皮膚の痒み、今までは肥満細胞が放出するヒスタミンがその主な原因とされてきました。
最近ヒスタミン以外に皮膚の炎症を起こす
蛋白分解酵素(トリプターゼ)や
炎症を起こすサイトカインであるIL31なども
痒みに関与していることが明らかになりました。
痒みを感知した感覚神経は末端からサブスタンスP(SP)という神経伝達物質を放出します。
SPを僕は「イライラホルモン」と呼んでいます。
イライラすると交感神経から分泌されるからです。
知覚神経のSP受容体を刺激して痒みを起こす以外に、
肥満細胞や表皮細胞に作用してこれを活性化して、蛋白分解酵素やサイトカインを
放出させて、血管拡張をともなう新たな炎症を起こします。

この原稿を書きながら、あれっ?と思ったことがあります。
SPは表皮細胞や免疫担当細胞からも分泌されますが、
一番多いのは神経細胞からの分泌でしょう。
そうすると脳でも大量に分泌されて、血管拡張を伴う炎症を起こして
頭痛を起こすのではと思い、調べてみました。
なんと片頭痛の原因としてSPが挙げられています。
SPを直接抑制するのは、血圧上昇や嚥下障害を引き起こすので難しいようです。
でもビタミンA,B,Cをたっぷり摂取することにより
炎症に伴う2次的な分泌は抑えることはできそうです。
ビタミンA,B,Cをたっぷりとることは自律神経を活性化して
興奮、イライラを抑えることにもつながります。
まさに皮膚は心の鏡なのですね。
心に不調があると、頭が痛くなり、皮膚は痒くなるのです。
皮膚の炎症を抑えるために蛋白分解酵素は蛋白分解酵素抑制因子、
活性酸素やサイトカインはビタミンA,B,C
蛋白分解酵素受容体の発現はビタミンA,B,C
蛋白分解酵素受容体のシグナル伝達はトラネキサム酸、アドナ
などで対応できます。
しかしながら全身的な副作用をなしにSPの産生や
SP受容体の発現を抑える薬はまだないのです。
片頭痛の治療を目的をしてSP特異的な抑制薬剤が開発されています。
これを皮膚の炎症を抑えるために使用できる日も近いと思います。