を運ぶ機会もないままに、その他スポーツ雑誌やら番組やらを追いかけまくっているうちにいつしか時は過ぎ、自然と忘れていたのです……この前たまたま立ち寄った書店で、平積み台に何気なく目をやった瞬間までは。

えええっ!? あっ、よく見たらレジ上にこの雑誌のポスターまで貼ってある! そう、全く失念していましたが、その書店って、数少ない「SPORTLINE」取扱店のひとつだったのでした。いやー、しかしまさか1箇月も経ってから買えるとは思いませんでしたです。

まだこの雑誌と「北海道ウォーカー」しか確認できていませんが、このオフは色々と雑誌の取材を受けまくっているというダル君。コンセプトは「あなたと野球場で会いたい」とのことで……この美貌をエサに(笑)女性客を球場におびき寄せようという作戦らしいですが、うんうん、いいんじゃないでしょうか♪ 貧乏球団ファイターズ、出来ることは何でもやるべし!(笑)

いや、しかしまるっきりファッションモデルの扱いですよ。インタビューぐらい載ってるのかと思ったら、何もなし! かろうじて表紙に(!)短い文が載ってはいるんですが……これって記事というよりは、「撮影を終えて」とか「表紙のひとこと」とか、そんな感じの編集後記系のコメントですよ(笑)。

全身像あり、顔のアップあり、表紙写真の2ページバージョンあり。生まれつきの骨格が整ってるところへもってきて、若いから肌は綺麗だし、スポーツ選手の美男美女特有の眼差しの強さが強烈です。もはや少年ではなく、さりとてまだまだ大人の男性とはいえない時期。彼の場合、それこそジジイになっても美男子であろうと思われますが、今この年齢の美しさは、また特別なものであるように見えますね。編集部、グッジョブ!

……ただ、この雑誌全体としては、実はどういう本なんだかよく判らない(苦笑)。

スポーツ雑誌、ではない、のは判る。では何なのかというと……スポーツ周辺雑誌? まあスポーツの話題かな雑誌? どっちかといえばスポーツ関連かも雑誌?

何しろ訳が判らないのが、ダル君のページの次に登場してるのが石原・公私混同・裕次郎の兄です・慎太郎東京都知事(苦笑)。まあ、オリンピックの開催都市に立候補してる訳だから、知事本人がスポーツ関係の雑誌に出たいのは判るものの、その紹介文が……一体全体どうしてこの人が「日本を代表する作家」なんですか(爆)。

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岩本 勉
ガンちゃんの日本一泣けるファイターズの本―これで北海道日本ハムのすべてがわかる

アメブロの調子がおかしいです……。かろうじて入力と記事アップはできるものの、それだけ。本の画像も入れられません……せっかくダルビッシュ有ファッションモデル顔負けの表紙写真が美麗な雑誌を買ったっていうのに、画像がないんじゃどうにもこうにも(嘆息)。

で、画像があってもなくてもあまり関係のない本を。これの表紙、ただ赤一色なもので(笑)。

(12/30追記:めでたく元に戻りました……よ、良かった)

この春『ガンちゃんの世界一面白いプロ野球の本』を出した岩本勉の野球本第2弾、彼の喋り口調で「ここだけのちょっといい話」を紹介するというスタイルは前作と同じ、なのですが。

WBC優勝で盛り上がる春、その代表メンバーの話から始まってるプロ野球全般の本。そしてシーズンの終わりには、日本シリーズ優勝チームの本。要するにどっちも、その時々の話題に乗った「プロ野球盛り上げ本」でしょ、というふうに見えます。が、実はこの2冊、唯一にして最大の相違点がありまして。

ファイターズ一筋16年、昨シーズンを最後に現役引退したばかりのガンちゃん。今の肩書は「野球解説者」ということにはなってますが、今回の本に関する彼の姿勢は、全くもうただの「ファイターズOB」! 客観性もへったくれもありゃしません(笑)。悲願の優勝に大喜びしまくり、選手からスタッフからほめまくってます。こんな身内自慢の本、全国発売してんじゃない!と言いたくなるくらい(笑)。

でもこの「自慢」、ファイターズファンにとっては非常に心強い。せっかく優勝できたのに、その殆ど直後から、聞こえてきたのは「来季はダメだ」の声ばかり。曰く、小笠原に逃げられたからダメ。若手エース達も来年は研究されるからダメ。新庄目当てのミーハー客が激減するからダメ。去年優勝の千葉ロッテも今年Bクラス、軽薄なパフォーマンスなんかやってるチームは所詮ダメ……等々、等々。

悲観的な予想、ならまだいいんです。中にはただの悪口雑言としか受け取れないものもある。何というか、「おまえらが優勝するなんて間違ってる!」とでもいうようなね(苦笑)。今年優勝を逃してたほうがまだ何も言われずにすんでたんじゃないかと思うくらいです(汗)。

そこへガンちゃんが、ファイターズの「良いところ探し」をやってくれた訳ですね。チーム内の風通しがいい。移籍してきた選手も居心地が悪くない。大御所田中幸雄選手の人柄がいいから他のベテラン選手も威張らない、変な派閥ができたりしない。選手同士の仲がいいから、皆が自然にチームプレーができる。ピッチングコーチとバッティングコーチが敗戦の責任をなすりつけ合ったりもしない。球団事務所が札幌ドームの中だから、現場とフロントの意思疎通もばっちり……。

内輪ぼめ、とは言うなかれ。長年パ・リーグのお荷物と言われ続け、読売ジャイアンツのナベツネ氏からは東京ドームから出て行けと言われ……一か八かの北海道移転決定も、発表当初は何だか「都落ち」の印象が拭えませんでした。移転がうまく行ったら行ったで、今度は、にわかファンばかりと言われたりする訳で……そんなこと言われたって、じゃあ一体どうしろと(苦笑)。

違うんだ、もうそんな足腰の弱いチームじゃないんです。ファンの愛情と応援にしっかり値する存在なんです、ほら、ここを見て下さいよ。

優勝の便乗本ではありません。堂々の「お荷物」返上宣言です。

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ドロシイ セイヤーズ, Dorothy L. Sayers, 松下 祥子
箱の中の書類

セイヤーズの長編の中で、唯一のノンシリーズもの(つまりピーター・ウィムジー卿が出てこない)だそうです。ご贔屓シリーズのある作家のノンシリーズものって、私はどうも手が出にくいんですが、これはちょっと興味をひかれました。全編、事件の関係者達の手紙もしくは手記で成り立ってるんですよ。

前にも書いたと思いますが、一人称形式と手記形式、似ているようでいて決定的に違うのは「手記には嘘が入る可能性がある」ということ。故意の虚偽とまではいかなくとも、書き手の先入観や偏見や情報不足等により、事実とは全く異なることを事実と信じて主張している可能性がありうる訳です。小説の読者は行間からそれに気づくけれども、作中人物である手記の書き手は、物語の最後まで自分の誤認を悟らないまま……ある意味、非情な手法ですね。

さてこの作品の場合、単に手紙で成り立っているというだけではありません。タイトルでも判りますが、物語冒頭の時点で、これらの手紙・手記は既にひとまとめになって存在しているんですね。関係者のひとりが、その書類の束をどこかに送って意見を仰ごうとしているところから始まります。事件はもう起こってしまっている、のです。

ということを頭に入れた上で本編を読み始めるとどうなるか。初老の男ハリソン氏が若い後妻と暮らす家の、独身中年の家政婦が妹に宛てた手紙が最初です。この家政婦、精神科医のカウンセリングを受けてたりしてどうも少々不安定、平凡な子持ち主婦の妹とは仲良くやってるように見えるけどどっかで決定的にズレている、というのが単なる近況報告の筈の文面からまざまざと読み取れるんですね。この家政婦の判断力に100%の信用はおけない……読者にまず生まれるのはこの認識。この後ずっと、全ての手紙について「書き手の偏見」を疑いながら、いつの時点でどんな事件が起こったのかと身構えつつ読み進んでいくことになります。これが何ともサスペンス!

というと心理サスペンスが主眼の作品のように思われるでしょうが、完全犯罪を暴く堂々の本格ものでもあります(こういう手があったかと舌を巻きました)。そして更には、ここがセイヤーズの真骨頂だと思うのですが、「ああ面白かった」だけでは終わらない読了後の余韻。

真相の判ったミステリは面白くないという人も多いようですが、これは再読三読に値する小説ですよ。

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野村 敏雄
伊庭八郎(いばはちろう) 戊辰戦争に散った伝説の剣士 PHP文庫
あわわ……コンサドーレ札幌が天皇杯ベスト4まで勝ち残ってしまいました(汗)。
そりゃあボランティアの交流会(忘年会?)では皆気勢上げてましたよ「元旦は国立だー!」って(言うのはタダだし!)。だけど実際に勝ってしまうと、期待してたくせに本気でびっくりしてるのは何故なんでしょう(笑)。準決勝の相手はバンちゃん出場停止とはいえガンバ大阪という強豪ですが、ここまで来たらもう言っていいよね。「目指せ優勝!」
って、浮かれてないで本の話だ、本の話。
「Go Plain!」Aki_1031さん が取り上げてて興味を持った本です。Akiさんご贔屓の伊庭八郎を描いた1冊。
この人についてはあまり詳しくないのですが、ざざっと簡単に調べてみた範囲では、「実は労咳を病んでいる」というパターンもあるようですね。でもこの作品の彼は健康体です。若くて元気で男前、直参(つまり江戸っ子)の天才剣士。時あたかも幕末の動乱期、旗本の誇りと意気地にかけて徳川家のために身を挺して闘う姿が格好良い。
作者は徹底的に八郎達に寄り添った目線で書いています。なので、滅びゆくものに殉ずる悲壮感とか、負け戦に突っ込んでいく哀れさとか、そんなものは微塵も感じられません。薩摩・長州の狡猾を憎み、徳川家に着せられた汚名を晴らそうと前向きに頑張る姿は、青春小説!とさえ思えるほど。
ただ、逆に。
徹底的に八郎達に寄り添っているから、ある程度予備知識のある読者でないと判りにくいところが多々あるような気がします。
たとえば新選組の登場のさせ方なんか、非常に中途半端な気がするんですよね。唐突に土方歳三の噂が出てくるんですが、その場はそれっきり。その後八郎が上洛する場面になって、ここで簡単に新選組の説明でも入るかなと思ったらそれもなし。そうか幕末ファンへのサービスでちょこっと土方歳三の名前だけ出したのか、と思ったらこれまた唐突に屯所を訪ねるシーンが……でもやっぱりここも、その場限りの細切れな印象です。
前にドラマ「獅子の時代」DVDの感想で、西南戦争のくだり、大久保利通と西郷隆盛の間にある友情がリアルなものとして感じられないという感想を書きましたが、この小説における伊庭八郎と土方歳三の関係にも、全く同じ感想を持ちました。言葉では何回か語られてるんですよ、喧嘩友達だって。でも、その言葉から立ち上がってくるものがない。
この作品中で新選組メンバーは、省こうと思えば省けてしまう存在です。実在の人物を全然無視するのも何だから出しておきました、ぐらいの扱いにしか見えないんだなあ。八郎が土方歳三の戦死を聞く場面、幕末ファンは自分の予備知識やイメージで補って、それなりに重い場面として読むことができるでしょう。でも、もしも幕末史の知識が全く無い人が読んだとしたら。「この土方って人、殆ど出てきてないけど、結局何だったの?」としか思えないんじゃないだろうか。
そうかと思えば、しつこく登場してくるけどその存在意義がよく判らないというキャラもいる訳で……私には正直、諏訪隼之助という人がこの小説に本当に必要なキャラだったとは思えません(汗)。まあ乱暴に言ってしまうと『燃えよ剣』における七里みたいなもんなんですが……でも諏訪のほうは八郎に執着してるけど、八郎はただ迷惑してるだけなんだよね(苦笑)。これで八郎のほうでも心底から「いつか決着をつけるべき相手!」と思い定めてる相手だというんなら別なんですけれども。諏訪が何で八郎の殺人剣を見たいなんて物騒なことを思うようになったのかも判らないし、散々引っ張った割りには決闘シーンもいささか余韻不足……ううう、消化不良だ。
そして、ラストシーンも……作者は、これが「余韻」のつもりなんですよね。でも。
蛇足(汗)。
うーん、具体的にどこがどうという悪いところがあるのではないんですが……で・でも、何かイヤな言い方になってしまいますけれども、ああやっぱり「PHP文庫書き下ろし」なんだよねえ、という感じの……新潮文春角川講談社幻冬舎、ハードカバーでは絶対にありえない。
司馬遼太郎、藤沢周平、池波正太郎、中村彰彦……文章の、切れ味と緩急と匂いが、どうしても決定的にレベルが違っているんです。
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辻原 登
花はさくら木

物好き(失礼)な常連読者の中には覚えておいでの方もきっといらっしゃることでしょう。辻原登作『花はさくら木』の朝日新聞朝刊連載中、私が折にふれてはぐちぐちぐちぐちぐちぐちと、そりゃもうしつこく文句をたれていたことを……。
それでもようやく連載が終わってほっとして、これでもう文句は打ち止めだとも書かせて頂いたのですが。
すみません、今朝の新聞を見たら、今度こそほんとの最後に最後、ひとこと言わないではいられなくなってしまいました(苦笑)。
嘘だろと言いたくなってしまうんですが、どういう訳だか『花はさくら木』、大佛次郎賞受賞です。過去の受賞作品で自分が読んだことあるものをさがしてみましたが、大江健三郎『新しい人よ眼ざめよ』、加賀乙彦『湿原』、司馬遼太郎『韃靼疾風録』、萩原延壽『遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄』……何か今回思いっきり見劣りしてると思うんですが気のせいですか(汗)。
この作品、私にはどうにも「中途半端」に思えるのです。時代小説のスタイルをとってはいますが作者は「時代小説ではない」と明言しており、私も連載を読んでるうちにさすがに気付きましたが、でも単行本の帯には「時代小説の醍醐味」とかあるんだよね(苦笑)。形は時代小説だけど実は純然たる時代小説じゃないという作品は、もっとはっきり最初からそうと判るようにやってほしいなあ。お手本の例はいくらでも挙げられます。
NHKの昔のドラマ「戦国武士の有給休暇」、これはもうタイトルだけで一目瞭然。
奥泉光『坊ちゃん忍者幕末見聞録』、何で幕末に忍者でしかも坊ちゃんなんだと訳が判らなくなりますが、読み始めてみるとこれが夏目漱石『坊ちゃん』の文体。あ、時代設定はこうでも所謂「幕末もの」ではないんだね、とすぐ判る。
よしながふみ『大奥』、これもパラレルワールドな設定であることを冒頭で明示しています。
ぐっと古くなって志賀直哉『赤西蠣太』、これなんか見事ですよ。「サザエさん」の元祖かって感じの(笑)海の幸な人物名と、まるっきり現代語の会話。今でいえば、サムライが「つか、それマジで超ヤバくね?」とか喋ってるようなもんです。
しかし『花はさくら木』はねえ……かなり読み進むまで判らないんですよ、「わざとやってる」ということが。「細部の詰めが甘い」「時代考証がめちゃくちゃ」「現代を浮かび上がらせたいからって、その他の部分に手を抜いてる」にしか見えない。現代語の会話も迫力不足。
しかも中途半端なのはスタイルだけじゃなくて、ストーリーもそう。前にも書きましたが、一体どうやって終わらせるんだろと思ってたら、ばたばたっと主要人物を何人も国外にやっちゃってそこでおしまい。広げた風呂敷を無理やり畳んだようにしか見えません。ヒロインである内親王の秘めた恋心も、何か非常に「取ってつけた」感があるんだよなあ……。
しかし選考委員諸氏はこぞって大絶賛な訳で、きっと素人の私なんかには判らない評価のしどころがあるのでしょう(苦笑)。委員のおひとり井上ひさし先生などは、シェークスピアを引き合いに出してさえいらっしゃいます。井上作品たとえば『腹鼓記』などのほうが、何百倍も良い作品だと思うんですけどねええ。

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コナン・ドイル, 阿部 知二
緋色の研究

年末を前にして、5年使ったパソコンがぶっ壊れました。ともかくも、買ったヨドバシカメラに父親が担ぎ込みましたが、年内には見積すら貰えないらしいです。年賀状、まだつくってません……。

という訳で現在の入力場所は職場です……わーっ、だ・だって死ぬほどヒマなんだもん(汗)。

思えば昨年の今頃は、期待の年末年始ドラマが目白押しでわくわくしていたものでしたが。今年は平穏だなあ……まあいいや、道内ローカル局のファイターズ特番観るから(笑)。

新しいミステリ作品の感想を詳しく語るのはなるべく控えるようにしてますが、放送から1年近く経ってるし、もういいですよね。今年のお正月の大収穫、「古畑任三郎ファイナル」の話。

ネットサーフィンしていたら、2話目の「フェアな殺人者」で、犯人役のイチローがとった殺人方法がちょっと判りにくかったという感想を目にしたのです。薬のカプセルを2つ用意して、1つは毒薬、1つは蜂蜜入り(つまり無害)。標的にどっちか選ばせて、残った方を自分が飲む。確率50%の賭けは見事当たって(相手にとっては大外れですが)、彼は生き残った訳ですが。

殺したい相手に、2つの薬(或いは飲み物)を選ばせる。1つを飲めば死に、もう1つを飲めば助かる。

これ、ミステリとしてはある意味「王道ネタ」なんですよ。小説としてのミステリ愛好者があのドラマを観てたら、たぶんあそこで全員が大喜びして三谷幸喜をほめたたえたことでしょう。でも、「古畑~」って、あそこまでバリバリにミステリ色全開のドラマでありながら、決してオタク仕様じゃないんですよね。だから昔からのこのドラマのファンでも、元ネタを知らなくて戸惑う人が結構いる。

ではその元ネタとは何かというと、これ。名探偵の代名詞的存在シャーロック・ホームズ初登場作品です。

恨んでいる相手を殺そうと決意した男が、2種類の丸薬を用意して相手に選ばせようとするんですね。しかし自分が毒入りの方を飲んでしまう可能性だって50%ある訳で、何でそんなことをするのかと思われそうですが、ここにこの男のキャラクターがあらわれてます。彼にとってこの殺人はただの人殺しではありません。正当な復讐です。天に裁きを委ねるという気もあったでしょうし、決闘するという感覚もあったでしょう。憎悪し軽蔑している相手ではあっても、生き延びるチャンスを与えてやろうとしている。

指摘しているブロガーさんがいましたが、まさに「フェアな殺人者」。

仁木悦子「赤と白の賭け」もこれのバリエーションに入るかな。これは、娘を騙した男に復讐しようとする父親が、赤ワインと白ワインの片方に毒を入れ、選ばせようとします。と同時に、父親の企てを知った娘が愛する男の命を救うために書いた手紙を見せるんですね。そこには「どちらに毒が入っているか」が明記されている。これは信じていいのか、それとも罠なのか?というサスペンス。

換骨奪胎、本歌取り、サンプリング、リスペクト。こういうことがあるから、古典ミステリってやっぱり読んでおいたほうが後々楽しいんだよなあ。

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今 市子
百鬼夜行抄 (14)
「ネムキ」1月号の表紙1枚めくった途端、わっと叫んでしまいました。巻頭カラー『百鬼夜行抄』最初のページの欄外に、とんでもない告知がさらっと……TVドラマ化されるって!?
慌てて検索かけてみましたが、どうも詳細はまだ全く未定のようです。「2007年2月より」というんだから単発じゃなくて連ドラなんだね、というのがかろうじて判るくらい。
いやあ……しかしこれは愛読者として、喜んでいいのか、危ぶむべきか。
テレビ局がこれに目をつけたというのは非常によく判るんですよ。登場人物(&登場化け物!)が皆魅力的だし、設定がユニーク。1話完結のストーリーも、どれもめちゃくちゃ完成度が高い。ミステリでホラーでホームドラマでコメディで心理サスペンスでファンタジーで……面白い話、の要素が全部入ってると言っても過言ではないかと。原作に忠実に「霊能者の血筋である飯嶋家のちょっぴり怖くておかしい日常」でいくもよし、飯嶋家の面々は思い切って脇に回して「いちばん怖いのは人の心です!」式のシリーズにするもよし。元々がいい素材だから、料理のし甲斐がありますよー。
ただ、ねえ。
2月から放送開始のドラマが12月半ばの段階でまだキャストも未定っていうの、非常に不安なんですよ。
いやドラマの制作現場なんてそんなもんですってばと言われればそれまでなんですが、しかしこの作品の場合はねえ……悪い意味で「いかにもマンガのドラマ化」みたいな、「安い」作り方はしてほしくない。
NHKと比べて差別する訳ではないのですが、民放局のドラマ制作って、どうもどこかで100%信用しきれないところがあるんです。たとえ脚本が力作でキャスティングが絶妙でも、撮影期間が短過ぎるのが観てて判っちゃったりとかね。で、この『百鬼夜行抄』という作品は、まともに作ろうと思ったら、映画並みに予算と手間暇を要するのではないかと思うのです。
飯嶋家の古い日本家屋と広い庭、雑木林。これだけとってみても、ロケが必要になりますよ。スタジオ撮影だけで誤魔化されたら雰囲気も何もない。更には飯嶋家の妖怪達、青嵐に尾白・尾黒。ここにしっかり予算を費やしてくれなかったらぶち壊しになります。
うーん、日本テレビかあ……ドラマ殆ど観てないから予想が全く立ちません。これがもしもフジテレビの時代劇部門だったら何の心配もせずにお任せするところなんですが。
どうか詳細情報を1日も早く! せめて主人公・飯嶋律のキャスティングだけでも……!
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ジョン グローガン, John Grogan, 古草 秀子
マーリー―世界一おバカな犬が教えてくれたこと

まさお君が死んでしまいました。

と言うと誰のことかとお思いでしょうが、テレビ東京系「ポチたま」に出演していたラブラドールレトリバー雄7歳、です。

「日本全国ペットの旅」というコーナーで松本秀樹とともに各地を回っていましたが、7歳といえばそろそろ「老犬」の入口。そっくりな息子のだいすけにバトンタッチして、あとはスタジオ内で番組のマスコットに……の筈が、悪性リンパ癌であっという間に他界。ほんとに急なことだったようです。

何だかやけに首周りの皮がだぶついてるルックス、他の犬が「待て」をしてる時にその餌を取っちゃう食欲の権化(&行儀の悪さ)、こいつ松本のことを「飼い主」じゃなくて「相棒」だと思ってるんじゃないかひょっとして?と思うぐらいの言うこと聞かなさ加減、およそ「名犬」とは程遠い印象の犬でしたが……「まさおみたいなのを飼ってたら楽しいだろうねえ」と、毎週のように家族でおんなじことを言い合いながら観てました。「大変だろうねー、食いしん坊だし(笑)」「でも可愛いよね!」……人間が大好きで、犬が大好きで、何をやっても美味そうにぺろりと平らげて、いつでも機嫌のいい大きな犬。

番組が5年ほど経った頃から、「こいつ、いつまで旅犬ができるのかな……」と時々思ってはいましたが、まさかこんなに急にいなくなってしまうとは。

この本は、新聞の書評を見て父親が買ってきたものですが、読み始めるまでにちょっと決心が要りました。飼い犬や飼い猫の話って、まず間違いなく、そのペットが死んだ後で在りし日を振り返って書かれているものなので。可愛ければ可愛いほど、面白ければ面白いほど、最後にその犬や猫の死ぬところを読むのが何ともつらい訳で……で、この表紙の仔犬もまた、何とも可愛らしいじゃありませんか! いやだなあ、この犬が年とって弱って死んでしまって、飼い主が寂しい思いをしてるところを読むなんて……。

でもとうとう、意を決して本を開いたのです(←大げさ!)。

「育児の練習」という理由のもとに犬を飼い始めた新婚カップル。ラブラドールは賢い、筈だったのに、バカでやんちゃで図体がでかくて壊し屋で、2人は振り回されてへとへとに。子供が生まれ、転職し、家族の歴史が積み重なっていくうちに、やがて犬も年をとり……。

そう、最初に予想していた通り、この本もまたおバカ犬マーリーの生前を思い出して書かれたものでした。でも、予想とは違って、読んでいて悲しくなるようなものではありませんでした。

著者は新聞のコラムニストで、マーリーの死後、このことをコラムに書きます。すると読者から驚くほどの反響があったのですが、多かったのが、こんな声。「あなたはマーリーが世界一バカだったというけれど、違いますよ、うちの犬のほうがバカでした」……皆、むしろ自慢げに、今は亡き愛犬がどれほどバカな犬であったかを熱を込めて書いていたというのです。

どんなにバカな犬だったか、を語る。それはとりもなおさず、どんなにその犬が大事だったか、を語ること。

悲しみの再確認でもあるけれど、この犬と一緒に暮らしてどんなに幸せだったか、の再確認でもある。

そのことが、この本の終わりを明るいものにしています。犬の寿命は短くて、飼い主は必ず悲しい別れを味わうけど、でも、犬がいてとても幸せだった。楽しく懐かしい家族の記憶。

ラストは、著者夫妻が再び犬を飼おうと考え始めるところで終わっています。新しい犬を飼うのは、決して、前の犬を忘れることじゃないんですよね。むしろその反対で、「この子はこうだけど、前の子はああだったね」とか、亡き犬のことも苦痛なしに思い出せるようになるから不思議。

まさおの息子だいすけと娘エルフ(千葉ロッテマリーンズのベースボールドッグ)は、どちらも父親に瓜二つです。これからテレビで観るたびに、「こういうとこまさおにそっくりだね」なんて言うんだろうなあ。

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群 ようこ
かもめ食堂
ふと気付けば12月ももう半分。あと3週間もしないで2007年になっちゃう訳です。
押し詰まってきたのであちこちで色んな回顧企画をやってますね。新聞の「今年の映画」みたいな特集に絶対名前があがると思って楽しみにしてたのに……全く出てこない「かもめ食堂」。
自分が観に行った時期から単純に判断して「今年の映画」だと思ってましたが、ひょっとして、分類としてはこれは「2005年の映画」に入ってるんでしょうか? そうでもないと、一顧だにされてない理由が納得いかないぞー。
ミニシアターの売店で、パンフレットを買うときに目にとまった「原作本」。おっと思ったものの、映画を観た直後に本を読むのも何だかなーという気がしたし(しばらく映画それ自体の余韻に浸っていたかったので)、本は本屋で買いたい、とも思ったし。そう、群ようこの本なんてどこの本屋でも置いてるに決まってると簡単に考えてたんですよ、その時は。まさか12月になるまで遭遇できずにいるとは思わなかったなあ(苦笑)。
さて、「原作本」がカッコ付きなのは、先ず最初に小説が単独で存在していた訳ではなくて、監督が映画の設定とタイトルを小説家に伝え、映画の原作として書いて貰った作品だから。それじゃあ、順番が後先になってるだけでノベライズみたいなものかと思ったら、全然そうではないんですね。ちゃんと単独でも成立する「群ようこの世界」になってます。
初めから映画にするために書かれた作品だから、却って、小説と映画の違いみたいなものが浮き上がってきてますね。小説は物語。それぞれ違った理由と経緯でフィンランドにやって来ることになった3人の、背景が過不足なく語られます。映画は風景。彼女達が日本でどうしていたかは判らない。ただ、今はヘルシンキの町にいる、その姿が丹念に描かれる。どっちのほうがいい、というのではないんですよね。違う表現だ、ということです。
ただ、映画のシナリオとはところどころ展開の違うこの小説版のストーリーも、何だか「絵」で観たくなってきてしまう訳で(笑)。サチエと父親のやりとりとか、サチエとミドリのサウナ行きとか、泥棒撃退の場面とか……このストーリーを忠実に再現するなら、映画よりドラマの方が向いてるかなあ。或いはどなたか、マンガ化してみてくれませんか?
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