眼瞼黄色腫には糖質制限!?

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以前、福岡の西田美穂先生が眼瞼黄色腫のレーザー治療についてブログで分かりやすく説明なさっていたので、ちょっと考えていたことをメモしておきます。
西田先生のブログ↓
http://ameblo.jp/mihoxnishida/entry-12099721970.html

一応、当院の症例もご覧に入れます。
当ブログ頻出の50代女性(すみません、いつも自分で)。
50歳を過ぎたころ、上眼瞼内側皮膚に黄色の小さな塊ができ、約1ヵ月位で急激に拡大しました。
高脂血症や糖尿病はありません。

術前の状態です。局麻下にCO2レーザー治療を行いました。
顔が赤いのはフラクセル治療直後だからです。
 

治療後は良好でしたが、一部再発し、下眼瞼にも黄色腫が出現したため、CO2レーザー治療をもう一度行いました。
その2年後の状態です。
ほとんど目立たない状態になりました。
 
 
黄色腫を作る病気は色々あり、全身性の脂質代謝異常症が基礎にあると言われています。

眼瞼黄色腫(xanthelasma palpebrarum)もその脂質代謝異常症の一部に分類されています。
皮膚の中にコレステロールが沈着し、黄色い境界明瞭な塊を作ります。
顕微鏡で見ると、泡沫細胞(ほうまつさいぼう、組織球という細胞が脂質を食べ過ぎて風船みたいになった状態)がたくさん認められます。

血中の余分なコレステロールが眼瞼に溜まるのかと思いきや、眼瞼黄色腫の患者様は血中コレステロール値が高くない方が多いのです。

あれ~コレステロールが血中に多すぎるから、余ったものがくっつくんじゃないの?
と、言いたくなりますよね。

眼瞼黄色腫が再発するところを注意深く観察すると、黄色い塊ができる前に皮膚が赤く腫れることがあります。
まるで蚊に刺されたかのようですが、痛くも痒くもありません。
そうこうするうちに、何となく皮膚が黄色くなってくるのです。
黄色の塊になるのは、あっという間。
数週間の出来事です。
黄色の塊ができる前に、皮膚に炎症が起こっているんですね。
炎症が起こってから、コレステロールが集まるの?

これってどこかで聞いた話です。
そう、動脈硬化のメカニズム。
動脈硬化はコレステロールが血管に沈着して起こると考えられていました。
しかし現在はコレステロールが長年無実の罪を背負っていたことが分かってきました。

本当の原因はさまざまなストレスによる炎症が血管内皮を傷つけるから。
特に血糖が高いと糖が血管のタンパク質と結合して、血管内皮を傷つけます。
その修復のためにコレステロールが集まっていたのでした。
「火事の現場に行ったら消防士がたくさんいたので、火事の原因は消防士だ」と決めつけられたようなものと例えられています。
コレステロールさん、長年誤解していてごめんね。

消防士さんのお話はこの動画に
https://youtu.be/AwkBB2Z6914

ずいぶん遠回りしまいましたが、要は眼瞼黄色腫の始まりは炎症であり、その修復のためにコレステロール沈着が起こるのではないか、と言いたかったのです。
その証拠に黄色くなる前に皮膚が赤く腫れあがります。
まるで血管内の動脈硬化過程を目の前で見ているようです。
これと同じことが、いま自分の血管の中で起こっているに違いない!
ぞぞ~~~っ!

しかし糖質制限を開始してから、そのような皮膚の炎症症状が起きなくなりました。
眼瞼黄色腫の再発もありません。
ちょっと気を抜いて糖質を多めに摂ると、黄色腫のあった部位が一、二度赤くなったことがあります。
その時は気を引き締めて糖質制限を強化すると、赤味は収まりました。

なぜ眼瞼の特定部位に炎症が起こるのか、その原因は不明です。
そして再発率がとても高い。
せっかく患者様をきれいに手術しても、再発するとがっかりなんです。

私一人の経験から大きなことを言うつもりはありませんが、眼瞼黄色腫の再発を防ぐには糖質制限食が有効ではないかと思っています。
専門の先生方、いかがですか?

では皆様、素敵な夜をお過ごしください。


 
http://www.aoyama-eluclinic.com/