アクネ菌の認識機構とニキビのあたらしい治療法について | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

アクネ菌やアクネ菌の産生する毒素、CAMPファクターを人はどのようにして認識するのでしょうか?

この辺にニキビ治療のポイントが存在します。

アクネ菌の認識するセンサーは下の3つがあります。

TLR2 インフラマソム PAR2

 

TLR2はパターン認識受容体と呼ばれるものです。 

細菌やウィルスなどを認識するためのセンサーで、表皮角化細胞や免疫担当細胞の表面に存在します。

特定の細菌やウィルスあるいは損傷した自己組織のパターンに反応するようになっています。

TLRに細菌などが結合すると免疫反応を起こします。

 

インフラマソムは細胞の中に存在します。

細菌やウィルスをファゴサイトーシスという作用で、細胞の中に飲み込んでから活性化します。

こちらもNLRP3などのパターン認識受容体で細菌などを認識して、マスターサイトカインであるILβを

カスパーゼ1といいう酵素で活性化して免疫反応を起こします。

 

 

PAR2はアクネ菌などの細菌が産生する蛋白分解酵素のセンサーです。

アクネ菌は自らが生き延びる場所を拡大するために、人の組織を蛋白分解酵素で分解します。

蛋白分解酵素がPAR2に結合してこちらも炎症反応を起こします。

 

アクネ菌は3つのセンサーで感知されるわけです。なせ3つもセンサーがあるのでしょうか?

それは皮膚の共生菌といえども、ほかの細菌同様に、人に悪さをするようなら直ちに感知して炎症反応を起こして

これを一掃するためです。

念には念をいれて免疫反応を起こせるようにしているのです。

 

センサーのメインとなるのはTLR2です。細菌アクネ菌の産生するCAMPファクター という毒素に反応することがわかりました。

アクネ菌は毛穴が詰まり、酸素に乏しい嫌気性の環境になるとCAMPファクターを産生します。

アクネ菌のどのような成分がインフラマソムを活性化するのはまだ判明していません。

 

僕は、毛穴が詰まったことにより、たまたまアクネ菌がCAMPファクターを産生するようになり、

過剰な免疫反応をおこしてしまったのが、ニキビと考えています。

アクネ菌は共生菌で1平方センチメートルあたり最大100万個も生息しているのです。

黄色ブドウ球菌のような病原菌ではありません。

 

アクネ菌を排除するのではなく、過剰な免疫反応を抑えることが、ニキビ治療の一番大切なことであると考えるようになりました。

もちろん、嫌気性環境をなくしてCAMPファクター を作らせないようにすることも大切ですが、、

 

ニキビの部位では表皮角化細胞や炎症性細胞がTLR2、 NLRP3 、PAR2をたくさん発現していいます。

TLR2は抹消血中でも増加しています。

TLR2の過剰発現を抑制するのが、ビタミンA、 亜鉛、などです。

インフラマソムの活性化を抑制するのはビタミンCです。インフラマソムの活性化には

活性酸素が細胞内で増加することが必要です。

 

ビタミンCは細胞内,特にミトコンドリアの活性酸素を消去してしまいます。

PAR2の活性化を抑制するのは蛋白分解酵素抑制因子です。           

さらにある特定の薬剤がPAR2の活性化を抑制することをすでに青山ヒフ科クリニックでは突き止めています。

 

ニキビをアクネ菌のセンサーを抑制することで治す、新しい治療法をすでに青山ヒフ科クリニックでは開始しています。

新しい治療法のポイントはこれだけではありません。

来年早々に詳細を発表します。

楽しみにしていてください。