PQQ(ピロロキノリンキノン)というビタミン様物質があります。
すでに日本やアメリカでは消費者庁やFDAに機能性食品として認可されています。
また化粧品にも配合されています。
PQQ は1964年に細菌のグルコース脱水素酵素に含まれるビタミンB3とビタミンB2につぐ
3番目の酸化還元補酵素として発見されました。
補酵素とは酵素に結合することで酵素の働きを発揮させるものです。
ビタミンの条件は人が合成出来ない有機物で、補酵素としての作用を持つものとされています。
ビタミンCはコラーゲン合成酵素の補酵素です。
ビタミンCなしではコラーゲンの合成が待ったくできず、血管がもろくなり人は死んでしまいます。
補酵素依存性酵素は補酵素がなければ酵素は機能を発揮することができないのです。
その後、PQQが細菌やマウスの成長促進作用、脳神経保護作用など様々な作用を持つことが発見されました。
2003年にはPQQが人のリジンというアミノ酸の分解に関与する酵素の補酵素として働くことが発見され
世界中に大々的に報道されました。
その後この酵素がPQQなしでもある程度リジンを分解することがあきらかとされ、
残念ながらPQQは新しいビタミンではなく、ビタミン様物質として認知されました。
(PQQなしでもアミノ酸の分解を酵素ができたので、補酵素ではなく補因子となります)
その後、PQQを内服することにより、皮膚のバリア機能が増加して、炎症を起こす肥満細胞の数が低下することが報告されました。
人の認知機能やメモリー機能を改善することも報告されています。
また抗糖尿病作用や活性酸素の消去作用など様々な効果を発揮するなど非常に多彩な機能を発揮します。
一体どうしてだろうと、世界中で研究が進みました。
PQQが、ビタミンCの存在下でNADPHやグルタチオンなどのチオール可能物から水素イオンを受け取り、
NADPや酸化グルタチオンに電子をあたえて還元したり、SODやカタラーゼという還元酵素を活性化して
酸化還元状態の恒常性を維持することも判明しました。
スーパーオキシドという活性酸素を消去するスピ―ドはビタミンCの6から7倍あることも明らかになりました。
PQQ1分子が20000分子の酸化物を還元することも判明しました。
ちなみにビタミンC1分子は4分子還元すると崩壊してしまいます。
濃度的には1分子のPQQは5000分子のビタミンCに匹敵する抗酸化能を発揮するのです。
まさに抗酸化界のスーパースターなのです。
1%のビタミンCローションと0.0002%のPQQローションが同程度の抗酸化能を発揮することになるのです。
上は人の酸化還元系の模式図です。酸化したビタミンCを還元するのはグルタチオンやNADPHという電子の供与体です。
これを還元するのがPQQということになるのです。
PQQはミトコンドリアをも活性亜してNADPHを強力に産生させ、酸化還元の状態を還元側にもっていく作用も持っています。
僕がPQQに興味を持ったのはある論文を読んだことがきっかけです。
それはマウスにPQQを内服させると、48時間後には
排泄機関である腎臓と皮膚にか有意に存在しないというものです。
PQQ内服にて皮膚のPQQ濃度は5倍に増加しましたが、脳や心臓などほかの臓器では
ほんの僅かしか増加しませんでした。
この論文を読んで僕はピンときました。
PQQはビタミンC、グルタチオン、SODなどと一緒に皮膚に比較的高濃度存在して
代謝や紫外線によって生じた活性酸素を強力に消去しているのでは?
PQQを内服したり皮膚に外用すれば、光老化や一般的な老化が防止できる可能性があるのでは?
そう考えました。
まず第一段階としてPQQサプリメントを今まで内服しているビタミンCやB群と一緒に飲むようにしました。
すぐ感じたのが、体がポカポカしてきたことです。
筋肉がいつもより暖かい状態でアイドリングしていて、すぐに運動できるような状態になりました。
そして便秘がすぐ治りました。
自分では気が付かなかったのですが、内服してから顔の色が白くなりツヤツヤしてきたといわれました。
僕はグリシンというアミノ酸をたっぷり摂取するようにして、真冬でもポカポカしてゴルフができるようになりました。
グリシンは強力な代謝作用を持っています。もちろんミトコンドリアも活性化します。
先日30度を超える日に、今年初めて氷嚢を頭に載せてゴルフをしました。
暑くて暑くてふらふらしましたがみんな平気でプレイしています。
つい先日梅雨が明けるとき、午前中は雨だったのですが、午後は晴れてゴルフをしました。
直射日光が腕に当たると、サンスクリーンをたっぷり塗った皮膚がとても熱くなります。
暑くてしょうがないので”今何度あります? 30度超えました?”と質問しました。
キャディさんが23度ですと答えました。
そんなはずはない、カートに積んでいる温度計が壊れていると思いながらプレイを終わりました。
終わるといつも練習をするのですが、暑くてそれどころではないので車に乗って帰ることにしました。
車に乗ったらびっくりしました。
本当に23度しかないのです。
ジムで運動もしているし、暑さに慣れているはずなのにどうしたんだろう?
思い当たりました。
最近飲み出したPQQが原因の一つだと思います。
PQQは1日20㎎、ほかにコエンザイムQ10やカルニチンもそしてビタミンC,ビタミンB群も飲んでいます。
コエンザイムQ10はミトコンドリアの電子伝達系を活性化します。
カルニチンは脂肪酸のミトコンドリアへの取り込みを強化します。
そしてPQQはミトコンドリアに、糖が分解してできたピルビン酸の取り込みを強化します。
PQQはクエン酸回路の脱水素酵素に結合してその活性を上げます。
ビタミンCやビタミンB群もミトコンドリアの代謝を上げます。
そんなわけでさらにPQQをとることによりミトコンドリアの活性が上がります。
ミトコンドリアの代謝が上がれば、大量の熱がミトコンドリアで生じて体温が上がります。
上の図にPQQの作用部位を示しますが、PQQがすごい点は、ミトコンドリアで生じた大量の活性酸素を
ビタミンC、ビタミンB群やSODなどとともに消去する点です。
活性酸素を常に生じる体内や皮膚に最適の成分なのです。
体内のPQQは血液中ではなく、ミトコンドリア内に存在するといわれています。
体内のミトコンドリアの温度は50度くらいに達するという報告もあります。
PQQをとり代謝をあげて、ゴルフをして代謝をあげて、日光に当たりさらに体温が上がり
暑くて、熱くて、しょうがないという状態になったのだとおもいます。
冬、小学生が半ズボンをはいていても寒くないという現象があります。
これは小学生のミトコンドリアがたくさんも熱を産生しているからですが
僕のミトコンドリアもPQQで小学生並みに活性化した可能性があります。
夏の間はPQQ内服しないでゴルフをしてプレイ後に内服するようにします。
体感できる、燃えるミトコンドリアを実現するのかPQQというビタミン様物質なのです。
次回からミトコンドリアの作用機序やその効果について解説します。
追伸です。今日PQQサプリメントを内服しないでゴルフに行ったら、快適にラウンドできました。
PQQのミトコンドリア活性化作用は本当にすごいです。