青森県内の医師・歯科医師の喫煙率と医療機関の禁煙化状況調査
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【目的】受動喫煙防止や禁煙治療のためだけでなく、タバコの重大な健康被害と無煙社会の必要性を患者や一般社会に広く知らせるためにも、医師・歯科医師の喫煙率ゼロと全ての医療機関の敷地内禁煙化の早急な達成が求められている。青森県保険医協会では2001年と2004年に喫煙率と禁煙化状況調査を実施してきたが、現時点における状況を把握し今後の対策を進めるため、アンケート調査を実施した。
【対象】青森県保険医協会会員1270名(医師802名、歯科医師468名)とその所属医療機関を調査の対象とした。
【方法】アンケートは無記名で封筒に入れて郵送してもらい、同時実施の医療機関禁煙化調査は各施設の代表者のみに回答してもらった。調査は2009年6月に実施した。
【結果】回答は224名(医師149名、歯科医師74名)で回答率は17.6%だった。回答のあった医療機関は211施設で、医科140施設(診療所124、病院10)、歯科71施設(診療所69)だった。
医師の喫煙率は6.1%、歯科医師は6.8%、男性は7.3%、女性の喫煙者はゼロだった。医師・歯科医師合計の喫煙率は6.3%で、2001年の13.8%から8年間で半減していた。年代別では30代男性の喫煙率が37.5%と突出して高かった。診療科別では、外科、整形外科の喫煙率が高い傾向がみられた。回答率が17.6%と低かったため、実際の喫煙率はもっと高いものと考えられた。「医師・歯科医師は喫煙すべきでない」と考える人は78.9%だった。喫煙者の71.4%は禁煙したいという気持ちがあると答えた。
医科の医療機関の45.0%(63施設)、歯科の56.3%(40施設)が敷地内禁煙になっていたが、院長が喫煙者の医療機関では13.3%と低かった。非喫煙者のみを採用する医療機関は32.7%で、2001年の21.1%から増加傾向にあった。勤務時間内禁煙を義務づけている医療機関は26.5%だった。
自由意見では医療機関のみならず公的施設の全面禁煙化や大幅増税などの規制政策を求める意見が大多数で、タバコ農家対策や歯科における保険診療を求める声も目立った。個人の自由や嗜好品とする意見も散見された。
【考察】早期に医師・歯科医師の喫煙率ゼロと全ての医療機関の敷地内禁煙化を達成することは難しく、屋内全面禁煙の法制化だけでなく、敷地内禁煙を保険医療機関の施設基準に入れたり、医師・歯科医師免許の資格に非喫煙者であることを入れるよう働きかける必要がある。