自営業者数は1次ベビーブーム世代(55~63年)の引退で
グローバル金融危機直前07年をピークに612万人に達したが金融危機直撃で50万人減少。
景気が瞬間的に蘇った11年に反発し580万名台に増加し12年以降、再び減少してます。
統計庁によると15年8月基準で自営業者数は562万人になり
2年前575万人比12万6千人(2.2%)減少してます。

この10年間で自営業者の生存率は16.4%です。
国税庁の国政監査資料では04~13年まで創業した個人事業者件数は949万件で現在まで耐えている会社は156万件であることが分かってます。
事業資金も零細で、準備期間も短かった為です。
最近、2年間事業を開始した自営業者70%が、資本金の差が550万円以下で準備期間も半分以上が3ヵ月以下です。

過去1年間のファーストフードは12.6%、室内装飾店は12.2%、コンビニエンスストアは10%増加。
この為個人事業主債務の急増は必然でしょう。
自営業ローンは15年に23兆ウォン以上急増しており住宅ローンの増加額51兆ウォンの半分に迫ります。
金融当局は初めて点検に乗り出し金融監督院と韓銀は5つの主要な都市銀行に自営業者ローンに関連した融資現状と審査実態を共同点検しはじめました。

遅すぎました。

自営業者は50代以上高齢層が53.6%を占めます。
新たな雇用を探すのが難しい。
そのために自営業を廃業すれば、非正規職の仕事で行くしかない。
実際、自営業者数が減少した影響で非正規職労働者が増加してます。

統計庁の'経済活動人口調査の労働形態別付加調査'によると、
8月基準の非正規労働者は627万人前年比19万4千人3.2%増です。

自営業者、高齢者、そして現在働き盛りの中産層の過大な負債を支えているのは
所有不動産の時価が相応にあればこそです。
しかしその不動産の価格はすでに日本の東京都内のマンションと価格が変わらない域まで暴騰し、
今本格的に値崩れが始まりつつあります。
ちなみに日本はバブル崩壊後都内平均で時価は1/3以下になりました。

不動産バブルが崩壊し、
個人借主の高齢化が進み所得での返済能力がなくなれば、
金融機関の融資はことごとく不良債権になります。
日本のバブル崩壊やアメリカのリーマンショックがそれに当たりますが、
韓国の不動産バブルは尋常ではない。
1~10月にかけ全国で建築許認可を受けた住宅は計60万4340戸と前年比52%も増加。
年間住宅許認可物量はブンダンやイルサンなどの首都圏第1期新都市が建設された90年以降70万戸を超えます。
景気刺激のための住宅ローンの規制緩和などの影響で不動産ブームが発生したためです。

許認可を受けた住宅は2、3年後に入居が始まります。
入居時期に供給量が過度に増えれば不動産価格が下落し17年以降、更に暴落するわけです。
兆しは現れ始めており7~9月のマンションの初期分譲契約率が80%に達していない市郡区が、
前四半期より7か所多い13か所に増えてます。

年明けから分譲不敗と言われたソウルとブサンも悪化傾向のようです。

米国金利引き上げがあれば、韓国も追従して引き上げが予測されます。
融資利息の増加や住宅価格の下落まで加わり債務者を追い詰めるでしょう。
金融委員会は16年1月から元利金返済させる「7.22家計負債を巡る総合対策」をまとめましたが、
かえって融資需要を膨らませてしまいました。

既に全世帯の70%ほどが債務を抱え、
多数が自宅(不動産購入53%、借家の保証金16.4%)のために借金をしています。
人世帯あたりの平均負債規模は1億ウォン(約1050万円)前後と推算された。
中流階級を含めたすべての階層の昨年の世帯当りの平均負債は約6000万ウォン(約630万円)と調査結果もあります。

住宅融資だけでなくその他融資も増大し、
退職者を中心にする自営業者の大半が破綻していること、
不動産時価が下落していること、
従業員構成が非正規が中心になり若年者の失業率が跳ね上がっていることを考えれば、
韓国の個人負債110兆円は相当額が不良債権化するでしょう。
その結果金融機関の多くを破綻させるでしょう。

防衛のため来年から住宅ローンを利払いだけの期日一括方式から元利均等返済型にシフトしようと試みられていますが、既に手遅れです。
70%以上が利払いだけのローンで生活設計をしている中では、
元金返済という負担が新たに発生すれば韓国の個人消費はおそらく壊滅します。
実際これほど多くの家計が負債にまみれているのであれば解決は困難な状況です。
家計崩壊による金融機関、消費壊滅は時間の問題と言えるでしょう。